6月29日未明、沖縄県北谷(ちゃたん)町で、またもや米兵による若い女性への暴行事件が発生した。沖縄県警とマスコミは、事件現場から逃走した犯人、米軍嘉手納基地所属の空軍・軍曹を特定し、逮捕するため身柄引き渡しの日米交渉がすすめられていると報道した。
95年の米兵による「少女暴行」事件以来、米兵の凶悪犯罪は、繰り返されており、沖縄県民と私たちの「ガマンも限界」である。日本国民と沖縄県民の人権をないがしろにする日米地位協定の差別的・不当な内容の変更、駐留米兵の削減および基地の縮小・撤去など、県民要求がひろがりつつある状況での今回の事件である。今年1月の女子高校生への強制わいせつ事件など暴行事件は引き続き起こっており、繰り返される米兵の犯罪に強く抗議する。
とりわけ、同時期に日米首脳会談が開かれていたにもかかわらず、小泉首相は「この事件にたいしてなんらの抗議」もあげず、日本国民なかんずく沖縄県民の心を踏みにじったことは重大である。ブッシュ大統領はこの首脳会談で、事件にかかわって「深い遺憾の意を表明したい」と陳謝したと伝えられているが、米兵による凶悪犯罪の根源である「基地の縮小・撤去や海兵隊の縮小」にはゼロ回答であった。
米軍関係者およびアメリカ政府は、事件が起きるたびに「陳謝・反省」「綱紀粛正」を表明するが、この2月には、在沖米軍責任者ヘイルストン四軍調整官が、県知事や県議を捉えて「ばかな弱虫」との暴言をメールにして大問題となった。このことひとつとっても、歴代の在沖米軍司令官は、今もなお「沖縄を植民地視」していることを示しており、犯罪との関連性ともあいまって二重三重に問題である。
愛労連は、度重なる米兵の犯罪に強く抗議するとともに、こうした犯罪の温床となっている日本と沖縄のすべての「基地縮小・撤去」を要求する。同時に日米地位協定の抜本的見直しと海兵隊の削減・撤退、新たな基地建設をとり止めるための協議を直ちに開始するよう要求する。
以上