愛労連2002年夏季闘争方針 付属資料

最低賃金闘争の推進について

2002年6月15日

愛労連2002年度第2回評議員会



1. これまでの経過

(1)最低賃金生活体験のとりくみについて

 @ 愛労連は、今年2月を最低賃金・標準生計費生活体験闘争と位置づけ、この闘争に100人の組合員の参加を目標にとりくんできました。その結果、106人の組合員が参加し1ヵ月・1週間のコースの生活体験をおこないました。5月30日までに63人分の家計簿データを回収することができました。

 A この生活体験は下記の条件を前提にしておこないましたが、参加者のなかには「最賃で生活できた。黒字になった」人がいますが、その実態をつぶさにみると、最低賃金水準がいかに低いかを物語る結果となっています。

1) 最賃は100,330円(税控除後の額)、標準生計費は123,690円。

2) 一般ローン(自動車、電気製品、耐久消費財)は支出に加えない。

3) 住宅ローン・家賃は22920円(光熱水費含む)。

4) [1週間コース]は、1日の金額を割り出しその7日分とする。

5) 家族同居の場合は家族の人数分で割った額とする。

 この条件を前提にとりくんだ結果、「最賃1ヵ月コース」では17人が黒字、標準生計費では2人がクリアできています。

 B しかしクリアできている人は大部分が家族と同居しているため、費用がかからなかったことが大きな理由だといえます。またクリアさせるためにつきあいの回数を極端に減らしたり、食費を切り縮めたりしています。

 C 最低賃金が生活できる水準にはなく、単身での生活では大幅な赤字になることは明白です。また人間関係においてもきわめていびつな関係にならざるを得ず、この生活を2、3ヵ月も続けたら、肉体的にも精神的にもダメージをうけることはまちがいありません。

 

(2)愛知県最低賃金審議会に対する意見書等の提出

 @ 愛労連は5月30日、最低賃金審議会に対し、意見書および団体署名、生活体験データを提出しました。意見書の内容は次のとおりです。なお、団体署名については61団体分について提出しました。ただし集約できたのは自治労連関係が中心で各単産・地域労連でさらに集約します。提出したデータは、「1週間コース」も含め、63人分を提出しました。

 A これをもとに、労働局賃金課長と懇談、最低賃金の問題点などについて意見交換をおこないました。この提出行動には小松副議長、吉良事務局次長のほか、最賃委員の柳自治労連中央執行委員が参加しました。

 

愛知地方最低賃金審議会会長 殿

2002年5月30日

 

名古屋市熱田区沢下町9−7

労働会館東館

愛知県労働組合総連合

議 長  見 崎 徳 弘

 

愛知県最低賃金の改正決定についての意見書

 

 日頃の貴職のご活躍に対し敬意を表します。

 私ども愛知県労働組合総連合は、「愛知県最低賃金の改正決定に係る関係労働者及び関係使用者の意見聴取に関する公示」に基づき、以下の点について意見を述べさせていただきます。

 今日企業によるリストラ「合理化」、政府の「労働力流動化」政策のもとで、不安定雇用労働者が増大しています。雇用不安の拡大とともに、賃金水準も低下しつつあります。とりわけ、パート・臨時労働者の賃金はきわめて低く、かぎりなく最低賃金に近い水準か、あるいは最低賃金すら下回るという事態も私たちのこの間のとりくみでも明らかになっています。もちろん、最低賃金を下回らなければいいという問題ではありません。現行の最低賃金があまりに低すぎることが最大の問題です。

私たちは政府や関係機関が、賃金の低廉な労働者についての実態を正確につかんで、その低賃金を積極的に引き上げることが必要だと考えています。このことが、労働者の生活の安定、労働力の質的向上および事業の公正な競争の確保につながり、ひいては日本経済の健全な発展にも貢献することになると考えています。

 愛労連が2月1日〜28日にかけてとりくんだ「最賃・標準生計費生活体験」には、106名の組合員がチャレンジしました。現在までに63人が家計簿を提出しています。この生活体験の金額は、最賃の場合、日額の5,447円で22日の勤務と仮定し119,834円、そこから税金・社会保険料の19,504円を差し引いた100,330円です(介護保険料については無視)。標準生計費は人事院の標準生計費である123,690円です。そして、一般ローン(自動車、電気製品、耐久消費財など)は支出に加えない、住宅ローン・家賃は22,920円(名古屋市内の標準生計費による住居関係費)とするなどによって生活費を求めました。実際は22,920円という家賃は考えにくい額です。またクリアできた人も「1カ月間だからできた」「周りに協力してもらった」などの理由をあげています。また普段とはちがって「友人とのつきあいをへらす」や「外食などを切りつめてとりくんだから」だとのべています。この生活をとおして明らかになったのは、いかに最低賃金が生活実態と離れた金額であるかということです。

 こうした点をふまえ、以下の点を要請します。

 

1.愛知県最低賃金を日額7,400円、時間額1,000円とすること。

2.愛知県の最低賃金のランクを現行のBランクからAランクに引き上げること。

3.最低賃金審議会での愛労連代表2名の意見陳述の場を設ける。

 なお、資料として「最低賃金・標準生計費生活体験記録」を添付します。

以上

 

2. 最賃審議会にむけたとりくみについて

(1)全労連「最賃デー」のとりくみ

 @ 全労連は6月20日を「最賃デー」として提起しています。この行動について以下のようにとりくむこととします。

 各地域労連を中心に宣伝行動をおこないます。愛労連としては6月20日午後5時30分から栄噴水前での宣伝行動をおこないます。各地域労連は6月20日前後でゾーンでの行動配置とし、つぎの版下を活用したビラ配布(独自に作成できるところは独自でも結構です)をおこないます。

 A 東三労連では20日を最賃デーに位置づけ、終日行動を予定しています。

 

全労連の最賃ビラ版下

 

(2)最低賃金審議会の審議日程と今後の対応

 @ 公開審議会    7月26日 午後3時〜

 この日までに中央最低賃金審議会が今年度の改定にむけた目安をだす予定です。そして労働局長が諮問します。

 A 答申       8月6日  午前10時〜

 B 答申にたいする異義申立の締め切り・公示   8月22日

 C 審議会      8月23日午後2時〜

 

(3)審議会にむけたとりくみ

 @ 7月上旬に労働局交渉を実施します。

 A 7月23日の前に、審議会労働者委員に対する要請、懇談をおこないます。

 B 中賃目安以降の審議会についての傍聴行動をおこないます。

 C 公示に対する異義申立をおこないます。

 D 新聞折り込みチラシなどで時給調査を行って最賃以下の事業主に連絡し、地域から最賃違反を一掃します。結果を集約し最賃審議会に伝えます。

 

<別紙>第35期地方最低賃金審議会委員名簿


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