住民福祉の増進と地方自治の拡充に向けた貴職のご努力に敬意を表します。
さて「三位一体改革」が最終年度を迎えようとしています。6月21日、小泉首相は、「骨太方針」を閣議決定しました。「骨太方針」が前面に押し出しているのは、「小さくて効率的な政府」を作ることで、その中心は、医療など社会保障の給付・補助の削減、公務員の定員・人件費の縮小です。
「骨太方針」をとりまとめた経済財政諮問会議や与党の議論で焦点になったのは、社会保障費、とりわけ医療費の伸びを低く抑えること、地方財政計画の財源保障の縮小による地方交付税の削減を「公務員給与の見直し」や「地方公務員の総額人件費の削減」とセットで進めようとしています。「中期地方財政ビジョン」では、地方交付税の廃止まで盛り込むべきと言うことが意見として出されています。
こうした「骨太方針」では、「地方分権」とは無縁の地方自治体がつくられ、くらしや地域が破壊されると受け止めています。
05年度は地方六団体をはじめ、地方財政の拡充を求める地方関係団体の結束した運動によって一般財源総額は一応確保されました。私たちも「首長からの提言」をいただき、それをまとめて全ての国会議員や経済財政諮問会議に配布するなどしてともに運動をすすめました。
2006年度について、地方自治体が必要と考える一般財源を確保すると同時に、それ以降の「中期地方財政ビジョン」においても、財源保障機能を守っていくためには昨年にも増して自治体関係者の結束と、「くらしと地域を守れ」という国民的な世論の高揚が求められていると考えます。そのため下記項目について国に働きかけるとともに、自治体でも職員、住民とともに国の言いなりでない地方自治を充実される改革を労働組合とも協議してすすめられるよう要請するものです。
記
1.骨太方針2005における地方税財政改革について国に働きかけてください。
(1)地方交付税の財源保障機能と財源調整機能を堅持し、地方財政を拡充すること。
-
一方的な地方財政計画の押しつけに反対し、地方自治体の実情をふまえ、財源保障機能を確保すること。また、公務員の定員削減や人件費削減を行った地方財政計画としないこと。
-
法定税率を引き上げて、地方交付税の総額確保をはかること。
-
2007年度以降の「中期地方財政ビジョン」で地方の財源を保障する地方交付税を確保すること。
(2) 3兆円の税源移譲を確実に実施すること。その際、低所得者の増税にならないようにすること。
(3) 地方分権の理念に沿った国庫補助負担金改革を実施すること。生活保護負担金など単なる補助率の削減をしないこと。
2.国の関与・規制の廃止、見直しについては、@住民のナショナルミニマムを保障するもの、A人権保障を規定したものについては実施しないよう求めること。
3.自治体においても住民が等しく公務公共サービスが受けられるよう、アウトソーシングについては慎重を期し公共性を担保すること。特に営利企業の参入は行わないこと。
4.「公務員の給与の見直し」「地域給」削減については、地域経済に深刻な影響を及ぼし、地方の切り捨てとなり、また地方交付税の削減にもつながるものであり実施しないよう国に働きかけること。
以上