貴職の日頃からの住民生活安定のためのご努力に敬意を表します。
さてすでに報道等でも明らかになっておりますが、アメリカ発の金融危機に端を発した景気悪化が愛知県の経済にも甚大な影響を及ぼしています。なかでも西三河地域では自動車産業の大幅な減産により期間従業員の募集停止や解雇、大量の「派遣切り」が行われています。今後もさらに非正規雇用労働者の契約打ち切りなどによる大量解雇の恐れがあります。
なかでも県外、国外からの「出稼ぎ派遣」「外国人技能研修・実習生」は派遣、研修・実習の打ち切りと同時に住居を失いかねません。住居を失うことにより様々な福祉・生活支援施策が受けられない可能性もあります。雇用保険の給付でも不利益を被りかねません。母子家庭で「出稼ぎ派遣」の場合はとくに深刻です。また中小企業では原油・原料高を価格に転嫁できず経営を圧迫していることに加えて「貸し剥がし」や「貸し渋り」がひろがり、年末にかけて資金難に陥ることも予想されます。
すでに「ネットカフェ難民」の増加が言われ、名古屋市ではホームレスの自立支援施設が定員いっぱいになっています。各市でも生活保護の相談が増えていると聞いていますが、今後さらに急増することも考えられます。愛知は「日本一元気」と言われてきましたが、実際にはこれら出稼ぎ労働者の労働なしには生産はできませんでした。愛知県の財政やトヨタ自動車の2兆円利益にもこれら中小事業者や低賃金労働者が大きく貢献してきました。自治体としてこれらの事態に対応するため、以下のように緊急な対策を講ずるよう要請します。
記
1.一方的な「派遣切り」をやめさせること。派遣の打ち切りと同時に住居を退去させないように派遣事業者及び派遣先企業に要請すること。
2.期間従業員・派遣労働者の雇用打ち切りによる生活困窮者への生活支援や住居支援を行うこと。また、必要な場合には生活保護を適用すること。
3.年末資金の申し込みが増える時期です。愛知県信用保証協会、地元金融機関に対し、中小業者・中小企業への「貸し渋り」や「貸しはがし」を起こさないよう強く要請すること。
原油・原材料価格の高騰や仕入れ価格の高騰を転嫁できない中小業者・中小企業への融資が円滑に行われるよう、迅速に対応すること。
以上