イラク派兵差し止め訴訟で確定した名古屋高裁判決は、航空自衛隊がイラクで米兵や軍事物資を空輸することが米軍の武力行使との一体化にあたり、憲法違反であると断罪しました。しかし政府はこれに耳を貸すことなく自衛隊のイラク派兵に固執し、自民党・公明党は海外派兵恒久法づくりの作業を進めています。アメリカの要求があれば、いつでもどこにでも派兵できるようにする恒久法の背景にあるのは、アメリカの先制攻撃戦略にそって自衛隊を米軍とともにたたかう軍隊にすることを求めるアメリカの要求です。日米安保条約=軍事同盟の世界的規模への拡大です。
世界最大の軍艦、最新鋭原子力空母ジョージ・ワシントンが横須賀に配備されようとしています。原子力空母を通常型空母にかえることで戦闘力が2倍以上になり、25年間も給油なしで走り続けることが出来るのです。その配備は日本をアメリカの地球規模の干渉と侵略戦争の出撃基地として強化するものです。ここにも日米同盟=軍事同盟の危険性が浮彫りになっています。
イラクで米兵や軍事物資を空輸しているのは航空自衛隊小牧基地配備のC130H輸送機です。さらに小牧基地には空中給油機・輸送機が配備されました。海外での戦争のための後方支援基地として自衛隊小牧基地が強化されようとしています。
「米軍再編」・基地強化に反対するたたかいは全国に広がっています。沖縄では辺野古沖への新基地建設を阻止しようと始めた住民らの座り込みは1500日をこえてつづけられています。横須賀市では前回より1万人以上、5万人をこえる住民投票条例請求署名を集め、市議会では否決されたものの原子力空母の安全性の確保や日米地位協定に改定を求める「意見書」は全会一致で可決、「横須賀に吹き始めた市民の風に勢いをとめることは出来ない」(「成功させる会」声明)との確信を生んでいます。
今日6月23日は、48年前の1960年、全国民的な反対の声をおしきって国会を強行突破した安保条約が発効した日。以来毎年、この日を期して日米安保条約廃棄を前面にかかげた集会や宣伝が全国でいっせいに取り組まれてきました。いま、米軍基地の再編・強化をめぐっても自衛隊の海外派兵の動きや憲法改悪をめぐっても、さらにくらし、福祉への攻撃もその根源には日米軍事同盟=安保条約があることがわかりやすくなっています。私たちは自衛隊はイラクから撤退せよ、派兵恒久法反対、原子力空母配備反対、空中給油機配備反対など緊急課題で共同のたたかいを広げるとともに核も軍事同盟もない日本、憲法9条が生きる日本をめざし、安保条約廃棄を国民多数の声にするため奮闘するものです。
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