県民投票条例制定議案の

知事意見に対する声明

2000年6月28日
県民投票を実現する会


 6月27日、私たち県民投票を実現する会は「2005年『愛知万博』開催の是非を問う県民投票に関する条例」の制定を求め、310,372名分の署名をつけて、直接請求を愛知県知事に提出しました。この請求を受けて、知事は6月28日開会の県議会に意見書を付けて議案を提出しました。

 しかし、意見書の内容は、私たちが条例制定請求の要旨で指摘した「県民合意」をどのように得るのかの問いに知事は応えていません。これは、署名に託された県民の意思を踏みにじるものであり、到底容認できるものではありません。まして、知事自身が述べた「署名の重みを受止める」との発言や、直接請求署名簿を代理で受け取った河内副知事の「慎重に検討して」という内容が真撃に検討された形跡が見られず、憤慨に堪えません。
 一方、財政状況を勘案しながらといいながら、いまだに財政計画が示されていないこと、新住事業の中止などの見直しを行ったからといっていますが、例えば知事の言う「愛知万博検討会議」で、海上の森について保全か開発かの議論がなされていますが、どのような結論が出されても県民に是非を問うことに躊躇すぺきではありません。
 さらに、BIEからも評価され、国際的な理解が深まっていると述べていますが、5月26日に開催されたBIE総会の会場で、私たちの代表団やマスコミの皆さんとの記者会見でも明らかなように、ノゲス議長・ロセルタレス事務局長は「地元住民が不安を抱いている。その声を反映するプロセスを考えないといけない」と指摘をしているし、WWFは「海上の森を守るよう要望する」と約束し、IUCNも「小さな開発も積み重なれば、大きな環境破壊になることを日本政府に伝える必要がある」と述べ、ドイツハノーバー市の担当者は「行政や政府が住民の意見を聞くことを恐れてはいけない」とアドバイスしています。このように国際的な理解も不十分どころか、国際的な状況から遅れているとの指摘すらうまれています。
 こうした状況を考えれば、県民投票は県民の意見をしっかり求めるもので、「必要ない」の一言ですまされるものではありません。
 私たちは、知事に対して改めて県民合意のあり方を問うとともに、議会に対して条例案の可決、県民投票の実現を求めるものです。

以上


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