広島・長崎への原爆投下から早くも57回目の夏を迎えます。
「いまこそ核兵器をなくそう」――平和な21世紀の実現がますます切実に求められ、この声と決意が大きく広がっています。2000年5月には、すべての核保有国を含む187カ国が「核兵器廃絶を達成する明確な約束」を合意。核兵器廃絶は止め得ない世界の大勢となっています。
しかし、ブッシュ米政権は、いまだにこうした流れも、義務も認めようとせず、逆に核使用政策さえすすめ、 使いやすい 小型核兵器の開発や、みずからも合意していた核実験禁止条約に反対して地下核実験再開を計画し、未臨界核実験を繰り返すなど、世界に強い不安をひきおこしています。インド・パキスタンの対立では核使用さえ懸念されています。
「テロとのたたかい」を口実に、特定の国を「悪の枢軸」と決めつけ、勝手に戦争を始める政策を打ち出したアメリカに、ヨーロッパやアジアをはじめ世界中から、さらにアメリカ国内からも厳しい批判が高まっています。
ところが、ブッシュ大統領に追随している小泉政権は、世界の流れもまったく見えず、1999年の「周辺事態法」や、昨秋の「テロ特措法」につづき、いま「有事法制」を強行しようとしており、アメリカの引き起こす戦争に日本が本格的にくみこまれる危険が強まっています。
「小型の核兵器なら憲法に反しない」とか「情勢が変われば非核三原則も見直す」などという、福田官房長官らの発言に「どうと言うことはない」とうそぶく小泉首相。日本の原則も国是も民意も忘れた追従的姿勢を如実に表しています。
唯一の被爆国であり、憲法9条をもつ日本が真に世界平和のために貢献することこそ、広範な日本国民の願いであり、「2度と核兵器を使わせない、核兵器の廃絶をめざす」ことは、今を生きるものの責務とも考えています。
本日のつどいに参加して、原爆の犠牲となられた方々のご冥福を心からお祈りするとともに、ふたたび被爆者をつくらないためにも、国家補償にもとづく真の被爆者援護法の早期実現、核兵器の廃絶をみなさま方とととに実現していく決意をあらたにしていることを述べ、愛労連を代表しての追悼のことばとさせていただきます。