第37期愛知地労委・労働者委員の選任に関する抗議声明 | |||||||||||||||||
愛知県知事 神田 真秋 殿 | |||||||||||||||||
<救済を求める労働者の声は聞こえないのか!> | |||||||||||||||||
8期16年間連続で労働者委員7名を「連合愛知」に独占させる 知事の偏向任命に断固抗議する! | |||||||||||||||||
2003年11月28日 愛知地労委の民主化を求める連絡会議
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本日、知事と県産業労働部は12月1日任命予定の第37期愛知県地方労働委員会の委員(内定)名簿を公表した。県は今回もまた7名の労働者委員全員を連合系に独占させ、私たち「連合愛知」に所属しない愛労連と新聞労連・国労など中立組合が共同で推薦した黒島英和愛労連副議長、田中洋行全港湾名古屋支部書記長の2名を排除した。私たちはこの差別的な選任、8度目の非連合排除に怒りをこめて抗議する。
この間、トヨタや中部電力の「サービス(不払い)残業」告発事件、名鉄(バス)の無免許運転替え玉事件、新日鐵の爆発事故など、地労委に労使の委員を出している大企業での不祥事や事件が相次いできた。マスコミは、爆発事故などが「これほど多発しているのは基本的な問題点が工場内(組合の姿勢)にある」(中坊・連合評価委員会会長)「リストラで安全管理が手薄になっている」(奥田・日本経団連会長)などの発言も報じているが、関係企業はもとより、適切なチェック機能を果たせなかった大企業労組とその役員(=労働者委員)への批判も強まっているのは当然であろう。 さらにいま、愛知地労委に対し、申立から4年半もたって「門前払い」決定が出されたスミケイ親交労組事件の扱いをめぐって、「これは全国的にも例を見ない全く不当な決定だ」「結局、今の愛知地労委は大企業にモノが言えない」「これで労働者の利益が守れるのか」との批判が広がっている。この事件は連合加盟のユニオンショップ組合がある企業の中に非連合の組合が誕生し、組合差別、不当労働行為に対し救済を求めたものだが、連合役員である労働者委員は申し立てた労働者が証言する審問廷を5回連続で欠席するなど委員の役割を果たさなかった。また担当した公益委員も、審問中にも続く企業の不当労働行為を止めることもせず、和解案も示さず、4年半も審査したあげくに「申し立て期間を過ぎている」からと門前払いにした。まったく信じられない決定だが労使協調の連合系に委員を独占させてきた知事の偏向任命が、地労委でのある種の「なれあい」や救済機能の低下をもたらしており、地労委の信頼は決定的に損なわれているとの批判は強い。
だからこそ私たちは、「今度こそ連合独占を改め、非連合系も加えた公正な委員任命を」「地労委に救済を求める労働者の大半は、労使協調・大企業労組中心の連合系ではなく、非連合系の中小労組だという実態をふまえ、そうした労組・労働者も信頼できる多様な委員構成にして、地労委の機能回復を」と要求してきた。
しかしながら知事は今回も私たちの要求に背を向け、またも連合独占の偏向任命を強行し、非連合の候補者を排除した。そして不祥事や大事故で社会的批判を受けた労働組合からもまるで「指定席」「世襲」のようにして組合役員が再任・選任され、さらに大企業労組の役員が増え、中小企業の組合役員が減る任命ともなった。 先に述べたが、地労委に救済を求める事件のほとんどは中小・非連合の企業である。不当な扱いをうけて泣き寝入りする労働者が多いなかで、意を決して地労委に救済を申し立てる下請・中小企業の労働者の苦しみを、今の労働者委員がどこまで理解できるのか、また不祥事・大事故に適切なチェック機能を果たせずにきた大企業労組の役員が本当に頼りになるのか、不信感を持つ者は少なくないが、これからしても、知事の今回の任命は全く理解できない。 知事は2年前、私たちの質問に対し「『労働者及び労働組合全体の利益を代表できる者』を任命した」(13労福第286号)と回答した。しかし、今回はどうか。同様な回答は許されないし、少なくとも私たちに対して、十分な説明責任があると言わなければならない。
このような偏向任命を県下の労働者は絶対認めることはできない。 「知事は救済を求める労働者の声が聞こえないのか」。 以上 | ||||||||||||||||
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