自治体職員のくらしと権利向上のため、ご努力されている貴職に敬意を表します。
さて、8月8日人事院は国会と内閣に、2002年の勧告を行いましたが、その内容は、@公民較差が「マイナス2.03%(7770円)」あるとして、人勧史上はじめて基本賃金を引き下げ、A一時金の4年連続削減と3月期末手当の「廃止・振り分け」、B配偶者の扶養手当を2000円削減し、第3子以降の扶養手当を2000円増額する、C「地域の公務員賃金の見直し」に関して、「俸給制度や地域間連手当の見直しを抜本的に行う」ため、研究会を立ち上げ、具体的見直しに着手する、などとなっています。
これが実施されれば、年間平均15万円にも及ぶ賃下げで公務員とその家族の生活を大きく圧迫するものとなります。しかも、「不利益の不遡及」と云う「法」の原則を踏みにじる不法・不当なものです。
同時に、この賃下げ勧告を待っていたかのように厚生労働省は、いままで凍結してきた年金の給付額引き下げを方針化しました。これにより影響を受ける年金受給者は約3000万人といわれています。
私たちは、今回のマイナス勧告が実施されれば、7000億円といわれる公務員賃金の減額の影響だけでなく、750万人の人勧準拠労働者や民間労働者の賃金をいっそう抑え込み、さらに個人消費の低迷に拍車をかけ、地域経済にも住民生活にも重大な悪影響を与え、年金受給者を含めた多くの国民の生活が圧迫されると考えます。
いよいよ人事委員会勧告の時期となりました。貴人事委員会におかれましては、自治体職員の生活実態についての真摯なご検討を踏まえ、報告・勧告を行うことと存じます。
勧告に当たっては、職員・公務労働者と住民生活に与える影響をご賢察頂くよう要請するものです。
記
1.人事委員会勧告に当たっては、人事院マイナス勧告に追従することなく、公務員労働者の生活と意欲が高められる生活改善につながる勧告をおこなうこと。
2.労働基本権剥奪のもと、不当なマイナス勧告を行わないこと。
3.地場賃金と地域経済をいっそう深刻な事態にする「地域の公務員賃金の見直し」は行わないこと。
4.公務職場に働く臨時・非常勤職員などの賃金、労働条件の実態を調査し、改善のための勧告をおこなうこと。
5.労働時間短縮のために実効ある措置を明らかにすること。また、長時間労働、「サービス・不払い残業」を根絶するため、実態調査とともに、その具体的改善策を勧告に明記すること。
以上