第73回愛知県中央メーデー主催者あいさつ

2002年5月1日

第73回愛知県中央メーデー実行委員会

実行委員長・愛労連議長 見崎徳弘

   

 

 第73回愛知県中央メーデーにご参集のみなさん。実行委員会を代表してごあいさつを申し上げます。

 今メーデーは、例年にまして重要な情勢の中で開催されています。それは、国政に絡む3つの課題が重要な局面を迎えているからです。

 1つは大企業の横暴・勝手なリストラ、人減らし、賃下げ、中小企業いじめ、これらを許さず「働くルール」を確立する課題、サービス残業をなくして雇用を拡大し、景気の回復をはかる課題が、いま待ったなしの局面にあるということです。2002春闘はみなさんご存じの通り、資本の逆攻勢によって賃金はむしろ下がっています。財界・大企業は賃下げを強要する口実に「いまは雇用を守るときだ」と言っていますが、その一方で、NTTはじめ日本を代表するトップ企業が過酷で理不尽な人減らし「合理化」計画を次々と打ち上げている。このことに私は激しい怒りを禁じ得ません。この方向に本当に日本の景気回復の道はあるのか、答えはNOだと思います。ヨーロッパの労働者のように「働くルール」を確立し、戦後最悪の失業・雇用状況を打開し、倒産・廃業にあえぐ中小業者とともに手をとりあって、経済の民主的な再建へ地域から頑張らなければならないと決意を新たにしているところです。

 2つ目は、国会で審議が始まっている医療制度の大改悪です。保険料、掛け金はどんどん引き上げ、高齢者の負担、サラリーマンの本人負担を過酷なほどに引き上げる医療改悪は、「金のないものは医者にかかるな」と言わんばかり。国民に激しい「痛み」を押しつけるもってのほかの改悪です。この改悪を許してはならない。すべての労働組合が反対の意向を表明しています。日本医師会をはじめ、多くの医療関係者も許すまじと大きな運動を展開しています。連休をはさんで、国会審議は山場を迎えます。なんとしても、いのちを切り縮めていくような医療改悪を阻むためにいっそう力を合わせましょう。

 3つ目は、この国の未来を危うくする有事法制の強行です。「いま日本がどこの国から侵略を受けるのか」という追求に対し、防衛庁長官も「ほとんどその可能性はない」と言明しています。なのになぜ、今、有事法制なのか。アメリカ歴代大統領の中でももっともタカ派で好戦的なブッシュ大統領が特定の国を「悪の枢軸」とよび、核兵器の先制使用も辞さないとするまことに危険な体質をあらわにしていますが、このブッシュ大統領に、全面的に追随しているのが小泉内閣です。そして、アメリカの引き起こす戦争に対し、日本の自衛隊はもとより、私たち労働者・国民も、かつての戦争の時代のように総動員をする。これに反対するものは処罰を科す。こういう大変危険な法案が国会に出ているのであります。戦後50数年、日本の誇りは日本国憲法、平和憲法でした。平和あってこそのくらしです。有事法制をどうしても阻むために、メーデーを新たな出発点に大きなうねりをつくりましょう。

 以上、3つの課題を申し上げました。いずれも、国民の過大な期待を受けて出発をし、「自民党政治を変える」と言った小泉内閣の政策と真っ向からぶつかる課題です。もはや、小泉内閣は打倒する以外にはない。国の隅々から要求を掲げ、連帯を広げ、この国のあり方を変える大きな歴史の主人公に、一人ひとりが新たな意志を持って立ち上がることを心からよびかけて、実行委員会を代表してのあいさつにさせていただきます。がんばりましょう。

 
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