トヨタ自動車株式会社
渡辺 捷昭 様 

要請書

2006年2月10日

トヨタ総行動実行委員会
実行委員長 羽根 克明
全国労働組合総連合
議 長   熊谷 金道

   

 

 トヨタ自動車におかれましては、自動車生産高世界一にむけますますご発展のことと存じます。さて、貴社をはじめとする大企業各社では史上最高益を更新し「景気回復」の声も一部で聞かれるところですが、勤労者の所得は引き続ききびしい状況が続いています。また雇用の面においてもパートやバイト、派遣・請負といった、いわゆる非正規・不安定雇用が増大しています。とりわけ青年層での不安定雇用の増大は社会保障の基盤を崩しかねない状況になっています。

 しかし貴社では数年間にわたり好調な決算をあげながらベースアップをおこないませんでした。日本一の利益を上げた「トヨタが賃上げしない」ことは、傘下協力企業はもとより全国の労働者の賃上げと個人消費に甚大な影響をあたえてきました。またさらに下請けの地元中小企業各社は「共栄」どころか、夜中まで操業しても利益がでていません。豊田市内の中小零細企業の7割が赤字になっています。「人や社会、地球環境との調和を図」り「オープンでフェアな企業活動」を掲げておられる貴社として、あまりにもアンフェアな結果です。

 貴社は「つねに国際社会から信頼される」としていますが、労働時間では政府の国際公約である年間1800時間にはほど遠く、サービス残業の摘発もうけてきました。このような中で高密度・長時間労働は労働者の肉体的・精神的にも過重になっており、重大な労働災害も発生しています。また近年は期間従業員や派遣・請負労働者などの不安定雇用も増大させています。期間従業員は社員と同じような仕事をしながらその待遇には大きな差があります。「せめて食事補助くらい社員と同じにしてくれ」の声も届いています。また貴社の掲げる「クリーンで安全なクルマづくり、住みよい地球と豊かな社会づくり」のためにはディーゼル排ガス対策や自動車公害補償においても責任ある態度が求められています。

 私たちは貴社及びトヨタグループ各社が世界を代表するトップ企業としてふさわしく社会的な責任を果たされるよう以下のように要請致します。

 

 

(1)今年こそ「ベアゼロ」をやめ、まともな賃上げをおこうこと。

(2)36協定の特別条項を廃止して長時間・過密労働をやめること。サービス残業を一掃すること。

(3)「均等待遇」を守り、期間工の労働条件・福利厚生を改善すること。 

(4)ばく大なもうけを地域社会と関連企業に還元すること。二次・三次の関連・下請企業への単価引き下げ押しつけをやめさせること。

(5)青年をはじめ正社員の雇用を大幅に増やし雇用の安定に努めること。

(6)他の自動車メーカーと連帯した責任と負担で大気汚染公害患者の救済制度を早急に創設すること。

以上

 
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