「景気は底を打った」という政府発表は実感にほど遠く、愛知の経済は依然として厳しい状況が続いています。先月発表された「愛知の雇用情勢」(H20年5月)によれば今年1月から5月の雇用保険受給資格決定件数85,786件で前年に比べ46,256件も増加しています。この中には「派遣切り」などで解雇された非正規労働者が多く含まれており、給付日数が90日しかない方が少なくありません。60日間の延長が受けられたとしても7月、8月には多くの方が最後の給付を迎えることになります。
また「就職安定資金融資」による貸付や雇用促進住宅への入居ができた方も、6ヶ月間の返済開始時期や退去時期を迎えています。貸付金は「貸付6ヶ月後の時点で雇用保険一般被保険者として就職していた場合は、返済額の一部免除」が受けられますが、仕事が見つからなければ借金がそのまま残ります。
しかし一方で愛知の求人状況は5月も悪化し前月の0.52 倍から0.03 ポイント低下し、0.49 倍となっています。派遣切りが多発した製造業においては0.1倍程度とさらに厳しく、就職は極めて厳しい状況が続いています。
自動車産業では生産を増加させている工場もありますが、大企業では新規雇用行わず、残業と休日出勤を増やしています。期間工の採用を行ったのはほんの一部であり、大企業としての社会的責任を全く果たそうとしていません。
政府においては、補正予算により緊急雇用対策が打ち出されているところですが、実施時期及び具体的な人数等不明なものも少なくありません。日系人のための日本語研修も20人定員で締め切られると次は3ヶ月後にしか行われないなど実態に合っておりません。
つきましては、下記の事項につき、緊急な対策を講じられるよう強く要請するものです。
記
1.雇用保険の給付日数を大幅に延長すること。
2.6ヶ月で就職できなかった場合、「就職安定資金融資」の返済開始日を大幅に延期すること。
3.就職できなかった場合、雇用促進住宅からの退去を求めないこと。
4.職業訓練を前倒しで実施し、募集人員を大幅に拡充すること。
5.「日系人就労準備研修事業」の定員を20人に制限せず、各ハローワークの応募人員に合わせて全員が早期に受講できるようにすること。
6.大企業に対して雇用を増やすよう求めること。
以上について、愛知でおきている事態を本省に伝え、早急に改善されるよう要望いたします。
以上