このたびの名古屋鉄道株式会社のバス無免許運転とその隠ぺい工作、中部運輸局などへの虚偽報告事件に、多くの県民がおどろき、また怒りをあらわにしています。今回の事件は、竹内良吉・元取締役副本部長の逮捕という事態にまで至りました。名鉄は愛知・東海地域を代表する企業であり、また公共性の高い鉄道・路線バスの運行を主とする企業であることからみてこのような処置は当然であります。
今回の無免許事件と組織ぐるみの隠ぺい工作は、運転手の不祥事で済まされるものではありません。無免許での運転も当然批判されるべき問題ですが、企業としてこのことを隠ぺいするために、替え玉を立てたり、虚偽の報告をするなど、とうてい許されることではありません。今後法廷の場で全容が解明されることになりますが、企業の社会的責任は果たさなければなりません。木村操・取締役社長は、社内報7月号で「各職場におきましては、今後、コンプライアンス(企業倫理)遵守の徹底と安全管理体制の強化を強く要請」しています。しかし、県民に対する明確な謝罪はいまだありません。これでは、県民の信頼を回復することにはならないと考えます。
また労働組合には労働者の権利を守ることのほか、企業の不正などを指摘する社会的責務があります。しかし名鉄労組は今回の事件に対するコメントも声明も出してはいません。労働組合の対応についても、社会的責任が問われています。
このような企業体質をもつ名鉄の代表取締役副社長を地方労働委員会の委員に任命した愛知県知事の責任は重大だと考えます。以上の立場から私たちは、以下の点について知事に、強く要請するものです。
記
1.名鉄代表取締役副社長・暮石 彰氏の愛知地方労働委員会の使用者委員をただちに解任すること。
以上