各 労働組合 御中

労働者保護法の制定など、働くもののくらしと

雇用を守る「共同」をめざして

−「懇談」「共同行動」の申し入れ−

2000年2月25日

  

愛知県労働組合総連合
議長    阿部 精六


 働くものの生活と権利を守るため、貴労働組合の日頃からのご奮闘に敬意を表します。

 いま、私たち労働組合の最大の課題は、歯止めのない大企業のリストラ攻撃をやめさせ、300万人の失業者対策、学校を卒業しても就職できない事態の解決など、安心して働ける雇用の場を確保することと考えます。

 ご存じのように今、トヨタ自動車をはじめ日本を代表する大企業は、430社で98兆円という膨大な内部留保をため込みながら、国際競争力強化などを口実にさらなるリストラをすすめ、いっそうの高利潤をめざしています。労働者や中小企業に犠牲を押しつけ、地域経済に果たすべき社会的責任を放棄しているといっても過言ではありません。しかも小渕内閣は、こうした大企業のリストラを規制するのではなく、産業再生法などでリストラを奨励しています。この、政府・財界一体となったリストラ攻撃は、労働者・国民の犠牲で産業構造転換をはかるものであり、許されるものではありません。

 長引く不況で労働者・国民の生活は苦しくなる一方です。労働者の生活安定、真の景気対策が求められていますが、大企業は「総額人件費抑制」政策のもとでリストラ・人べらし、賃金切下げを口にし、雇用の流動化を主張して、正規労働者から低賃金の不安定雇用労働者への置き換えなど推し進めています。また、政府は景気対策と称してゼネコン奉仕・大型プロジェクト中心の公共事業に固執、将来不安をいっそう加速させる年金改悪など、相変わらずの「逆立ち政治」を続けています。

 雇用の安定、大幅賃上げ、生活密着型公共事業への転換、社会福祉の充実による雇用拡大、消費税の引き下げなどこそ内需を拡大し、不況を打開する最大の保障と考えます。とりわけ、いま労働者にとっての緊急の課題は、快適な職場環境で自らの労働に誇りをもち「人間らしく働く」基盤を確立することであり、その最低限の保障が、企業の身勝手なリストラ・首切りを規制する「解雇規制・労働者保護法」の制定であり、労働時間の男女共通規制の法制化だと考えます。

 国会前での座り込みにおけるエールの交換など、連合、全労連、全労協などの「共同」が中央段階でもいくつかの地方でも実現し、働くものの要求実現へ、ナショナルセンターの枠を超えた労働組合の共同を願う声は日毎に高まってきていると感じています。

 こうした時だからこそ愛知でも、すべての労働組合が共通して掲げている「労働者保護法の制定」を中心に、働くもののくらしと雇用を守る運動をいっそうインパクトある運動とするために、話し合い、力を合わせる「共同」の実現がつよく求められていると考えます。

 以上の趣旨から、できるだけ早期に貴労組と私どもとの「懇談」の機会を設けていただくよう、また共通の要求課題での「共同行動」をご検討いただくよう、文書で申し入れをさせていただきます。

なお、いま私たちがとりくんでいる下記の署名など、資料として持参しました。検討の際の参考にしていただければ幸いです。

 

 

1.解雇規制・労働者保護法の制定を求める請願書

   (衆・参両院議長あて、個人署名)

 

2.労働時間の男女共通の法的規制と「パート労働法」の改正等を求める署名 

   (労相あて、同)

 

3.時給千円以上への引き上げ・全国一律最低賃金制の制定を求める署名

 

以上

 


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