日ごろの貴職のご活躍に対し、敬意を表します。
いま、労働者・国民の生活はたいへんきびしい状況にあります。昨年は失業率が4.7%、失業者数が317万人といずれも過去最悪となりました。収入の減少もおこってきています。私どもの構成団体である愛労連が実施している「働くみんなの要求アンケート」では、年間収入が「増えた」が26.5%に対し、「減った」28.7%、「変わらない」34.7%と、年収が減少または停滞している人が、63.4%と全体の3分の2にも及んでいます。
こうした中で、トヨタ自動車の99年3月期決算では5,780億円の経常利益をあげ、任意積立金をはじめとした内部留保は、1年間で521億円増大させ、4兆8,606億円の巨額にのぼっています。その一方で、92年に75,266人いた従業員は99年には67,912人と7,354人・約1割の労働者を削減しています。
トヨタ自動車とトヨタグループが、愛知県経済に占める位置はきわめて高いものがあります。愛知の製造業に占める自動車産業の比率を見るだけでも明らかなことと思います。また、電力や工業用ガスの使用比率も高く、自治体におけるトヨタ自動車とトヨタグループからの税収は全体の2割を占めています。こうした中での、国内生産の減産と海外生産の拡大などは、下請け・関連企業の経営悪化、自治体財政の減収につながり、地域経済に大きな影響を与えています。
つきましては、県内の労働者・県民の生活と雇用を守るために、以下の点について要請させていただきます。貴職が各段のご尽力をいただけるようお願い申し上げます。
記
1.2000年春闘において、労働者の生活と雇用を守るため、以下の点について前向きな検討をお願いしたいこと。
@.これ以上の人員削減はやめ、賃下げなしで労働時間を短縮し、雇用を増やすこと。
A.期間工なども含め、貴社で働くすべての労働者について、賃金を最低15,000円以上引き上げること。
2.大企業としての責任を果たすこと。
@.膨大な内部留保を、下請け企業への単価の引き上げ、労働者の賃上げ、自動車価格の引き下げ、消費者サービスの充実など、社会に還元すること。
A.下請けへの仕事の削減、単価の引き下げ、納期の短縮などに苦しんでいる下請け・関連企業に配慮し、共存共栄の立場に立った公正な取り引きにつとめること。
B.空港・万博・伊勢湾岸道路などの大型プロジェクトについて、自治体財政への圧迫、環境破壊などの点から抜本的に見直すこと。
以上
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