日頃からの貴職のご活躍に、敬意を表します。
さて、貴職もご存じのように、長引く不況のなかで労働者・県民の生活は、今たいへんきびしい状況にあります。昨年は完全失業率が4%台で推移する一方、県下の有効求人倍率は0.5倍そこそこで、「1年以上職がない」との訴えや、学校を出ても仕事に就けない若者の増加など、雇用状況の悪化が際だちました。中小企業の倒産も相次いでいます。加えて、巨額の利益を上げている大企業までが競ってリストラ・人減らしや賃金・労働条件の切り下げを打ち出すなかで、労働者・県民の雇用とくらし、将来不安は日を追って大きくなっています。
こうしたときこそ、国民の税金である「公的資金」を導入して経営を安定させている金融機関として、地元経済の健全化に果たすべき役割があると考えます。
つきましては、私たち8団体として、貴職に対し以下の要望事項をまとめました。貴職が私たちの要望を正面から受け止め、誠意をもって回答下さるよう期待し、要請とさせていただきます。
記
1.深刻な雇用・失業状況を打開し、県民のくらしと雇用、中小企業の経営安定、地域経済の発展をめざすために
@.東海銀行とあさひ銀行の持ち株会社設立により発足する「中部圏銀行(仮称)」については、愛知における貴行の社会的公共的使命を十分に認識され、店舗の統廃合など顧客の利便性を無視した、企業利益優先の施策をとらないこと。
A.新会社設立にあたって4000名の従業員をリストラ(整理解雇)するとの計画を発表されていますが、雇用・失業状況の打開のためにも中止をすること。なお、整理解雇4要件を遵守すること。
B.反社会的な営業展開をしている「日栄」や「商工ファンド」への融資を直ちに撤退するとともに、「貸し渋り」をやめ不況に苦しむ中小零細企業への支援・融資を行うこと。
C.貴行は、政府の「早期健全化計画」にもとずき公的資金を注入し、一時的に政治献金を中止されましたが、これを機に中止でなく廃止されたい。
2.愛知県の財政危機打開、県民のくらしの充実をはかる
@.2005年愛知万博・新空港建設など県の大型プロジェクトには、中止を含め抜本的見直しに力をつくすこと。
A.愛知県の財政危機打開のため県の縁故債で3%以上の利率のものは、低利借り換えの要求に応ずること。
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