労働行政の発展にご尽力されていることに敬意を表します。
さて、私たち愛知県労働組合総連合は、全国一律最低賃金制の確立、地域最低賃金の引き上げに関し、以下のように要請し、その実現のために奮闘くださるよう求めます。
私たちには、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(憲法第25条)があり、働く際の労働条件は「人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」(労働基準法第1条)と定められています。働けば、貧困にあえぐことなく生活できるのが当然であり、これを保障するのが最低賃金法です。
しかし、現行の地域最低賃金額は低い方で600円台、高くても700円台です。これではまともな生活を支えることはできません。さらに年々増加する非正規労働者は、きわめて低い賃金に抑えられ、フルタイム労働者との格差もますます拡大しています。非正規労働者のなかには、ダブルワーク・トリプルワークによって、生計を維持しなければならない人もいます。こうした低賃金労働者をうみだす背景には、企業・財界の「労働者の使い捨て」政策とともに、最低賃金の異常な低さがあります。現在、最低賃金法・パート労働法について国会で審議されていますが、「均等待遇」「生活できる賃金」を明記した改定が求められています。
私たちは、賃金の社会的底支えとしての地域最低賃金を引き上げ、ナショナルミニマムの基軸となる全国一律最低賃金制の確立にむけ、以下の項目について実現されるようつよく求めるものです。
記
1.愛知の最低賃金について、以下のように改善すること。
@ 愛知の地域別最低賃金を、生活保護基準以上に引き上げること。当面、時間額1000円とすること。
2.全国全産業一律の新しい最低賃金制を確立すること。
@ 金額はすべての労働者が、健康で文化的な生活を営むのに必要な最低額を規定すること。
A 金額は当面、時間額1000円、日額7400円、月額15万円以上とすること。
B 地域間格差をなくすために、当面Dランクを廃止すること。
3.地方最低賃金審議会・同専門委員会の委員の選任にあたっては各労働団体の実情に即して公正・民主的に任命すること。運営については民主性・公開性を貫き、現場労働者の声を反映させるべく、パート・女性委員の選任、生活体験者等による意見陳述の機会を設けること。
4.最低賃金法・パート労働法について、「均等待遇」「1日8時間労働で生活できる賃金」などを明記し、実効ある改定をおこなうこと。
5.最低賃金に関わる監督官を増員し、監督行政の強化をはかり、違反企業に対する罰則を強化すること。
以上
※解説と資料(PDF:502KB)