愛知労働局長  君嶋 護男 殿

愛知県最低賃金の改正についての異議申出

2001年8月22日

 

愛知県労働組合総連合

議 長  見崎 徳弘


 「愛知県最低賃金の改正決定に係る愛知地方最低賃金審議会の意見に関する公示」がありましたので、私ども愛知県労働組合総連合は、以下のとおり異議の申出をおこないます。

 

 

1.日額5,447円、時間額681円は低額であり、不服である。

2.愛知県の最低賃金を日額5,600円、時間額700円とすること。

 

理由

 

1.最低賃金法の目的に反している。

 今回の改正額はあまりにも低額であり、労働条件の改善、労働者の生活の安定、労働力の質的向上などを目的とした最低賃金法第1条の趣旨に反している。また、圧倒的多数が未組織である低賃金労働者の賃金について、国が積極的に介入して賃金の最低額を保障することを明記している「最低賃金決定要覧」の趣旨にも反している。また、国会で「現行の最低賃金額が生活保護水準以下であってはならない」と政府側が答弁していることにも反している。さらに、審議会において公益委員が「36円ではジュースの1本も買えない。こんな引き上げで経営がかたむくとは考えられない。36円ばかりの引き上げで生活の充実、労働力の質的向上、労働力競争の公正さなどと言えるのか。常識で考えたらわかる」と発言していることからも今回の改正額は不当である。

 

2.最低賃金法に定める3原則に違反している。

 今回の改正額は、労働者の生計費、類似の労働者の賃金、通常の事業の賃金支払能力の3つを最低賃金決定の3原則とした最低賃金法第3条にも違反している。

@ 今回の改正額は、日額の場合、月22日労働として月額119,834円、時間額の場合、月173時間労働として117,813円にしかならない。この金額では、基本的な生計を維持できない。それは愛労連が2月に実施した最低賃金・標準生計費生活体験でも35人の平均オーバー額が24,804円となったことからも明かである。

 

A 類似労働者の賃金との比較では、最低賃金基礎調査結果による未満率、影響率が極端にひくいことから、参考にしているとはとても言いがたい。また、今春闘の賃上げ率2.01%(厚生労働省7月17日発表)を大きく下回っており、賃金格差を拡大し、低賃金構造を固定化するものである。

 

B 通常の事業者であれば、日額5,600円、時間額700円を支払うことは可能である。1でふれた公益委員発言からもそのことは言える。

 

3.愛労連はこの間、日額8,000円、時間額1,000円の要求をおこなってきたが、最低賃金審議会から答申が出て、愛知労働局から公示が出た時点にたって、上記の金額を要求するものである。

 

4.以上の理由により異議申出をおこなうが、この申立てに対する結果及び意見について、文書で示されるよう要請する。

 

以上


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