池住よしのりさんの『基本政策』

2003年1月5日
池住よしのり

 ――愛知県知事選挙にあたって――

 

※ この『基本政策』は、昨年(2002年)12月7日に発表した私の『7つの基本方針』に賛同・共鳴して下さった多くの県民支援者から寄せられた2000を越える提案、ご意見を受けて作成・とりまとめしたものです。この『基本政策』に対する、ご意見、ご要望をお寄せください。1月11日までにお願いします。そうしたご意見なども参考にしながら、さらに練って、有権者の皆さんにより分かりやすく、アピールする「公約」という形で提示したいと考えています。

政策にこめるメッセージ:「必要なときに」「必要な人に」「必要なものを

政策の基本コンセプト:「わかりやすくて」「実現可能で」「楽しくて

 

 

1 県民一人ひとりが納得できるよう財政運営を根本から変えます。

【財政再建】

 愛知県財政を「破綻」状態にまで及ぼした要因と構造を徹底的に分析・解明して県民に明らかにします。

  現在、愛知県財政は3兆3272億円に及ぶ借金(『あいち財政の概要』参照)を抱えています。

  財政悪化の最大要因は大型事業を中心とした過度の県民にとって不要・不急な公共事業の実施です。それによって発生した借金の額はあまりに大きく、愛知県財政の現状は、それを返済するためには新たな借金をするほかないという悪循環が生み出したものといえます。その結果近年では、1兆円に満たないレベルまで落ち込んだ税収が決定的な追い打ちをかけ県財政は実質「破綻」状態となっています。

 

2 「愛知県財政再建計画」を策定し、使えるお金の上限を明らかにします。

  愛知県財政の現状から、これ以上の借金の積み上がりを阻止することが急務です。そのためには利払い費を確保するプライマリーバランス(財政上の現金収支)を黒字にすることが最低限必要であり、そのために「愛知県財政再建計画」を策定します。

 

3 愛知県財政運営を「予算主義」から「決算主義」へ変革します。

  決算の事後検証を強化し、使い切った予算の中身を精査して、次の予算に活かしていくシステムを構築します。

 

4 予算と決算に関わる一連の決定権限を現場に大幅移譲します。

  税金の使途について知事が優先順位と大枠を示したうえで、実際に仕事をしている「現場」が「お金の使い方を決められる」よう予算と決算に関わる一連の決定権限を現場に大幅移譲します。

 

5 公共事業を維持・補修を中心としたものに変えます。

  取得原価で6兆円もの資産残高となっている道路・庁舎など有形固定資産に優先順位をつけた長期更新計画を早急に立て、新規の公共施設建設は必要最小限にとどめます。

 

【万博】

6 愛知万博の開催権を国に返上します。

  愛知万博は、現時点の試算では直接開催経費を除き約3500億円もの出費を必要としていますが、財源の大部分を「借金」で調達する以外に方法がなく、本県のみならず国家財政や民間企業に非常に重い負担となっています。もし開催を強行すれば、さらに大きな財政負担を強いることになります。

  1200億円以上の赤字を出して閉幕した前回ハノーバー博は、最終的に国と州が赤字を補填することになりました。しかし、愛知万博では、国は赤字でも補填しないとの方針を示していることから、赤字補填は県民負担に求めるしかありません。2兆3000億円の経済波及効果(財団法人長野県経済研究所試算)があるとされた長野冬季五輪も、最終的には長野県財政に1兆6000億円を超える借金を残しており、今や長野県の起債制限比率(借金返済の重さの度合いを表す指標)は全国ワースト2位の17%となっています。

  愛知県財政の現状からはハノーバー博や長野五輪と同様の結果を背負うことは絶対に避けなければなりません。また、愛知万博のプラス効果とされる「環境意識の昂揚・国際交流の進展」については日常的な努力で十分達成可能です。したがって愛知万博については開催中止が最善の選択でり、その道筋をつけるため、その開催権を国に返上します。

 

7 海上地区は現状のままとし、道路整備やゴンドラ敷設など開発行為は行いません。青少年公園地区は会場建設工事を止め、都市公園化計画は白紙撤回し、公募によるマスタープラン策定委員会で整備のあり方を検討します。また児童総合センターについては早期再開を図ります。

 

8 東部丘陵線と名古屋瀬戸道路は、事業効果の有無・採算性を徹底検証し直したうえで方向性を決定します。

  既に工事が始まっている東部丘陵線と名古屋瀬戸道路については、地震対策や交通安全対策など必要な措置を講じたうえで、万博と切り離して単独での事業効果の有無や採算性を県民参加で徹底検証し将来のあり方を決定します。

 

【空港】

9 中部国際空港建設計画の抜本的見直しと名古屋空港の活用方法の検討を一体的に行う、公開の「空港問題調査・検討会議(仮称)」を県の仲介で設置するよう緊急提案します。

  2025年時点で中部国際空港の利用旅客は年間2050万人、取扱貨物量は52万トンになるとの「需要予測」(UFJ総合研究所『ポスト万博・空港−愛知経済の課題−』参照)がされています。これは2000年の名古屋空港利用旅客の2倍、貨物については3倍の数値となりますが、明らかに過大な予測です。現在の計画では採算性が「非常に厳しい」ことを中部空港会社も認めています(『中日新聞』20021219日朝刊)。一方名古屋空港は現状で問題なく使用可能であり、名古屋空港ビルも200億円以上の費用によって新設し償却を開始したばかりです。このような現状から判断して、新空港建設工事は一時中断し、計画の抜本的見直しと名古屋空港の活用方法の検討を一体的に行う公開の「空港問題調査・検討会議」(仮称)を県の仲介で設置するよう緊急提案します。なお、その前提として名古屋空港の防衛施設庁への移管は認めません。

 

10 現行の前島・空港島開発計画は白紙に戻します。

  愛知県企業庁の進める現行の前島・空港島開発計画には採算性が認められません。前島・空港島の活用方法については、ここで改めて県民の参加による検討作業を実施します。

  又、空港アクセス道路である知多横断道も同様に事業を一時中断し、土地収用裁決申請は取り下げます。

 

 

2 県民の“生の声”が届く透明な愛知県政府を実現します。

【行政改革】

11 現行の第三次行革大綱の見直しを図り行政が担うべき役割を徹底的に再検討し、やるべき事務事業を検証して絞り込みます。

 

12 県民の県政への実質的参加を保障する制度確立のために「情報公開」「文書管理」「行政手続」の3条例を三位一体で制定し整備します。また、その議事録の公開をもって「政策形成過程」を明らかにします。非営利団体等を対象とした情報公開時の各種手数料の値下げ実行や、原則電子情報化するなどによって県民の情報アクセスを改善します。また、知事の定例記者会見など行政がマスコミ向けに公表したものの原稿および資料の電子情報化もさらに拡充します。

 

13 県民の「生の声」を県政に直接活かすシステムを構築します。

  地域毎に車座集会などを開催して県民と知事が直接対話できる機会を確保し、課題毎に県民代表、専門家、関係者などから構成する「県民評議会(仮称)」を設置して県民の「生の声」を県政に直接活かすシステムを作ります。県民生活に直接影響を及ぼす事項については、年齢条件の引き下げ、外国籍居住者の投票権などにも配慮したうえでの「県民投票」の制度化を図ります。

 

14 外郭団体の財務内容なども情報公開の対象とします。全外郭団体を徹底的に見直し、例えば企業庁のような存在意義が疑わしい団体は廃止・解散を検討します。職員の天下りは禁止します。

 

15 公務労働の「ワーク・シェアリング」(就労分かち合い)を追求し、それを実現するために機構・組織・人事、給与体系、勤務時間、勤務体制など公務労働に関係する全制度を見直し、改革を図ります。

 

16  透明な入札制度を確立し、談合を排除します。

 

 

3 県下88市町村に資源と資金の循環を取り戻し、持続可能な自治社会を創造します。

【地方自治】

17 各地域が自己完結度の高い経済を構築して自立できるよう、地域内に資源と資金循環を取り戻す方法を追求します。

  現在、県下市町村のほとんど全てで「貰った以上に出ていく」という経済状態が発生しており、地域内の資金循環が途切れてしまっています。いま必要なのは消費への誘因を作りつつ、同時にお金を地域に「居つかせる」工夫です。地産地消を目指し、各地域が自己完結度の高い経済を構築して自立できるよう地域内に資源と資金循環を取り戻す方法を追求します。

 

【市町村合併】

18 合併の真意を関係自治体および住民と共に検討し、その内容を最終決定に反映できるシステムを構築します。 

  人口の少ない自治体の切り捨てとなる「上からの」合併促進には反対します。しかし関係自治体の住民同士が真に望んでいる合併には最大限の調整努力を惜しみません。

 

【市町村の自立支援】

19 国に対して税源移譲や制度疲労が著しい地方交付税制度の見直しを求めます。市町村が基礎的自治体として自立できるよう、自治体間財源格差調整システムを強化するなど、できる限りの支援をします。

 

 

4 環境首府・愛知、安全な食の自給ができる愛知、災害に強い愛知をめざします。

【環境】

20 重要な公共事業には、計画の白紙撤回を含む複数案の検討を義務付けるとともに、計画策定段階から、事業の費用対効果など経済性を見極めたうえで、単なる環境影響評価でなく環境改善効果まで測定するいわゆる「戦略的環境アセスメント(SEA)」を実施します。

 

21 設楽ダム、徳山ダムから取得する水利権を全面返上し、両ダム計画から完全撤退します。

  伊勢三河湾を元来の安全な魚が獲れる内海とするために、下水道システムや排水基準を見直し、水源林を保全して、干潟や藻場を回復させます。また愛知県財政をさらに圧迫し環境を破壊する設楽ダム、徳山ダムから取得する水利権を全面返上して、両ダム計画から完全撤退します。知多半島の上水道を安全な木曽川水源に戻します。

 

22 世界に約束した温暖化ガス6%削減を目指します。

  地球温暖化によって海面が1メートル上昇した場合、愛知県は水没面積で全国3番目、水没人口で2番目(150万人)の被害が予想されています。温暖化は遠い南の島国の問題だけではありません。県独自の地方環境税の導入の検討、風力・太陽光・バイオマスなど自然エネルギー発電の推進などで、世界に約束した温暖化ガス6%削減を目指します。

 

23 有害な黒煙粒子を排出するディーゼル車をはじめとした自動車の排ガス規制を具体化し、ダイオキシン、環境ホルモン、ハウスシック、スクールシック、農薬などの有害化学物質に対し、調査・研究・測定や監視などの対策に本格的に取り組みます。

 

24 県内の自然環境と生活環境の調査を研究者やNGO・NPO団体と連携しながら継続的かつ綿密に行い、四散しつつある貴重な標本やデータを集積・展示し、環境教育にも活かせるシステムを構築します。

 

【廃棄物対策】

25  廃棄物問題について、排出量ゼロを目指すゼロエミッション戦略を策定・推進します。

  現在の大量生産・大量廃棄社会では廃棄物の根本削減は著しく困難であり、エネルギー・資源の浪費も止まりません。製品の企画構想段階、生産段階で、その製品が使用され廃棄されるまでの経過を考慮するなど、廃棄物の排出量を具体的に削減するシステムを構築します。

  また、並行してダイオキシン等の有害物質を排出する焼却からの脱却をも目指し、生ゴミ堆肥化などのリサイクル等を促進します。

 

26 産廃税等の新設で県外からの産業廃棄物流入を抑制すると同時に、地域住民に反対されている産廃処分場計画の許可手続きを5年間程度凍結し、その間に専門家・関係者による調査グループと共にその建設の必要性を改めて慎重審査します。

 

【里山と森林および流域圏】

27 里山・森林の保護保全と有効利用を両立させるため「愛知県里山・森林保護保全条例(仮称)」を制定し、モデルケースとして「海上の森」の保護・保全に取り組みます。

  間伐、枝打ちなどの作業が出来なくなって荒廃している人工林(主に民有林)を環境保全林として位置付け、その作業にあたる森林レンジャー等を育成して環境保全と雇用確保の一石二鳥をめざします。その財源として、すでに高知県で始まっている森林保全税を検討します。

 

28 木曽川、矢作川、豊川上流域支援のための水源基金の創設を呼びかけます。

  安全な水・豊かな内海の保護には上流域の森林保全が必要であり、そのためには健全な農林業の世代継承が不可欠です。このための資金確保手段として愛知県内だけでなく木曽川、矢作川、豊川上流域支援のための水源基金の創設を呼びかけます。

 

【食と農】

29 遺伝子組換えや農薬が散布された輸入農産物を監視し、安全な食品流通を確保するため履歴書(トレーサビリテイ)付きの牛肉や野菜などの流通を支える審査機構と検査機関を設置・強化します。

 

30 地産地消の有機無農薬または減農薬農業先進県を目指し、学校給食や施設給食、給食サービスなどを利用した地場産食品の長期買い入れ制度など地産地消を促進する安定的な地場供給システム開発を追求するとともに、農業試験場では生産者と連携しながら有機農業の試験・研究を積極的に行います。

 

31 生産者が無・減農薬農産物を生産するために負う病害などの弊害を解決するため、その研究などに要する費用を消費者も負担するような契約耕作システム(例えば木曽川流域圏で行われている大豆畑トラストなど)を奨励・支援します。

 

32  伊勢三河湾を浄化し、魚付き林を育て、若者が希望を持って農林漁業を継ぐための所得補償制度(デカップリング制度)などを設け、農産物の流域内自給システムの確立をめざします。財源は先に述べた水源基金や森林保全税などを新設して確保します。

 

【防災】

33 東海地震対策のためにすべての大型公共事業に優先して、道路や橋、トンネル、学校、庁舎など既存の社会資本の耐震診断、補強を早急に行います。

  県民への重層的な災害情報緊急伝達システムの整備をします。(注:災害時の情報伝達システムはこれまで、想定外の事態に遭遇して破綻してきました。そのため、二の矢、三の矢としての手段が準備されている「重層性」が求められます。電話、ラジオ、テレビ、防災無線などの他にも口コミネットワークや航空機などによる広報も研究する必要があります。また、原発事故に対しては、放射能雲の移動状況を監視するシステムの整備も必要です。)浜岡原発の事故に備えてヨウ素剤などを準備するとともに、避難計画を早急に策定します。

 

34 治水条例などで水田・ため池を保全し、開発者に遊水池設置義務などを課します。災害時最も重要な住民自身の自助と自治能力を高めるために、住宅改造などを支援しバリアフリーでより安全な避難所を整備します。

 

 

  愛知県に暮らす全ての人が「生きることは素晴らしい」と実感する社会を実現します。

【児童虐待・家庭内暴力・自殺防止】

35 子どもの権利に関する基本条例を早期に制定し、人権問題を最重要課題とします。

 

36  児童相談所の児童福祉士・専門員等を増員するとともに、児童相談所に集中する機能を地域の連携による見守りへの転換をも促進して虐待の予防を目指します。暴力防止相談センターの改修、充実や民間シェルター活活の支援、協働を推進します。消費生活センターの整理・統合を改め、弁護士会やNGO・NPOと連携して迅速な解決を図る機能を持った常設の「金銭トラブル」相談窓口を設けます。

 

【福祉】

37 誰もが住み慣れた地域で自立して誇りを持って生きられるようにするために、福祉施策のあり方を施設サービスから在宅サービスへと大胆に転換します。

 

38  家族などへの負担がかからないように365日24時間介護・介助提供を実現し、身近な地域の中に入所施設とは独立したデイサービスやショートステイ、レスパイトケア(休息一時ケア)施設を民間と連携しながら整備します。住宅施策と連携してグループホームの増設を図り、空き教室や空き店舗を福祉施設として活用する方策を追求します。また移動サービスや食事サービスなど介護保険外サービスを充実させます。さらに授産所や作業所などのいわゆる「福祉的就労」への一律的な補助金制度を見直し、障害をもった人が尊厳をもって活動できるように、運営形態に見合った補助金の出し方を実現するための検討委員会を設けます。

 

39 女性の働きやすい環境を整えることも内容に含む子育て支援条例を制定します。例えば、駅など利便性のあるところへの保育園の増設、乳幼児が健やかに育っていけるよう人的・物的・制度的環境整備への取組みを進めます。また、低所得者・シングルマザーなどの出産費用公費負担、学校など公共施設を活用することやNGO・NPO団体が活動しやすいような環境整備を実現します。認可、無認可に関わらず児童福祉施設および関係機関の充実を公的責任において支援します。

 

医療

40 高齢化社会にとっては、在宅医療の充実は重要です。そのためにまず医療・保健・福祉の連携をすすめます。

  それぞれの社会資源を活用できるように情報センターをつくるとともに、情報を活用できる環境づくりを支援します。少子化施策の一環として乳幼児医療制度、小児救急医療体制を充実します。障害をもつ乳幼児が地域の中で専門的な医療を受けられるように従来ある地域の医療機関を充実させます。

 

障害者雇用

41 障害をもつ人の生活支援も組み合わせた就労支援体制を充実させます。

  学校卒業後の行き場についてはもっと一般就労がすすむような体制を充実させます。愛知県関係の施設・部署への障害者の就労実習の受け入れを積極的に進めるとともに、障害者の雇用率を考慮した入札制度を実現させます。

 

【平等参画】

42 異性愛・同性愛などの性的指向や、女性・男性・性同一性障害というような性自認の違いによって、学校や企業などで不利益を被らないような環境を整えていきます。

 

43 性別による固定的な役割分担意識の解消を進めるために、社会制度や慣行などを見直します。

  地域や職域で男女不平等社会等の解消に向けての普及啓発を行います。幼稚園・保育園から大学まで混合名簿を完全実施するなど男女平等教育を進めるとともに、男女平等意識を高揚するための生涯学習機会を充実させます。

 

44 雇用上での男女平等な機会と待遇の確保を進めつつ、職業生活と家庭生活の両立を可能とする就業環境の整備をします。農林水産業や商工業など自営業における男女平等参画、パートナーシップの確立を図り、家庭生活・地域活動への男女平等参画を進めます。

 

45 現存する女性・男性に対するあらゆる暴力、いやがらせを根絶させ、悩み・苦情に応える窓口の充実と暴力に対する避難施設を整備します。メディアにおける女性の人権の尊重を徹底します。

 

46 思春期・出産期・中高年など生涯を通じた女性の健康づくりを支援しつつ、生涯にわたる性と生殖に関する権利の尊重を進めます。

 

47 男女共同参画社会実現のために、市町村と有機的に連携し総合的な計画を立てて効果的・効率的できめ細かな施策を実施します。またNGO・NPO・ボランティアなどを支援し、県民あげての施策を実施しながら、男女平等社会の実現を目指します。

 

48  政策・方針決定の場への女性の参画を確保し、女性副知事を実現します。

 

【人権】

49 セクシャルマイノリティが差別されることがないように、学校、地域、医療機関、企業などでの人権教育・啓発活動をNGO・NPOなどへの委託も含め連携して進めます。

 

50 野宿に追い込まれている人たちに就労の機会を提供します。すぐに実現できることとして、道路や公園、河川の清掃、公園などの遊具の補修、森林・里山の保全などの特別就労事業を起こし、公的に就労の機会を保障します。

 

51 県内に滞在もしくは居住する外国人が、適切な保健、医療などの社会福祉が受けられるよう、またいかなる子どもにも教育の機会を保障します。

 

52 住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)については、市町村がネットワークへの接続を希望しないと表明した場合には県サーバとの接続を切断し、取得済みのデータは全て消去することとします。また市町村が住民の判断に委ねるいわゆる横浜市方式を採用した場合も非希望者にかかる取得済みデータを県サーバから消去します。ただし、国において重大な情報漏洩等が発生し情報セキュリティに十全が期されないと明らかに判断される場合には、国のサーバとの接続を切断します。なお、県内全部の住基ネット情報セキュリティについて第三者による現状調査を至急実施し、危険があると指摘された部門、市町村には是正指導を行います。

 

 

6 若者からお年寄りまで未来に「夢」と「希望」がもてる愛知県を実現します。

【教育】

53 地域の学校を、子ども、親、教職員、住民の参加で一緒に創り上げ、みんなの知恵と工夫で、次代を担う子どもたちを、個性豊かに育んでいきます。

 

54  複雑化する子どもたちの学習と生活に対応させるために、正規採用教員の増員と、市民による学校サポーター(外部講師、ボランティア)制度を導入します。

  30人以下の少人数学級への早期移行を実現します。また総合的な学習の時間運用を柔軟にし、基礎的な学力を充実させるための時間保障を可能とさせます。

 

55 子ども、親、教職員の現場の声を幅広く聞く制度を確立し、不明朗な教員人事を一掃するため教育監査制度を設け、同時に調査してほしいことを市民から受けて調査する調査請求制度を新設します。

 

56 学習や研究、作業、提案事項を出していくために親と教員のネットワーク作りを進めるともに教育NGO・NPO作りを推進します。また、学校教育に代わる組織的なフリースクールなどを積極的に支援します。

 

57 障害を持つ子どもたちも地域の学校で教育することを原則とし、障害児学級、養護学校、あるいは、普通学級のどこに通わせるかという選択は、本人と親の責任において決定し、教員の配置など、それぞれの条件整備が十分なものにします。

 

58 放課後の子どもの居場所については、「預かる」という視点でなく、「育てる」という視点を持って考えます。放課後児童対策事業を今以上に充実させ、同時に、従来の学童保育所は、地域でその良さを発揮できるように積極的に支援します。

 

59 教育委員会主事を定期的に現場復帰させ、その現場性を教育行政に反映させる方策を講ずるとともに、教育委員会による直轄人事を廃止して教務主任を現場から選出するようにし、校長は任期五年以内、その後、学級担任か教科担任をするという管理職の現場復帰などを検討します。

 

60  偏差値輪切りを助長・固定化している現行公立高校入試の「複合選抜」を抜本的に改革するための調査機関を設けます。公私立間の経済的負担格差を是正する私学助成は少なくとも現行水準を維持し、充実のために最大限の努力をします。また高校の統廃合や定時制の廃止および定員削減については保護者、地域の意見を取り入れて慎重に対処します。

 

【雇用】

61 「愛知県雇用促進・助成制度」などの創設を検討します。

  現下の厳しい雇用環境からの脱却は、事業者と働く者と行政の三者が協働し合わない限り不可能です。例えば県がまず就労意欲のある失業者に「雇用切符」を渡し、事業者は「切符」を持った失業者を雇った上で職業訓練を実施、その代わりに「切符」と引き替えに県から「雇用助成金」を受け取るという「愛知県雇用促進・助成制度」の創設などを検討します。

 

62 法令違反の高利金融に頼ることなしに中小企業や個人事業者の営業活動を可能にし、かつ経営安定化による雇用環境改善を図る具体的かつ有効な方策を追求します。

 

7 人類共通の願い「戦争しない国づくり」を具体的に全世界に提示していきます。

【平和】

63 平和憲法に基づいて、さらに地方自治を完全否定する有事法制に反対します。核兵器を「持たず、つくらず、持ち込ませず」の非核三原則を県内全域にわたって宣言し、非核証明がない船舶の県管理港湾への入港は認めません。新中期防衛整備計画にある空中給油輸送機の小牧基地配備に反対し、憲法第9条の精神を世界に発信します。

 

64 平和教育を県下で幅広く推進するために、学校、家庭、地域社会など様々な教育の場で使われる教材づくりと平和教育を担当する“平和教育・ファシリテーター”を養成し、実際の雇用につなげていきます。学校教育に非暴力トレーニングを取り入れます。

 

65 県と名古屋市が審議会を設置してまとめた戦争資料館構想を発展させ、県内外から広く収集した戦争実態を語る資料を展示する平和祈念館(ピース・メモリアル)の早期設置を図ります。また、県内の戦跡を保存し、戦争体験を世代から世代に語り継ぐことが可能になるよう施策を講じます。

 

以上

 

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