マスコミ各紙は、自衛隊の情報保全隊が国民のあらゆる活動を系統的に監視し、記録していたことを報道しました。自衛隊の内部文書にもとづいて日本共産党が明らかにした事実に対して久間防衛大臣もそうした調査を行っていることを認めています。
今回明らかにされた内部文書によれば自衛隊の情報保全隊は「自衛隊の機密情報の保護と漏洩の防止」という任務に反して、イラク派兵反対の活動をはじめ消費税増税反対、医療費負担増の見直し、国民春闘など国民のあらゆる活動を監視下においてきたことをうきぼりにしています。
自衛隊が国民の動きを監視し、記録するなどというのは憲法で保障されている集会、結社、および言論、出版などの表現の自由を脅かす憲法違反の行為であることは明らかです。また自衛隊法のどこにも法的根拠をもたない活動です。日本は戦前、軍隊の治安機関であった憲兵組織がやがては国民全体の監視機関となり弾圧機関となっていった暗い歴史をもっています。自衛隊と言う軍隊が、政府・自衛隊の活動に批判的な市民や政党の活動を国民が知らない間に、調べ上げ記録するということは、戦前の「憲兵政治」の復活につながるものであり、絶対に許すことが出来ません。
今回の「内部文書」の都道府県別監視対照一覧表のうち愛知県の項には春日井、旭、尾北、守山など第10師団司令部周辺の地名も散見されます。貴陸上自衛隊第10師団も憲法違反の国民監視活動を行っていることは明らかです。さきに私どもは、貴師団長が「着任の辞」において、「陸上自衛隊の本質は武力集団であり」、「その基本は野戦である」として、武力行使を禁止している憲法の規定を無視した態度をとっておられることに対して抗議の申し入れを行ったところであります。これに対する明確な回答を受け取っておりませんが、改めて以下の点で態度を明らかにされることを申し入れるものであります。
一、 貴師団が行っている「情報保全隊」の活動を市民に公表されること
一、 違法、違憲の監視活動をただちに中止すること
一、 「着任の辞」を撤回すること
以上