2005年「愛知万博」についての県民投票の実現へ

「直接請求署名」運動の成功をめざして

・・・・・・・愛知から全国のみなさんへの訴え・・・・・

2000年4月

清潔で豊かなくらし・教育・平和を守る「革新県政の会」代表常任幹事会


全国のみなさん

 いま、「愛知万博について県民の意思を問う県民投票を実現させましょう」という「直接請求署名」運動が3月15日からスタートし、5月14日までを期限としてすすめられています。

 この署名運動は広範な県民が参加した「県民投票を実現する会」が中心になってとりくまれています。わたしたち「革新県政の会」はこの「県民投票を実現する会」の有力な一員として奮闘しています。

 すでに署名をすすめる「受任者」はスタートから二週間で一万人以上となり、全県下でどんどん署名が広がりだして、かってない大きな反響をよびおこしています。

 万博の計画について、住民の意思表示をもとめるのは世界では当たり前の流れです。1995年の万博をやる計画だったウイーンでは住民投票をやって、反対派が多数になって中止になりました。ことし万博をやるドイツのハノーバーでも住民投票をやって、賛成派がわずかに上回って、反対派の意見もとりいれて開催することになりました。

 ところが、こうした世界の流れから日本政府、愛知県の姿勢は完全に逆行しています。「愛知万博」はこれまで一度も県民の意思が問われたことがありません。そればかりか、もともと「愛知万博」計画は県民がお願いして始まったものではありません。 鈴木前知事が中部財界、ゼネコンの意向をうけた巨大開発事業として計画し、自民党勢力と結託して推進してきたものです。

 愛知県民は、ただの一度も「愛知万博」について意思表示をしていません。こうした中で、すすめる「県民の意思を問え」という万博県民投票の「直接請求署名」運動には、大義と道理があります。これは、日本の民主主義にとっても重要です。

 最近、徳島市の「吉野川可動ぜき」で住民投票が行われ、有権者の55%の方々が投票しました。以前には御隣の岐阜県・御嵩町の産廃問題でも住民投票がおこなわれ、圧倒的な町民が投票しました。

 「愛知万博」についても、ぜひ県民投票を実現したいと決意しています。「万博」そのものに賛成の人も、条件つき賛成の人も、反対の人も、条件つき反対の人も、ぜひ、この運動にご協力してくださるよう願っています。

 

全国のみなさん

 ご承知のように「愛知万博」について、国際博覧会協会(BIE)から、「愛知万博計画は20世紀型の開発至上主義だ。万博を大規模開発の隠れみのとして利用するのはけしからん」と、きびしい国際批判がありました。

 BIEがこのような動きをしたのは、長年にわたる環境破壊や財政問題などを憂う多くの県民のみなさんの運動とわたしたちの運動との共同が、県内や国内世論、さらに世界世論を動かした結果であります。

 こうした状況のもとで、国、愛知県、万博協会はこれまでの「愛知万博」計画の見直しに動かざるを得なくなり、すでに万博開催予定地の「海上の森」を切り開き破壊する、新住宅建設事業計画(2000戸・6000人の高層住宅)の中止、道路計画の見直しを始めています。このことは端緒的ですが、わたしたちの運動の大きな成果です。

 しかし、推進勢力は一部の見直しを検討しているものの、依然として「海上の森」での万博開催計画にしがみついています。

 「愛知万博」について、県民の意思をしめすうえで、考える必要があるのは、つぎの二つのことが大事だと思います。

 第一は、自然環境問題です。「愛知万博」のテーマは「自然の叡知」「環境万博」ですが、実際の万博計画はこれに相反するものです。貴重な里山として知られる「海上の森」には、3792種の動植物が生息するといわれます。そのなかにはオオタカやシデコブシ、ギフチョウなど心配される種も少なくありません。この貴重な自然を切り開いて、道路を通し、高層住宅建設をつくるというとんでもない計画です。だから、BIEが「これは不動産開発だ」と批判したのです。また、第二会場予定地の「長久手青少年公園」の環境アセスを拒否したり、入場者を運ぶアクセスはきわめてずさんな計画となっているなど、問題が多すぎます。

 第二は、財政問題です。愛知県は1998年に「財政非常事態宣言」を出しています。現在、愛知県の借金は、全体で3兆4千億円と膨大です。このしわよせで、私学助成や福祉医療、県職員給与削減などくらしの予算がばっさりとカットされています。このうえ、いまの「愛知万博」計画(これに総工費1兆5千億円の中部新空港計画も連動)が強行されたら、巨額の税金が投入されることになり、愛知県の借金がいっそうふくらみ、いまでも全国最低水準の福祉がさらにひどくなるのは明らかです。

 以上のような環境問題、財政問題をしっかり考え、「愛知万博」について、県民の意思を「県民投票」でしめす必要があります。

全国のみなさん

 愛知では昨年、世界的な渡り鳥の飛来地である「藤前干潟」の埋め立て計画を中止させました。その力になったのは、長年にわたる環境団体などの住民運動と「藤前干潟の住民投票をもとめる直接請求署名運動」でした。わたしたちは、「藤前干潟」を守ったように、今回の「愛知万博の県民投票を実現させる直接請求署名運動」を成功させる決意です。

 全国のみなさんが、「愛知万博」についての県民投票をもとめる「直接請求署名」の運動に、ご協力くださることを心からよびかけます。

 愛知にお住まいのご親戚や知人、友人の方々に、署名にご協力くださることや受任者になってくださることを働きかけてくだされば幸いです。また、この運動の募金やオオタカバッジ、ワッペン、海上の森絵葉書セット、ポスター、パネルなどの宣伝資材の普及へのご協力も重ねてお願いする次第です。

 

 

      【募金の受付】

郵便振替 00800−9−94204

 加入者「愛知万博・県民投票の会」

 

           

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