「藤前干潟を」守ったように、今度は「海上の森」を守り、

環境の世紀・21世紀にふさわしいメッセージを

愛知と日本から世界に発信しよう

愛知万博の抜本的見直しを求めるアピール

2000年2月2日

 

革新統一愛知懇談会

(愛知革新懇)


 県民のみなさん
 昨年11月のBIE(博覧会国際事務局)代表と通産省との協議がマスコミに報道されたことをきっかけに、愛知万博について広く見直し議論がおこっています。

 報道によれば、BIE代表は、愛知万博の計画は「20世紀型の開発至上主義の産物」「自然破壊につながる大規模開発の隠れみの」であり、「BIEの哲学、モラルに反する」「今後の国際博覧会すべてに悪影響を与えるもので…看過することはできない」と指摘しました。

 通産省代表が「海上の森地域の開発をやめろというなら、愛知博のプロジェクトは止まる」と述べたのに対し「愛知博が中止になることは、BIEにとって問題ない」今の愛知博の計画が世界に知られたら、「1ヶ国も参加しなくなる」「いまの博覧会会場で登録申請してきたら、BIEは、もう一度ゆっくり検討して書き直してくれということになる」と率直で、厳しい警告をしたものでした。

 私たちは、このような重大な内容を持つ「協議」を、通産省や愛知県当局が、県民にひたかくしにしてきたことに激しい怒りを感じます。

 通産省と愛知県当局は、「協議内容」が広く県民に知らされて批判がまき起こるなかで、やっと万博跡地利用計画である「新住計画」(「新住宅市街地開発事業」)の「見直し」を表明しましたが、それは「計画中止」でなく「計画縮小」にすぎません。また、万博会場はあくまでも「海上の森」を使用する計画に固執しています。

 これは、「海上の森」にオオタカの営巣が発見され、「海上の森」を万博会場とする事に広く批判が起こったとき、県当局が、会場使用を大きく削減するかのようなポーズをとりながら、実際には計画の僅か5%の縮小にとどめ、逆に、会場を愛知青少年公園に広げて、全体として会場を拡大したやり方を想起させるものです。

 

 県民のみなさん、

 いま愛知県は「財政非常事態宣言」の中にあります。県の借金は3兆4千億円…県民一人あたり50万円・4人世帯で200万円となります。これまで僅かながらも行ってきた県民のための施策を大幅に切り捨て、障害者にとっては命綱とも云うべき医療補助までうち切ったり、私学助成の削減、県の職員・学校の先生や警察官の給料までカットしながら、何故、1兆円もの費用をかけて愛知万博を強行するのか、ほとんどの県民が疑問を感じ、多くの人々が激しい抗議の声をあげています。

 これは、愛知万博だけの例外ではありません。吉野川可動堰、長良川河口堰、徳山ダム、関西空港、神戸空港、2兆円のムダ使いの中部国際空港建設、お隣の静岡空港、4兆円ムダ使いの伊勢湾口道路等々、愛知でも全国でも、至る所でバク大な血税が浪費されています。その一つ一つが、世界の非難をあびるような自然破壊です。このため、小渕内閣の僅か1年半に、国の借金は101兆円も増えました。そして、それを理由に年金・医療制度などを次々と改悪しようとしています。もう、こんな政治はゴメンです。自自公政権のこれ以上の暴走にストップをかけるためにも、愛知万博の抜本的見直しへ、すべての県民の共同を心から呼びかけます。

 

 県民のみなさん
 「海上の森」は、オオタカ、メダカ、シデコブシ、ギフチョウなど絶滅危惧種を含む約3800種の動植物が生息する貴重な里山です。ここをそのままの姿で保全する事は、多くの県民と世界の環境を大切にする人々の共通の意思であり、21世紀に向かう世界の流れです。

 BIE代表は通産省に対して、愛知博への「反対派の人々の主張は良くわかる」「極めて知的な論拠にもとづく反対の主張がなされている。十分に傾聴に値するものだ」と表明しています。

 愛知革新懇がこれまで表明してきた見解、革新県政の会の政策、98年3月の「海上の森の愛知万博の賛否を問う県民投票を求める直接請求署名」の要求等こそ、世界と県民の声であり、今日の時代の要請と一致したものであることが、はっきりしました。

 この3月にも、再び「海上の森の万博開催の賛否を問う県民投票条例制定を求める直接請求署名」運動が始まります。

 

 この運動を成功させるために、心ある県民のみなさんすべてが、署名運動を進める「受任者」となるよう呼びかけます。

 また、すべての団体・個人の方々が全国から、

1.「海上の森」での「新住計画」を中止すること。

2.「海上の森」を万博会場計画からはずし、公園化するなど全面保全すること

この2点を、愛知県知事、愛知県議会、通産省、「愛知万博推進議員連盟」会長代行でもある小渕首相に、あらゆる方法で要求するよう訴えます。

 私たち愛知革新懇は、無党派の諸団体や個人と日本共産党が共同して、政治の革新、革新統一の運動を進めるとともに、「住民が主人公の地方政治」実現、開発より税金を福祉・教育・くらしにと運動してきました。

 「藤前干潟」を守ったように、今度は「海上の森」を守り環境の世紀…二一世紀にふさわしいメッセージを私たち愛知と日本から世界に発信できるよう、共に力を合わせましょう。

 

以上

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