政府は9月19日、2005年愛知万博の開催について当初計画を変更、12月のBIE総会での登録を閣議決定した。しかし政府・博覧会協会・愛知県が「計画の大筋が了承された」とする「愛知万博検討会議」では、「海上の森」の利用計画だけであり、主会場となった愛知青少年公園の会場計画全体や財政問題、さらには環境影響評価、交通アクセスなど最も重要・基本的なことが議論されず、問題は山積みされたままです。
第9回「愛知万博検討会議」でも「青少年公園はまともに議論されていない」「環境アセスはやり直すべき」「長久手住民への説明は一度もない」などの意見が出されており、大筋了解などと到底言えるものではありませんでした。さらに「検討会議」を設置するにあたって、博覧会協会が地元愛知の環境NGOや県民に説明した内容を反古にするばかりか、愛知県民の意思を確かめないままの計画は、納得できるものではありません。
さる9月11日、愛知を襲った東海集中豪雨被害は、国および愛知県の防災対策の遅れをみせつけた「天災というより人災」と言えるものであり、県民・被災者からは「万博にうつつをぬかすな、防災対策を早急に」「税金は万博・空港より河川改修に優先して使え」などの声が大きくあがっています。
こうした状況をふまえ、山積みする問題の解決と会場および財政計画の大幅な見直しを行うとともに「開催の是非を含めた県民投票」などで県民の意思を十分に聞くべきではないでしょうか。 以上の点にたって貴職に以下の内容を強く要請します。
記
1.山積みしている問題の解決をせず、県民の意思を確かめないままの愛知万博計画を登録申請した閣議決定は撤回し、12月のBIE総会での登録を延期すること。
2.青少年公園を含む新しい会場計画で環境影響評価手続きをやりなおすこと。
3.万博は国家事業であり財政についても国が責任を負うのは当然であり、赤字になった際に地元に負担を押し付けることのないように明言すること。
4.青少年公園で発見されたオオタカの営巣については「海上の森」同様、2営巣期以上の調査を行い、保護策を確立して会場利用計画に反映させること。
5.会場・財政計画や交通アクセスなど山積みする問題を解決したうえで、新しい計画で「開催の是非を含め県民投票」を行うように愛知県に求めること。