[要請趣旨]
1.長期にわたる不況がつづき、個人消費をはじめ鉱工業生産、中小企業売上高などの経済指標は日を追って深刻な事態になり、「不良債権の早期最終処理」がおおきな社会問題になっています。今日の不良債権の大半は中小零細企業のもので、政府の失政と大企業の横暴、中小企業いじめによって生み出されたものです。小泉内閣の緊急経済対策によって「不良債権の早期最終処理」が実施されると、「再生可能な中小企業が整理され、景気がいっそう悪化」「新たな不良債権の増加」「連鎖的な企業倒産、失業急増による社会不安の増大」などの危険性が指摘されています。いまこそ金融機関が社会的責任と公共的使命を果たして、地域経済の発展に貢献する金融行政をすすめることが強く求められています。
2.リストラ・人べらし競争が横行し、過労死や健康破壊が社会問題になりました。ただ働き・サービス残業の強要も後を絶たず大きな問題になっています。「時間外手当の不払い」は「銀行強盗」に匹敵する企業犯罪であり、全国の金融機関でこれが恒常的になっていることはきわめて重大です。厚生労働省が「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準について」(4月6日付「基発339号」)通達して以来、全産業規模で改善の機運が高まっており、金融機関においても早急に法違反が根絶するよう、監督官庁である金融庁が厳正に指導することが求められます。
[要請事項]
1.「不良債権の早期最終処理」問題について、中小零細企業や個人事業主がかかえるものについては各金融機関の自主判断にゆだねること。また、地域金融機関がその社会的責任、公共的使命を果たして、地域経済の振興・発展に貢献するよう金融行政を改めること。
2.貸し渋りの大きな要因となる自己資本比率中心の「金融検査マニュアル」を、地域金融機関へ画一的に適用することを名実ともに止めること。
3.各種金融機関による合併・統廃合などのリストラ計画にあたって、関係労働者の雇用が優先的に保障されるよう、関係機関と連携し行政指導を強めること。
4.各金融機関に蔓延している「時間外手当の不払い」(労基法第32条違反)をすべての職場からなくすために、監督官庁の責任で厚生労働省の4月6日付「基発339号」通達にもとづき厳正に指導すること。
以上
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