愛知地方最低賃金審議会会長 殿

愛知県最低賃金の改正決定についての意見書

2002年5月30日

 

愛知県労働組合総連合

議 長  見崎 徳弘


 

 日頃の貴職のご活躍に対し敬意を表します。

 私ども愛知県労働組合総連合は、「愛知県最低賃金の改正決定に係る関係労働者及び関係使用者の意見聴取に関する公示」に基づき、以下の点について意見を述べさせていただきます。

 今日企業によるリストラ「合理化」、政府の「労働力流動化」政策のもとで、不安定雇用労働者が増大しています。雇用不安の拡大とともに、賃金水準も低下しつつあります。とりわけ、パート・臨時労働者の賃金はきわめて低く、かぎりなく最低賃金に近い水準か、あるいは最低賃金すら下回るという事態も私たちのこの間のとりくみでも明らかになっています。もちろん、最低賃金を下回らなければいいという問題ではありません。現行の最低賃金があまりに低すぎることが最大の問題です。

私たちは政府や関係機関が、賃金の低廉な労働者についての実態を正確につかんで、その低賃金を積極的に引き上げることが必要だと考えています。このことが、労働者の生活の安定、労働力の質的向上および事業の公正な競争の確保につながり、ひいては日本経済の健全な発展にも貢献することになると考えています。

 愛労連が2月1日〜28日にかけてとりくんだ「最賃・標準生計費生活体験」には、106名の組合員がチャレンジしました。現在までに63人が家計簿を提出しています。この生活体験の金額は、最賃の場合、日額の5,447円で22日の勤務と仮定し119,834円、そこから税金・社会保険料の19,504円を差し引いた100,330円です(介護保険料については無視)。標準生計費は人事院の標準生計費である123,690円です。そして、一般ローン(自動車、電気製品、耐久消費財など)は支出に加えない、住宅ローン・家賃は22,920円(名古屋市内の標準生計費による住居関係費)とするなどによって生活費を求めました。実際は22,920円という家賃は考えにくい額です。またクリアできた人も「1カ月間だからできた」「周りに協力してもらった」などの理由をあげています。また普段とはちがって「友人とのつきあいをへらす」や「外食などを切りつめてとりくんだから」だとのべています。この生活をとおして明らかになったのは、いかに最低賃金が生活実態と離れた金額であるかということです。

 こうした点をふまえ、以下の点を要請します。

 

1.愛知県最低賃金を日額7,400円、時間額1,000円とすること。

2.愛知県の最低賃金のランクを現行のBランクからAランクに引き上げること。

3.最低賃金審議会での愛労連代表2名の意見陳述の場を設ける。

 なお、資料として「最低賃金・標準生計費生活体験記録」を添付します。

 

以上


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