なくせ貧困 生活危機突破 政治の革新を

愛労連総選挙闘争方針

2008年9月24日

愛労連2009年度第4回幹事会



 

 昨年の安倍内閣退陣から一年もたたないうちに、福田首相が政権を放り出しました。自民党は新しい党首に麻生元幹事長を選出し、本日新しい麻生内閣が発足しました。新内閣は早期の解散総選挙をかかげており、10月中、遅くとも11月上旬には総選挙の投票が行われることになっています。

 愛労連はこの総選挙を小泉内閣から続いてきた「規制緩和・構造改革」路線からくらしを守る政治への転換のチャンスと位置づけ、政治の革新に全力をあげます。

 

[1]二つの転換を〜総選挙の意義

(1)なくせ貧困 生活危機突破

 大企業は空前の大もうけでバブル絶頂期の1.7倍の利益となったにも関わらず大企業減税で、納めた税金は横ばいです。トヨタの営業利益は2兆円に倍増しましたが、厳しい下請単価引き下げで中小下請の7割が赤字に転落しました。

 労働者の給料は下がりっぱなしで、とくに従業員30人未満の企業では賃下げとなっています。公務職場でもマイナス人勧が続き、「官から民」へと民営化、民間委託、指定管理者制度の導入が推し進められてきました。

 非正規雇用への切り替えは、官民問わず急増し、ロストジェネレーションと呼ばれる30才前後の青年層でワーキングプアが深刻になっています。03年には製造業への派遣が解禁され、人間「かんばん」方式で、若者を使い捨てにしてきました。

 「自己責任」を前面に掲げる自公政権は医療・年金など社会保障の大改悪をおこないました。高すぎて払えない保険料で保険証が取り上げられ、国民皆保険が崩壊しています。医師・看護師不足が深刻化するなか、全国各地で公的病院が縮小・廃止を余儀なくされ地域医療が崩壊してきています。

 金融の規制緩和により投機マネーが食料や原油を高騰させたあげく、ばらまかれたサブプライムローンの証券は世界的な金融危機を引き起こしています。グローバル化のつけは食の安全にも深刻な問題を引き起こしました。農薬やカビ毒の含まれた事故米問題では米の流通規制緩和で多数のブローカーが介在していました。

 しかし規制緩和・構造改革路線の破綻は誰の目にも明らかになっています。年金問題や後期高齢者医療制度は高齢者の怒りを巻き起こしました。年収200万円以下のワーキングプアが1000万人をこえ、社会問題となっています。いま反貧困の運動が青年からお年寄りまで市民のなかにひろがっています。燃油高騰に対して漁民や農民のたたかいも政権をゆるがしています。

 総選挙はこの「規制緩和・構造改革」路線にストップをかけるたたかいです。

 

(2)九条改憲NO! アメリカいいなりの自衛隊海外派兵をやめよ

 小泉・安倍首相は憲法9条改憲を政権の第一目標に掲げ、イラクやアフガンへの自衛隊派兵を推し進めてきました。改憲のための国民投票法を成立させ、改憲にむけた具体的手続きもはじめて法制化されました。しかし昨年の参院選で安倍首相は9条改憲を公約のトップに掲げて惨敗しました。

 福田首相もこの路線を引き継ぎ「新給油法」を強行成立させてきました。しかし、4月17日、名古屋地裁は自衛隊のイラク派兵は憲法9条1項に反し憲法違反であると断罪しました。小泉首相の「自衛隊が行っているところが安全地帯」という詭弁は一蹴されました。政府は、今年12月でイラクへの派兵を撤退することを表明しましたが、この判決を無視できなかったものです。

 そのいっぽうで、民主党の小沢代表は国連決議があれば自衛隊を海外派兵できることを主張し、政府も恒久派兵法の成立を企てています。またアメリカ大統領選挙後はアフガニスタンへの派兵増強が言われており、日本もこれに追従する姿勢です。

 このようなアメリカいいなりをやめさせ、憲法9条を守り、海外派兵を禁止するのがこの総選挙です。

 

[2]総選挙でめざす私たちの要求

(1)誰でもまじめに働いたら食べていける賃金に

 日雇い・登録型派遣の禁止を

 最低賃金を1000円に、公契約法の制定を

 下請単価引き上げ、燃油・原料費高騰の対策を

 

(2)安心して暮らしていける年金、社会保障、食の安全を

 消費税アップ反対、社会保障費2200億円削減をやめよ

 金持ち減税をやめ大企業に応分の負担を求めよ

 後期高齢者医療制度廃止、最低保障年金創設を

 地球温暖化対策、自給率を高め食の安全確保を

 改悪教育基本法の具体化をやめよ!教員免許更新制度の実施凍結

 

(3)9条改憲に反対する国会議員を過半数に

 憲法改悪反対

 恒久派兵法反対、イラク、インド洋からの自衛隊撤退を

 米軍基地再編強化反対、軍事費の削減を

 

[3]総選挙をどうたたかうか

(1)職場の要求で総選挙をたたかおう

 「規制緩和・構造改革」路線がもたらしたものを明らかにし、総選挙闘争の意義を組合員に知らせるとともに、要求を実現できる政治勢力の前進をめざします。

 家族のくらしへの影響など、職場で選挙の話題をひろげ、全組合員に投票を呼びかけます。

 

(2)組合員の政治活動の自由保障を

 労働組合として特定政党の支持義務づけに反対します。組合員個人の政党支持、政治活動の自由を保障します。

 

(3)組織内外の大量宣伝を

 組織内には全労連新聞号外(単産中央からのタテおろし)を届けます。不足する組織には愛労連から届けます。

 全労連の宣伝チラシ(A4両面、派遣法・高齢者医療制度)と国民大運動の要求リーフを地域労連に各2001000をおろします。両方とも公示後も配布が可能ですができるだけ公示前に地域での宣伝日を設定しましょう。


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