わたしたちには、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(憲法25条)があり、働く際の労働条件は「人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」(労働基準法第1条)と定められています。働けば、貧困にあえぐことなく生活ができて当然であり、これを保障する制度が最低賃金法です。しかし、今の最低賃金額は低い地方では600円台、高い地方でも700円台に抑えられています。これでは、平均所定内労働時間(月156.5時間)働いても、月収9〜11万円にしかならず、まともな生活を支えることはできません。
さらに、年々増加するパートタイムや臨時など時給労働者と、フルタイム労働者の均等待遇実現も大きな課題となっています。他の先進諸国とは逆に、日本では、賃金格差は広がっており、格差是正のためにも最低賃金の引き上げは重要です。
賃金の社会的底支えをする最低賃金制度を引き上げ、労働者・国民の生活改善で景気回復をはかると同時に、国民生活の最低保障を支えるナショナルミニマムの基軸としての全国一律最低賃金の法制化が、今、強く求められています。以上の趣旨により、下記事項の実現にご尽力いただくよう要請いたします。
記
1.来年度の最低賃金については次のように改善すること
@地域別最低賃金は生活保護水準(18歳・単身)以上に引き上げること。当面、時間額1000円以上、日額7400円、月額15万円以上に引き上げること。
A中央最低賃金審議会の目安にとらわれることなく、愛知独自の判断によって、地域最低賃金を改定すること。
B愛知県は現在Bランクであり、Aランクのもっとも低い大阪と比較しても22円も格差がある。愛知県をBランクにすえおく理由はなく、Aランクの東京や神奈川、大阪と遜色ない実態である。愛知県をただちにAランクに改定するよう関係機関に働きかけること。
2.全国全産業一律の新しい最低賃金制を確立するよう本省に求めること。金額は当面、時間額1000円以上、日額7400円、月額15万円以上とすること。
3.愛知地方最低賃金審議会の運営については民主性・公開性を貫き、現場労働者の声を反映させるべく、希望者による意見陳述の機会等を設けること。
4.最低賃金に関わる監督官を増員し監督行政の強化をはかり、違反企業に対する罰則を強化すること。
以 上