地域住民のいのちと暮らしをまもるためにご奮闘の貴職に敬意を表します。
表記の件について、下記の事項を要請しますのでよろしく対応ください。
【要請趣旨】
1.今日、長びく不況のもとで雇用の危機が深刻です。7月の完全失業率は史上最悪の5.0%、完全失業者は330万人となっています。大企業のひきつづく大規模なリストラの強行と政府がすすめる不良債権の「最終処理」がもたらす中小企業の倒産によって、さらなる大量失業が生み出されることは必至です。
また、政府は10月から介護保険料の全額徴収をはじめ、高齢者自己負担2割導入、サラリーマン自己負担3割への引上げ、すべてのお年寄りから医療保険を徴収する「高齢者医療保険」の創設などを2002年度から実施しようとしています。
そしていま、自治体は政府主導による市町村合併の押し付や地方交付税削減の動きなど地方自治の根幹にかかわる問題に直面しています。いつの時代にあっても平和を希求することは自治体の崇高な任務でもあります。
2.こうした状況のもとで、いま地方自治体に求められていることは、@リストラ・人減らしから地域労働者と地域経済をまもること、A地域住民のいのちと健康を守るために福祉・医療の拡充をはかること、B住民の暮らしが保障され、住民自治が生かされる自治体をつくること、C平和な国づくりに自治体が力を発揮することです。そのために、国への働きかけと同時に自治体独自としても下記施策をとられるよう要請します。
【要請事項】
T.地域労働者の雇用確保、中小企業の経営をまもるために
1)大企業の一方的なリストラから労働者と地域経済をまもること
@.企業による一方的な工場移転・閉鎖、事業縮小などにたいし、当該自治体への届け出・協議を義務づける条例を制定すること。
A.自治体リストラ・公務員べらしをやめ、直接住民生活に関する部署の人員を増やすこと。
2)労働時間の短縮と公共業務での雇用創出をはかること
@.自治体自らが「ただ働き・サービス残業」を厳禁し、時間外労働の上限を規制すること。企業に対しても行政指導をつよめること。
A.国の基準に照らしても要員が不足している介護従事者、看護婦、教員、保育士、消防職員など公務・公共部門での要員増、さらには特別養護老人ホームをはじめとする福祉や保育など生活関連施設の建設、安全・防災対策、市街地や公共施設のバリアフリー促進など住民生活関連事業の拡大で雇用を拡大すること。
3)失業者の生活保障と就労確保をはかること
@.政府にたいし、「緊急地域雇用特別交付金」制度の2002年度以降の継続と交付金の増額、対象業務の拡大など改善を働きかけること。
A.改正された「地域雇用開発等促進法」にもとづく、地域の雇用計画を策定すること。その際、失業者の就労を優先し、雇用期間の更新を認めること。
4)中小企業の経営基盤の安定と労働者保護をはかること
@.「不良債権処理」を理由に中小企業を経営困難・倒産に追い込むような「融資打ち切り」や「貸し剥がし」がおこなわれないよう、自治体として金融機関への指導を徹底すること。
A.地域密着型の公共事業を地元中小業者に発注すること。地元中小企業への官公需発注比率を引上げること。
U.地域住民のいのちと健康を守るために
1)介護保険制度にかかわる特別措置を講ずること
@.住民税非課税者をはじめ低所得者の保険料・利用料の免除・軽減をはかること。
A.保険料滞納者への介護サービスの切り捨て、保険証の取り上げなどの制裁措置を行わないこと。
B.要介護認定において、身体機能偏重でなく、本人の総合的な実態、住環境、家族の状況および意思など、介護の必要度の総合的な状況に基づく認定方式に改めること。
以上@〜Bについて国に対して働きかけること、
C.特別養護老人ホームの建設やホームヘルパーの増員など、不足する介護サービス基盤の緊急整備すること。
2)国保制度にかかわる措置について
国民健康保険料を引き下げること。また「資格証明書」や「短期保険証」の発行による保険証取り上げの制裁措置を行わないこと。
3)障害者福祉計画の推進について
遅れている基盤整備を総合的・計画的に推進すると共に、障害者の願いに応える障害者福祉プランを進めること。
V.住民本位の自治体づくりにむけて
@.政府主導の市町村合併押し付けをやめさせ、住民に身近で、地域の特性を生かし持続的な発展を可能にする自治体作りをめざすこと。そのために、地域の各団体等との意見交換をすすめること。
A.地方交付税の拡充と国と地方の税財源配分の見なおしで地方財政を確立することを国に要求すること。万博・新空港・徳山ダム・東部丘陵線などムダと浪費の大型開発を凍結・中止し、住民のニーズにあった福祉、暮らし密着型の事業を促進すること。
B.政府のすすめる政治に従属する「公務員制度改革」でなく、「全体の奉仕者」としての公正・中立・効率を重視する自治体労働者と職場づくりをすすめること。
W.憲法を遵守し、住民の安全、世界とアジア・日本の平和を守るために
@.ガイドライン関連法にかかわる政府からの協力要請については拒否すること。
A.民間空港や港湾を米軍用機の発着陸や原潜の入港など軍事利用を認めないこと。
B.非核都市宣言を行なうこと。
以上
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