99年度の県関係職員の賃金は、財政難を理由に月例給与3.5%、一時金8%の全国最大級の削減が実施され、県関係職員の生活は大きく圧迫されています。県当局と議会による賃金削減の強行は、人事委員会勧告無視の暴挙と言わざるを得ません。このような賃金削減は、県関係職員の労働意欲を低下させたばかりでなく、その後の県の「補助金カット」も含めて、県民生活や県下市町村等の関係機関、ならびにそこで働く自治体労働者の生活にも深刻な影響を与えています。さらに、東京都や大阪府をはじめとする他の都道府県の賃金抑制にも大きな影響を与え、「愛知が口火、東京が引き金」(読売)と評される状況です。
さて、去る10月1日、貴委員会は知事と議会に99年度の「職員の給与等に関する報告及び勧告」を行いました。しかし、この勧告は、報告で「職員の給与の減額措置は残念と言わざるを得ない」としながらも、賃金削減を行った「特例条例」を「やむを得ないもの」とし、支給実態とはかけ離れた、「削減前の給与」との公民較差を勧告するという前代未聞のものとなっています。人事委員会が「行政や議会に屈した」といわれても致し方のない勧告です。
民間給与との比較や生計費をもとに公民較差を算定し勧告する。知事や議会には勧告の遵守を求める。これが労働基本権制約の代償措置である人事委員会の最大の任務です。今回の勧告で、98年度勧告をまったく無視した「特例条例」を是認したことは、独立機関としての人事委員会の存在を危うくするものであり、公務労働者の人事委員会制度に対する信頼を裏切るもので、決して容認できるものではありません。ここに強く抗議し、今後このようなことが二度とないよう、要請します。
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