愛労連2001年国民春闘方針

2001年1月28日

愛労連第24回臨時大会



【目次】

T 2001年春闘をめぐる情勢と愛労連の役割

1.岐路に立つ春闘 −労働組合の原点に立ち、「変化」の胎動をつかもう

2.「共同」をひろげ、21世紀の幕開けにふさわしい「世直し」国民春闘を

U 2001年春闘の5つの重点課題とたたかい

1.日本中のすべての労働者に賃上げを

2.許すなリストラ・人減らし「合理化」、不払い残業。すべての労働者に仕事を

3.消費税の大増税反対、税金の使いみちの転換、減税・確定申告の運動

4.年金・医療・介護など社会保障の拡充

5.名古屋市長選挙勝利、民主的な行政、教育、政治への転換

V 2001年国民春闘の重点行動

1.1〜2月=学習・宣伝、要求と闘争体制の確立、大企業の社会的責任を問うトヨタ総行動とシンポジウム、名古屋の直接請求運動の成功

2.「2.21総行動」=職場・地域を足場に、全組合員が総決起を

3.3月段階の行動=「3.2春闘中央行動」と「3.15全国統一行動」「春闘総決起集会」

4.組織拡大

5.名古屋市長選挙勝利のたたかい

W 主要日程


T 2001年春闘をめぐる情勢と愛労連の役割

1.岐路に立つ春闘 −労働組合の原点に立ち、「変化」の胎動をつかもう

 (1)労働組合は思想・信条、政党支持などの違いを超えて団結し、共通する要求の実現をめざしてたたかう組織です。春闘はその労働組合が職場を基礎に産業別と地域別に結集し、全県・全国的なたたかいで要求実現を迫るわが国独特の統一闘争です。

 しかし今、春闘は重大な岐路に立たされています。ひとつには、春闘を「解体・変質」させようとする財界・大企業の攻撃の強まりです。彼らは使用者と労働組合との交渉による賃金・労働条件の決定システムそのものを否定し、労働組合との協議もせずに首切り「合理化」や成果主義賃金の導入などを一方的にすすめています。もうひとつは、労働組合の側からの春闘「見直し」の動きです。このところの賃金・雇用破壊に「このままでは労働組合の存在が問われる」として連合内でも闘争強化を求める声がひろがり、初めてパート賃金の引き上げ要求を掲げたりただ働き・不払い残業を問題にする動きが強まっている一方、大企業労組のなかには毎年の春闘を「隔年春闘」方式に変えたり、成果主義賃金制度を受け入れたり、賃上げ要求を見送るなどの動きも目立ち始めています。

 

 (2)資本の攻撃が厳しいから、経営が苦しいから、まわりが冷え込んでいるからといって、労働組合が要求闘争をあきらめたり弱めたりすることは、組合の存在そのものが問われる基本問題です。また労組がそんな姿勢では正しい意味での企業発展が望めないのは、雪印、三菱自動車などの例でも明らかです。それに、2001年春闘はひたすら困難なのかと言えば決してそうではなく、むしろ国民春闘として前進できる可能性が高まっています。

 この間のリストラ「合理化」でトヨタ、新日鐵、日立、三菱重工、東京電力、NTTなど主要大企業11グループ(従業員135万人)の内部留保は連結決算で前年比1兆4,700億円増、総額では27兆3,643億円にものぼっており、37業種430社で見ると100兆円の大台に達して賃金・労働条件改善の原資は十分確保されています(2000年3月期決算)。一方、労働者の給料は前年比で0.8%(3万5千円)も減少し、「賃金の最低規制」「不払い残業の根絶」「解雇規制=整理解雇の4要件の法制化」など“働くルールの確立”が広範な労働組合の一致した重点要求となってきています。中小企業・業者の困難が大企業の横暴や規制緩和など政府の悪政にあることも次第に知られ、「共同」の条件がひろがっています。「大企業ネットワーク」の交流でも春闘・秋闘の交流でも労働者・国民や中小零細業者の要求はたいへん切実なものとなってきていて、たたかうエネルギーの蓄積がうかがわれます。

 定期大会で確認したように、まさに「愛労連の出番」です。2000年春闘では要求提出を見送った組合、回答引き出しが出来なかった組合が相当数残りましたが、2001年春闘こそ「働くみんなの要求アンケート」を思い切ってひろげ組織人員を上回る要求集約を果たすこと、また経営難に苦しむ中小の経営者とも率直に打開の方向を話し合って、すべての組合が春闘に勢揃いする体制の確立が求められます。

 

2.「共同」をひろげ、21世紀の幕開けにふさわしい「世直し」国民春闘を

 (1)「競争力強化」をかかげた飽くなき利潤追求のもとで、雪印、三菱自動車、そごうなど大企業のモラルハザードが社会問題となり、これまで「企業第一」と考えてきた労働者にも変化が起きていますが、日経連の奥田会長が警鐘を鳴らしたり、トヨタ労連が大会で「労働組合のチェック機能の低下」を問題にする事態は、労働組合の果たすべき役割と責任を改めて問うものとなりました。労働組合が労働組合としての役割を正しく発揮することが、今ほど求められているときはありません。

 それに、世の中全体を見ても労働者・国民の不満や「世直し」への期待はきわめて高いものがあります。大企業の横暴だけでなく、政府のすすめてきたリストラ促進策や大企業本位の規制緩和、社会保障切り捨てなどのもとで、戦後最悪の水準にある中小企業の倒産、毎月300万人をこえる失業者、学校を卒業してもままならない就職、平均寿命を引き下げる中高年自殺などが続き、「雇用、収入減、老後」が国民の三大不安となっている実態なども、労働組合の責任を鋭く問いかけています。

 一方で、こうしてひろがった国民の不安や怒りは有権者の自民党離れを加速、長野県知事選、衆議院東京21区補選、栃木県知事選での「無党派候補」の勝利や森内閣の支持率急落などとなってあらわれており、大きな変化の胎動も始まっています。藤前干潟の埋め立てストップ、知事選での影山候補の健闘、万博計画の大幅見直し、補助金カット反対の共同の発展など愛知での最近の変化もこの「胎動」の一環です。情勢を大きくひらく「世直し」国民春闘が多くの労働者・国民から望まれていることをしっかりとつかんで、愛労連がその中心的役割を果たすことが求められます。

 

 (2)その場合、重要なのは、組織内の正規労働者だけでなく、未組織の労働者、とりわけパート・臨時・派遣など劣悪な労働環境で働く不安定雇用労働者(最近急増して、全体の27%を占めるようになっている)をふくめて、職場・地域の多くの労働者の要求を反映させ、その要求実現に執念を持ってとりくむことです。

 労働組合が掲げる春闘要求にどれだけ多くの仲間の声が反映されているかは、経営者や自治体や政府に要求の正当性と緊急性を認識させ、誠実な回答を引き出す大きな力となります。また、「要求アンケート」の大規模な集約は、春闘要求の社会的・国民的意義を高めることにつながります。その意味で愛労連は、すべての組合が組合員を上回る目標で「働くみんなの要求アンケート」にとりくむこと、とりわけパート・臨時など不安定雇用労働者にも積極的に働きかけてその切実な要求をつかみ、これを組織化にもつなげつつ、職場・地域から「目に見え、心の通う」日常闘争を展開し、要求実現をめざすことを重視します。

 

 (3)あわせて愛労連は、職場の労使交渉や個人レベルの努力では対応しきれない教育、医療、年金、介護、環境など社会問題の解決をめざし、広範な労働者と国民が連帯した国民春闘の前進を図ります。

 労働組合だけでなく、広範な国民諸階層の共同闘争としてたたかってこそ春闘発展の展望がきり開けることは歴史が教えているところです。したがって愛労連は、労働者はもとより、苦しい経営を余儀なくされている中小企業の経営者や商工業者、農漁民、女性、青年学生、高齢者なども含めて、「このままではいけない」という思いを持っている広範な国民諸階層と手をつなぎ、2001年春闘を「政治を変えて雇用と暮らしを守る世直し春闘」としてたたかい、それを政治の民主的転換に結実させる春闘をめざします。

 そしてそのためには、大企業の横暴規制や中小企業保護、税金の使い道の民主的転換、社会保障の拡充、住民が主人公の地方自治体建設、消費税引き上げ反対、森内閣打倒、悪政やめよ、憲法守れなどの要求を軸に広範な階層との共同を追求し、個々の企業や職場での要求闘争とともに、全国的・全県的な規模で社会的力関係を変えていくたたかいを重視します。

 4月には21世紀の愛知を左右する名古屋市長選挙がたたかわれ、7月には参院選も待っています。こうした政治戦での勝利は、文字どおりの「世直し」に直結します。愛労連は、労働組合のもつ組織力と闘争力をフルに発揮し、これらの政治戦でも奮闘する必要があります。


U 2001年春闘の5つの重点課題とたたかい

1.日本中のすべての労働者に賃上げを

 (1)大幅賃上げは、多くの労働者のもっとも切実な要求です。愛労連は、生活と労働の実態にもとづく大幅賃上げ要求の正当性を明らかにし、その実現をめざして奮闘します。大幅賃上げによる生活改善・消費購買力の回復は、大企業の民主的規制、逆立ち財政の国民本位への転換とともに不況打開、日本経済再建の決め手です。

 愛労連は、昨年同様「統一平均賃上げ目標」を掲げることはしませんが、各組合が掲げるそれぞれの平均賃上げ要求を積極的に支持し、その実現に力をあわせます。また、ビクトリーマップ(2月上旬完成)が明らかにする大企業の大儲けとともに、労働者の生活実態とアンケートに示された切実な要求を大量ビラでひろく宣伝し、「生計費原則にもとづく大幅賃上げ」「大幅賃上げで不況打開」「大企業内部留保の社会的還元」という基本方針を堅持してたたかいます。

 とくに愛知ではトヨタの存在が大きいことから、西三河ブロックと連携しつつ、「トヨタシンポ」(2月25日、午後。豊田市・高岡コミュニティセンター/大木一訓教授がメイン講師)や「トヨタ総行動」(2月12日。工場門前ビラ宣伝)を成功させ、大企業に社会的な責任を果たさせる闘いを重視します。

 

 (2)あらゆる産業・職場・地域で、深刻な賃下げ・賃金破壊が進行するなかで、賃下げを許さず全労働者の賃金底上げをはかることは、賃金破壊の攻撃を本格的に強めようとする資本側との今日的なもっとも鋭い対決点です。愛労連は日本の多くの労働組合の一致した要求となってきている「賃金の底上げ・最低規制」を賃金闘争の軸にすえてたたかいます。

 具体的には、すべての単産・地域が底上げ要求として「誰でも・どこでも月額15、000円の引き上げ」要求を掲げ、臨時・パート、派遣など日給・時間給で働く労働者については「誰でも・どこでも時間額100円の引き上げ」要求で足並みを揃えてたたかいます。

 このたたかいの土台として、@単産は、職場内の臨時・パート・派遣労働者の賃金実態と主な要求を調査し、同一職場に働く労働者全体の賃金・労働条件の底上げについて、対話と意思統一をすすめます。また、A地域労連は一定の行政区を選択し、新聞の折り込み広告や求人誌などから地域内のパート・臨時労働者の賃金・労働条件を調べ、「誰でも・どこでも時間額100円の引き上げ」「この地域から時給○○円以下の労働者をなくそう」「地域最賃に近い低賃金で働かせている○○、××など、地域のワースト企業・事業所の時給を改めさせよう」の目標を定めて、2月から宣伝と申し入れ・交渉にとりくむ準備をすすめます。

 B愛労連事務局と幹事会は、単産と地域労連の調査と意思統一を集約し、ニュースなどで全体に知らせるとともに、幹事会として必要な闘争支援、経営者団体や各業界などへの申し入れ、いっせい宣伝などを検討します。

 

 (3)賃下げが企業の意のままに強行される実態は、日本の最低賃金制度が決定的に立ち遅れていることが一つの原因です。日本にはヨーロッパでは当たり前の「全国一律最低賃金制」がなく、各県ごとに「地域別最賃」が定められています(愛知=日額5,411円、時間額677円)が、2001年春闘の“賃金闘争の柱”として、企業内最賃と産別最賃の確立・引き上げ、地域最賃の大幅引き上げにどの単産・地域も本格的にとりくみ、その上に国民生活の最低保障(ナショナルミニマム)の土台となる「全国一律最低賃金制」の確立をめざします。

 具体的には、@1月31日に最賃生活体験挑戦者の突入・激励集会を兼ねて「賃金底上げ闘争学習会」を開き、A2月にはすべての単産の参加で、100名以上を目標とする「最賃生活体験」運動(1日〜28日)にとりくみます。2月15日には「体験者の交流・激励集会」もおこないます。

 また、B3月1日には「体験の感想を語る集い」をもって地域最賃引き上げの必要性と切実性をみんなのものとし、C3月(または4月)には宣伝行動を展開しつつ、労働局や人事院との交渉をおこないます。Dあわせて3月議会に向け(「2.21総行動」などで)、地域労連と単産が連携して県内のすべての地方議会で「全国一律最低賃金制確立」と「地域最賃の大幅な引き上げ」を求める意見書採択運動にとりくみ、各自治体への働きかけもおこないます。さらに、E6月までを目途に「最低賃金を時間1,000円以上に引き上げ、全国一律最賃制度を制定すること」を求める全国統一の団体署名を展開します。

 以上のとりくみと並行して、F愛労連の推薦する候補を最賃審議会委員に選任させるよう要求し、12月の補充選任、4月の選任に向けて要請行動を強化します。

 全国一律最賃の要求額は全労連要求に揃えます(=「時間額1,000円、日額7,400円、月額150,000円」)が、愛労連としての地域最賃要求は別に、「時間1,000円、日額8,000円、月額170,000円」とします。

 なお、こうした最賃・底上げのたたかいと並行して、自治体の公共事業などにしばしば見られる不当に安い入札価格、大企業による下請け単価の一方的な切り下げ、弱肉強食の規制緩和などに反対し、愛労連として必要な抗議や是正要求、「最低限のルールは守れ」のキャンペーンも検討してとりくみます。

 

 (4)史上最低の民間賃上げ相場が、公務員賃金の改悪攻撃の口実につかわれ、それがまた春闘に悪影響を及ぼす「賃下げの悪循環」がおきています。公務員労働者の2年連続の年収マイナス勧告や財政危機を口実とする愛知県の賃金カットは人事院勧告制度の形骸化を示すものであり、あらためて労働基本権の回復のたたかいと結合した賃金闘争にとりくむ必要があります。

 ただその際、同じ公務職場に働くパート・臨時など非正規・不安定雇用労働者や民間中小の低賃金をそのままにしておいては、正規労働者の要求前進も困難です。したがって、2001年春闘では総理府や人事院、自治体当局などへの要請・交渉とともに、職場や地域で非正規労働者の賃金底上げ、最低賃金闘争、民間春闘支援行動などに力を尽くし、官民一体の賃金闘争を抜本的に強化することが求められます。

 逆に、3年連続の賃金カットを押しつけようとしている愛知県や、病院・学校給食の民間委託をはじめとする自治体リストラへの抗議は民間労働者も積極的に支援し、「補助金カット反対」「万博・空港など大型イベント・公共事業への無駄遣い反対」「税金の使い方を改めよ」の宣伝などは官民一体で展開することが重要です。

 

 (5)能力・成果主義が企業の最近の賃金戦略の柱となってきており、労働者を個別に管理することで労働組合の役割を骨抜きにし、春闘を弱体化させる役割も果たしています。同時に能力・成果主義賃金の矛盾も拡大し、その弊害も指摘されるようになってきました。努力しても上がらない賃金や、主観と恣意の避けられない考課査定の不公正と差別に働く意欲をそがれ、また個人業績の競争が集団的な職務遂行の連携や人間関係を阻害し、大規模な人減らし「合理化」とあいまって不良品や事故の多発を招く結果となっています。

 職場ではこうした問題点を明らかにし、導入・拡大を許さないたたかいをすすめる必要があります。また女性差別など、賃金のあらゆる差別をなくすたたかいを強めます。

 

 (6)以上の賃金闘争をすすめる上で重要なのは、要求確立から妥結まで、職場・組合員の討議や意思統一を重視し、多くの組合員が参加できる闘争方法を工夫することです。

 すべての単産が組織人員を上回る「要求アンケート」を集約するとともに、そこに示された正規・非正規の仲間の不満や要求、最賃生活体験にとりくむ仲間の状況、労使交渉のようす、頑張っている他労組のたたかいなど、速報や職場新聞、壁新聞などで生き生きと伝え、山場にはみんなが参加し討議できる学習や集会、あるいはジャンボハガキや一口抗議・要請などの文書戦を展開するなど、「目に見え、心がかよう」職場闘争をすすめ、未組織を含めて多数の労働者の共感を組織して、「労働組合は頼りになる」「私たちの労働組合」という意識を育て、青年活動家の成長や組合員拡大につなげることが大切です。

 

2.許すなリストラ・人減らし「合理化」、不払い残業。すべての労働者に仕事を

 (1)全労連はリストラの流れを転換する拠点闘争に「日産」「NTT」「金融」を位置づけていますが、愛知ではNTT、銀行・証券・損保・生保、住軽金9争議、丸八商運争議、全港湾ダイコー運輸争議、板山運送争議、ヒット通商争議、ニチメン争議、明治乳業争議、ほるぷ再建闘争、中部交通争議など県内の仲間のたたかいを重視し、「企業の横暴勝手なリストラ、ノー」の職場・地域世論をひろげるよう、とりくみます。

 具体的な行動は当該組織からの要請にもとづいて幹事会、リストラ対策委員会、愛知争議団などで討議してとりくみますが、当面、@NTTの、営業窓口閉鎖問題に続く6500人の人減らし反対のたたかい、A金融・証券・損保・生保での、金融ビッグバンにともなう解雇攻撃や労働組合への組織攻撃を押し戻すたたかい、B住軽金9争議をはじめとする県内の仲間の争議解決などに力を尽くします。

 さらに、C2001年春闘を新たな出発点に、全労連が3カ年計画でとりくむとしている「働くルールの確立署名」(解雇規制=ILO158号条約の批准、/現行最賃の引き上げと全国一律最賃の確立、/労働時間短縮、不払い残業の根絶の3課題。1組合員10筆以上、2001年春闘では300万筆を目標)を、愛労連としてももっとも重視する重点要求署名とし、単産・地域が力を合わせてとりくみます。

 あわせて、いま進行中の「司法改革」の動向を注視し、東京地裁労働部などで反動化している労働裁判の判例への批判も強めて、「司法改革あいちの会」とともに真に労働者・国民のねがう司法改革をめざします。

 

 (2)全労連は「すべての労働者に仕事を」のスローガンをかかげ、「仕事よこせ全国行進」などの運動を提起しています。愛知では、これと結合して東海豪雨災害をふまえた愛知独自の要求を具体化し、「緊急地域雇用特別交付金」の改善や予算拡充の自治体要求、職安前での宣伝や相談活動などを追求します。

 また、深刻な社会問題となっている学卒未就職者の雇用確保の運動や、国庫負担増額による雇用保険給付期間の延長・給付金の増額など、失業者の生活・就労保障を求める要求と運動も重視し、就職難に泣き寝入りしない女子学生の会との連携も引き続き追求します。

 失業者の救済をめざしての運動や組織化については、北海道や東京のとりくみに学んで、愛知で出来ることを検討します。

 

 (3)最近は企業による雇用・労働条件の一方的な不利益変更が目立っていますが、これを許さないために、JMIUの先進例にも学んで、どの組合も職場の労働協約闘争を強化します。具体的には、労働者の雇用・労働条件の決定と変更、出向・転籍、派遣労働者の受け入れ、企業組織の再編・「合理化」などについて労働組合と事前に協議し、同意を必要とする「事前協議・同意協定」の確立をすべての組合で追求するようにします。

 また、女性労働者の差別是正、母性保護権利の拡充、増大する臨時・パート、派遣労働など不安定雇用労働者の権利確保と処遇改善のたたかいに全組合がとりくむこととし、少なくとも春闘要求に加えるようにします。

 なお、法を守らず交渉も拒否するなど労働組合を頭から否定する頑迷な経営者は断固として追及し、その姿勢を改めさせます。具体的には、そうした経営者のピックアップを2月はじめまでにおこない、「2.21総行動」などで抗議・包囲デモや企業に乗り込んでの集団交渉をおこなう方向で調整します。

 

 (4)女子保護規定の撤廃によって、女性労働者の長時間・過密労働、健康や母性破壊がさらに進行していますが、「時短で雇用拡大」を要求してたたかいます。春の通常国会には、女子保護規定撤廃にかかわる「ポスト激変緩和措置」に関する法案提出が予定されていますが、全労連は職場での協約闘争とともに、男性も女性も家族的責任を果たすことができる人間らしい働き方を要求し、労働時間の男女共通規制など労基法の改正や育児・介護休業法改正のとりくみを強めるとしています。愛労連は婦人協を中心に、全労連の提起に応えてとりくみます。

 

 (5)「不払い(サービス)残業」=賃金未払いは、労基法で懲役6ヶ月以下もしくは30万円以下の罰金と決められている法違反であり、これを野放しにしたり事実上強要したりする企業姿勢は悪質な犯罪です。ところが愛労連の「大企業ネットワーク」でも、フレックスや裁量労働制の導入のなかで、大企業の多くが「月の残業時間は○○時間まで」などと時間外手当支払いの制限枠を設け、実際に労働者がどれだけ多く働いても目標時間内で「自主申告」させている実態が次々に報告されています。

 労働省が大手の電機メーカーに出した是正勧告(6月末)は大きな反響を呼びましたが、@働かせ方の最低条件を定めた労基法に違反し、A電通過労死裁判などがきびしく断罪した長時間・過密労働の常態化をまねき、生き甲斐や働きがい、ゆとりを奪って働く者の心身の健康をむしばみ、子育てや家庭にも重大な弊害を及ぼし、B本来必要な人員や人件費など必要なコストの実態を覆い隠し、労働者への犠牲転嫁を当然視して健全な企業経営を誤らせるなど、「不払い(サービス)残業」の弊害は大きく、この実態を野放しにしては「人間らしく生き働く権利」は勝ち取れず、企業と日本経済の未来も危ないとさえ言わなければなりません。

 それに、財界寄りのシンクタンク・社会生産性本部の試算でも「サービス残業をなくすだけで90万人の雇用が拡大できる」と指摘するように、不払い残業の根絶は失業・雇用情勢好転の一つのカギでもあり、就職難に泣く若者や職探しに疲れた中高年失業者を励まし連帯するたたかいでもあります。

 しかし、「不払い(サービス)残業」は生半可なとりくみではなくせません。出来る限り多くの職場で実態を調査し、その結果をもとに原因や対処方法についてみんなで話し合い、必要な場合は悪質な大企業の告発運動やキャンペーンをおこないつつ、「残業代を払わせる組織的な闘争」も検討して、「残業不払い=悪質な犯罪」という空気をつくることが重要です。

 愛労連はその第1歩として、全労連が提起する実態調査(個人用、事業所用)を出来る限り多くの職場・組合員の参加で実施し、それを2001年春闘でのキャンペーンや労使交渉に生かすことを呼びかけます。

 具体的には、@2月の一ヶ月間を基本にどの単産もいっせいに調査協力者を多数募って「労働時間調査」を実施し、その結果をまず組織内に示し、打開の方向について話し合いを始めることとします(少なくとも「各単産1職場」は必ずとりくむようにします)。また、Aとくに大企業職場で公然化している「不払い残業」を批判するキャンペーンを検討し、3月議会に向けては(「2.21総行動」などで、底上げ・最賃の請願とセットにして)、地域労連と単産とが協力し県下のすべての自治体に対して「根絶を求める請願行動」(=「不払い残業根絶法」の制定を国に求める意見書採択の請願)にとりくみます。さらに、B使用者が悪質で、改善について誠意をもって対応しない場合は、重点的な抗議・宣伝、団体交渉なども検討します。これらの行動と並行して、C日本共産党などが提案している「不払い残業根絶」への法的規制を実現する国会要請行動にとりくみます。

 以上、すべての単産・地域組織が、賃金の底上げ・最賃とあわせてこれを2001年春闘の重点課題に位置づけてとりくむこととし、春闘の統一行動として「毎月第3水曜日のノー残業統一行動」も検討します。

 

 (6)今日のリストラ「合理化」攻撃の源流である国鉄闘争については、「政府とJRの責任による全面解決」を基本方針としてたたかいを継続強化します。全国キャラバン行動、国会・運輸省前座り込み行動、一の日行動における大規模宣伝、JR不採用事件の早期解決を求める1万団体署名、ILOへの要請団派遣などの到達点をふまえ、春闘での諸行動を展開します。全労連はこのつみあげで政府・JRとの「解決交渉」をきりひらき、要求を前進させるために全力をあげるとしていますが、愛労連は、全労連の提起を受けてたたかいを具体化します。

 

3.消費税の大増税反対、税金の使いみちの転換、減税・確定申告の運動

 (1)645兆円という空前の借金にもかかわらず、政府は財政再建の責任ある方策をまったく示さないばかりか、消費税の大増税をたくらんでいます。政府税調の答申は、低所得者ほど負担率の重くなる最悪の庶民課税である消費税を21世紀の日本税制の主軸にすえ、消費税率を2ケタ以上に大幅に引き上げることを示唆しており、ここ数年のうちに消費税増税の動きが本格化するのは必至の情勢です。愛労連は消費税減税・廃止をめざしつつも、消費税をやめさせる各界連絡会と共同し、税率アップ阻止、食料品非課税を当面の緊急要求として広範な国民的共同をひろげ、春闘期から運動を展開します。関連して、たくらまれている「課税最低限度額の引き下げ」への反対、5兆円にのぼる大企業優遇の不公平税制の是正、2.5兆円の軍事費の削減など、要求してたたかいます。

 また、9月の東海豪雨の被災労働者への宣伝をつよめ、家財・車の被害に応じた所得税の還付、車の修理・買い替えにともなう自動車税・自動車取得税の還付をめざし、できるだけ多くの組合で減税・確定申告の運動(世話役活動=12月〜3月)にとりくみます。

 

 (2)日本経済の61%を占める個人消費は日本経済の主役であり、国民の暮らしを直接応援する政治と財政運営をおこなってこそ、景気の回復や日本経済の発展が可能です。ところが自民党政治は、相変わらず大企業の利益を応援する政策をとりつづけています。愛労連は、ゼネコンと大企業に国民の税金を湯水のようにつぎこむ政治、公共事業50兆円・社会保障20兆円という逆立ち財政に反対するとともに、その民主的転換を要求してたたかいます。

 関連して、愛知県政や名古屋市政のあり方についても、同様な観点から批判を強め、その民主的転換をめざして奮闘します。

 

4.年金・医療・介護など社会保障の拡充

 (1)10月から介護保険の高齢者保険料の徴収がはじまりましたが、サービス利用料の負担が重過ぎて今まで受けていた介護が受けられない事態が続出しています。また、在宅サービスの利用を申請した人の7.3%(12万7千人)が認定審査で「非該当」となるなど、全国各地で深刻な事態が発生し、あらためて制度の根本問題が問われています。

 全国各地の運動を反映して、低所得者の介護保険料の減免措置を実施する自治体にたいする政府・厚生省の妨害に歯止めをかけた厚生省交渉の到達点などを宣伝しながら、減免措置を、碧南、知立、豊田市からさらに多くの自治体に拡大することを重視し、ひきつづきとりくみを継続します。

 

 (2)政府が臨時国会で強行した健康保険法・医療法改悪は、70歳以上の高齢者に原則1割の医療費負担をおしつけ、高額療養費の負担限度額を大きく引き上げると同時に、地域から病院をなくしていくねらいをもつものです。「介護保険料と利用料だけでも大変なのにこれ以上の負担はできない」「将来健保本人3割、大病院では5割負担などとなったら大変」の声を背景に、愛労連は引きつづき健康保険法・医療法改悪に反対し、誰もが安心してよい医療を受けられる制度と医療体制確立を求めてたたかいます。また年金闘争については、2001年春闘を新たな出発点に「最低保障年金の確立」を求める運動を開始します。

 

5.名古屋市長選挙勝利、民主的な行政、教育、政治への転換

 (1)2001年1月から中央省庁が再編され、また独立行政法人化や特殊法人の廃止・「合理化」もいよいよ本格化します。また、省庁再編後の行革推進の具体化として「公務員制度の見直し」もすすんでいます。国民が求める行革は汚職・腐敗の根源となっている政官財の癒着の構造にメスを入れることですが、これらの行革・省庁再編は国民の求める改革に逆行するものです。愛労連は、省庁再編にともなう国公職場と労働条件の悪化、行政の「減量化」、変質・後退を許さない立場で、国公の仲間とともにたたかいます。「物言わぬ公務員づくり」につながる公務員制度の改悪や「25%削減」に反対し、雇用とくらし、社会保障を充実させる行政、公正・民主的な行政の実現を求めて、国公の仲間と共同しての「行革懇談会」の実施など、学習・批判活動にとりくみます。

 また、国民の安心・安全をおびやかし、労働者の賃金・労働条件をさらに劣悪にする各分野の規制緩和の抜本的な見直しを求め、必要な規制を要求して、全労連などがおこなう中央各省要請行動などにも参加します。

 

 (2)深刻な地方財政危機に加え、住民の暮らしを守る自治体の役割を変質させる攻撃も強まっています。市町村合併の強要による「広域化」、福祉、教育、医療など住民に密着した部門の「市場化」「営利企業化」、地方財政そのものを破綻させる「地方交付税制度」の廃止などが財界の21世紀戦略として進められています。自治体の行財政を福祉、教育、医療、中小企業への緊急支援など、住民生活を守る方向に転換することを求め、自然環境の保護、万博の見直しやまちづくり運動などとともにとりくみます。

 とりわけ、愛知では万博・空港問題や補助金カット反対の行動、革新民主の名古屋市政確立のとりくみを重視し、保守層も含めて広範な住民団体との共同をひろげ、必要な行動にとりくみます。なお、こうした運動と県政・名古屋市政の転換に向けては、革新県政・市政の会との連携を強化し、できるかぎり多くの単産・地域が自主的・積極的に参加してとりくむ形を追求します。

 

 (3)政府は、いじめや学級崩壊、校内暴力、不登校、少年犯罪など、子どもと教育をめぐる深刻な現象をも利用しながら、教育基本法の改悪など反動的な教育「改革」をすすめています。教育基本法は、憲法や子どもの権利条約とならんで21世紀に継承すべき宝であり、いま見直すべきは教育基本法に反して受験中心の競争教育を推しすすめる一方で、30人学級の実現、教職員の権利保障と労働条件の確立など、教育条件の整備をおこたってきた政府の教育行政と言わなければなりません。

 競争中心の教育の是正と市民道徳の重視、政治・経済・社会のすみずみに人間尊重のモラルと正義を確立していくことなどを要求し、愛高教など教育労働者を中心に、広範な県民と共同した国民的な運動にとりくみます。

 

 (4)大企業の横暴から中小・下請関連企業を守るルールをつくること、無秩序な大型店の進出や元旦営業などから地元商店街を守るルールをつくること、中小企業予算を抜本的に増額することを要求してたたかいます。

 また人口増加、異常気象などで21世紀には食料問題が深刻化するといわれますが、日本の食料自給率は40%、穀物自給率は25%まで低下しており、まさに危機的な状態と言わなければなりません。食健連や農民連などとも共同し、農業を国の基幹的産業として位置づけること、労働者の全国一律最低賃金制を確立しこれを基準とした農産物価格を保障すること、食料自給率の計画的向上をはかることなどを求めて運動します。

 

 (5)自治体や住民の度重なる要請を無視して、各地の米軍基地で米空母艦載機の夜間離発着訓練(NLP)が強行されています。そもそも、アメリカ以外で米軍の空母機動部隊に基地を提供しているのは日本だけであり、世界的にも異常な米軍基地国家の現状は21世紀の日本の政治が根本から問われる問題です。「米軍基地国家からの脱却」「名古屋港・名古屋空港の軍事利用反対」「周辺事態法に関わる官民労働者の協力動員反対」も春闘の重要課題と位置づけ、安保破棄実行委員会や平和委員会、憲法会議などとともにたたかいます。

 また、憲法第9条の改悪をはじめとする改憲勢力の策動をゆるさず、21世紀の日本を核兵器と戦争のない社会にすることを共通目標に、広範な労働組合・国民との共同を追求します。

 

 (6)現在の自公保連立政権ほど、政治が直接的に労働者・国民の生活と雇用、権利を破壊してきた政権はなく、「政治の転換なくして要求の前進もない」ことが多くの労働者・労働組合の共通認識となっています。また、あいつぐ森首相の暴言、閣僚のスキャンダル、金権・腐敗、モラルハザードに国民の怒りは頂点に達し、内閣支持率を急速に低下させており、森政権は末期的症状に陥っています。愛労連は労働者の要求実現のたたかいと結合し、悪政の限りを尽くす森内閣の退陣、政治の民主的転換、労働者・国民本位の政治の実現を求めてたたかいます。

 

 (7)以上のたたかいで当面もっとも重要なのが、来年4月に迫った名古屋市長選挙です。名古屋市の借金(市債残高)は松原市長になってから4,400億円も増え、合計3兆2千億円、利払いだけでも「毎日3億4千万円」にのぼります。このなかで松原市長は、財政危機を理由に医療・福祉などの補助金をカットし、かつて「福祉の名古屋」といわれた福祉水準を大きく後退させています。しかし、財政危機の主な原因は、名古屋市が国や県の「景気対策」に追随して大型公共事業に邁進した結果です。現に、長良川河口堰、徳山ダム、志段味サイエンスパーク、愛知万博などに続く「笹島ライブ24」や東部丘陵線、都市高速3号線、新空港建設など、次々に打ち上げられる企画はますます借金を膨らませ、そのツケを孫子の代まで残す無責任市政となっており、市民の間に「このままでよいのか!」の声が高まっています。

 来年4月の市長選挙はこの市政を変える絶好のチャンスです。前回も大島候補と梅村候補が取った票を合わせれば松原候補を上回っているところから、「市民の声が生きる市政へ大きな共同を」の期待もひろがっています。松原市長は長野や東京21区などの選挙結果に危機感を募らせ、「オール与党隠し」「無党派層へのアピール」に懸命ですが、市民の大半は「事実上オール与党体制に乗っかり、国や県に追随する市政をすすめながら、パフォーマンスだけ変えても・・」と、受け止めは冷ややかです。政令都市の名古屋が変われば県政にも重要な影響を及ぼし、春闘をはじめ愛労連のたたかいの前進にも決定的な影響を及ぼします。

 愛労連も加わる革新市政・県政の会は、藤前干潟埋め立て断念〜県知事選挙での影山候補の大健闘〜万博の是非を問う県民投票条例制定運動などの前進をふまえて、この市長選挙を大きな共同でたたかい、必ず勝利する方針で準備に入っていますが、愛労連はこのたたかいを中心部隊として担い、春闘勝利と市長選勝利とを一体のものとして奮闘する必要があります。


V 2001年国民春闘の重点行動

1.1〜2月=学習・宣伝、要求と闘争体制の確立、大企業の社会的責任を問うトヨタ総行動とシンポジウム、名古屋の直接請求運動の成功

 1月から2月にかけて、どの単産・地域も学習・宣伝活動と要求、闘争体制の確立を最重視してとりくむ。同時に愛労連として、大企業のモラルハザードや労働者・中小下請け業者犠牲のリストラ「合理化」の追及、内部留保の社会的還元、社会的責任の履行を求め、効果的なポイントを定めて国民世論喚起をはかる宣伝行動を実施する。「2.12トヨタ総行動」「2.25トヨタシンポジウム」はこの一環としても位置づけて成功させる。

 2001年春闘の重点とする「最賃生活体験〜賃金底上げ・最賃引き上げのたたかい」「不払い・サービス残業根絶」「名古屋市長選挙勝利」に向けては、どの単産・地域労連も学習や宣伝行動など重視してとりくむ。

 また、革新市政の会がとりくんでいる「市民の税金を万博と新空港、徳山ダムに使うことの是非を問う市民投票条例制定」要求の直接請求運動については、引き続き受任者を増やし、署名目標15万の達成をめざして締切(2/15)まで奮闘するとともに、市政の民主的転換のため、市長候補の一本化に力を尽くす。

 (以下、名古屋市長選挙のとりくみについては、愛労連春闘の一つの柱として重視することとするが、具体的な日程やとりくみは、状況の推移をふまえ「革新市政の会」の提起を受けて具体化する)。

 

2.「2.21総行動」=職場・地域を足場に、全組合員が総決起を

 全労連の提起に応えて、2月21日に、地域と職場を基点にすべての組合員が総決起する「総行動」を展開する。

 この日は、すべての組合が自らの要求をもちよりアピールすると同時に、「解雇規制、大幅賃上げと最賃・底上げ闘争、不払い残業根絶」と「名古屋市長選挙勝利」への統一行動日と位置づけ、職場のたたかいと同時に、地域労連が計画する早朝駅頭宣伝や昼の宣伝、集会、デモ、自治体請願、文化行事などの多様な諸行動に参加する。その際、名古屋市内は4月の名古屋市長選挙をにらんで、革新市政の会と要求や行動を調整してとりくむ。

 なお、この行動ではパート・臨時を含めた職場の未組織労働者への働きかけをはじめ、労組や中小企業訪問、自治体要請、宣伝行動、地域へのビラ配布、署名やアンケートへの記入など、すべての組合員が参加することを重視する。単産は、この行動成功のために、全体として年休部隊1000人以上を確保して地域の行動に協力する。

 

3.3月段階の行動=「3.2春闘中央行動」と「3.15全国統一行動」「春闘総決起集会」

 春闘の山場に入る3月段階の中央行動として、全労連・春闘共闘が企画する「3.2春闘中央行動」(目標=数万人規模)を重視し、どの組合も積極的な参加で成功させる。また、この日を目安に全労連が開催を提唱している「県民要求実現、政治の民主的転換」を求める都道府県単位の総決起集会については、名古屋市長選挙勝利の課題と結合して2〜3月に開催を検討、圧倒的な参加で成功させる。

 次に中央春闘共闘は、賃金闘争最大の山場として春闘要求への集中回答日を3月14日(水)に設定し、翌15日にストライキを軸とする「第一次全国統一行動」を配置する。

 これを受けて愛知でも、民間組合は積極的な賃金回答の引出しをめざしてストライキを配置するとともに、官・民・地域のすべての組合が「最低賃金」「不払い残業」などの要求をかかげて総決起する。

 また、この3月15日は、愛知春闘共闘として、「ストライキ支援・激励行動」を具体化するとともに、夕方は久屋市民広場を会場に、2001年春闘最大の決起集会(3千人以上を目標)を成功させる。

 

4.組織拡大

 3月〜5月を組織拡大月間とする。この時期は公務職場をはじめ、新入職員・社員を迎える時期であり、春闘がたたかわれ労働組合への関心が高まる時期でもある。この条件を生かし、力を集中して組織拡大にとりくむ。退職者を年金者組合に誘う働きかけも重視する。また2001年4月には名古屋市長選挙がたたかわれるが、愛労連を売り出すとともに、市長選挙のたたかいでも組織拡大を意識的に追求するよう、とりくむ。

 愛労連としての拡大目標を設定するとともに、各単産・地域労連でも拡大目標を設定する。そして職場内での拡大、未加盟労組の加盟、未組織労働者の組織化の3分野を、それぞれ意識的・継続的に追求する。また、パート・臨時・関連労働者など、不安定雇用労働者の組織化についても独自に目標を立て、重視してとりくむ。

 組織拡大の大量宣伝は2月に実施する。県下いっせい労働相談を3月に実施する。

 

5.名古屋市長選挙勝利のたたかい

 名古屋市長選挙の意義と情勢、愛労連としての基本的なスタンスはすでに述べたが、この選挙の意義と争点を広範な労働者・市民に明らかにし、市政の転換へ世論を大きく盛り上げていく武器として、革新市政の会が「無駄な大型公共事業の是非を問う“市民投票条例”制定への直接請求運動」(1/15〜2/15の1ヶ月間)を決定して連日奮闘している。

 直接請求に必要な最低ラインは170万有権者の1/50=約3万5千だが、愛労連は革新市政の会の中心メンバーとして組合員と労働者・市民に広く訴え、2月15日までに法定必要数を大きく超える署名を集約すべく全力を尽くす。そして、そのことによって「万博、空港、徳山ダムなど批判の強い大型公共事業よりも、市民のくらしと福祉、教育へ税金を回せ」の世論を高め、市政の民主的転換への大きな共同をつくって統一候補を擁立し、4月の市長選挙勝利への確かな展望を開く。

 ただこれは、単産・地域労連の意思統一と奮闘なしには達成できない。各単産と地域労連は当面、名古屋市政に対するそれぞれの要求を明らかにし、市内の組合員は全員が「受任者」になるよう訴え、市外の組合員にもビラ配布や土日の宣伝行動などの支援・協力を求めて、10万強の署名を集めた藤前干潟を上回る運動をつくるため、全力を尽くす(「会」としての目標=受任者1万名、署名数=15万筆)。そして、引きつづく市長選勝利の歴史的なたたかいへ、多くの組合員が自主的・積極的にとりくむよう、学習と意思統一、闘争体制確立に努める。また、大会で決定済みの「500円カンパ」を確実にとりくみ、闘争財政を確立する。

 愛労連は革新市政の会への専従者派遣をはじめ、すでに年末・年始からこの市長選と春闘を車の両輪としてとりくむ体制に切り換え、21世紀初頭のこの政治戦に必勝を期して臨んでいるが、このたたかいに勝利して春闘勝利に弾みをつけるよう奮闘する必要がある。


W 主要日程
1月28日(日) 愛労連第24回臨時大会、/地労委民主化、知事宛署名スタート集会(夜)
31日(水) 愛労連「賃金底上げ闘争学習会」(最賃生活体験突入・激励集会を兼ねて)
2月<1ヶ月> 最賃生活体験月間、/労働時間・不払い残業調査月間
2月12日(月) トヨタ総行動(工場門前ビラ宣伝)
15日(木) 「大型公共事業・・・市民投票条例」制定をめざす直接請求署名、終了
2月16日(金) 春闘争議総行動(中央)
21日(水) 春闘総行動(地域を基軸とする一斉行動=宣伝、自治体請願、申入れ等)
25日(土) 春闘勝利、自動車デモ、/トヨタシンポジウム
3月 1日(木) 最賃生活体験の感想を語る集い
2日(金) 春闘中央行動
13日(火) 重税反対全国統一行動
14日(水) 春闘要求回答指定日
15日(木) ストを含む春闘第1次全国統一行動、/春闘勝利総決起集会(久屋)
4月 8日(日) 名古屋市長選挙告示
中下旬  第2次全国統一行動
4月22日(日) 名古屋市長選挙投票日/清洲町長選挙投票日
5月 1日(火) 第72回メーデー(名城公園噴水予定地)

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