NO.295

2001年11月7日


〒456−0006 名古屋市熱田区沢下町8−18 労働会館第2ビル

発行責任者 榑松 佐一


地労委−知事は差別・変更行政やめ公正選任を

2日間の座り込みに150名が参加

 12月1日の地労委委員選任を前に、地労委民主化会議は10月30日・31日の両日、県庁前において座り込み行動を展開し、延べ150名が参加しました。

 この行動は、見崎徳弘(愛労連議長)、田中洋行(全港湾名古屋書記長)、そして愛知初の女性候補である小松民子(愛労連副議長・医労連)の3氏を推薦する地労委民主化会議が、「今度こそ公正選任を」と要求を強め、「一度、知事に直接会いたい」と申し入れてきましたが、県当局は「知事は日程が取れない」と逃げつづけたため、知事に抗議し要求するために行われたもの。行動では、2日間で7000枚のビラを配布し、座り込みをおこなって、官庁街の労働者・県民にアピールしました。

 31日には、「知事に代わって要請を受ける」という産業労働部理事らを相手に民主化会議の代表10人が、署名を提出して要請を行いました。理事を先頭に対応した労働部は、2,000団体を突破した団体署名や3万筆に迫った個人署名を受け取り、要請団の訴えを聞きました。要請団が候補者14人の男女比を質問したところ、労働部が答えず一時紛糾しましたが、翌11月1日に労働部から「申し訳なかった」と釈明があり「女性候補は小松さん一人」の事実が明らかになりました。愛労連婦人協など女性3団体が「男女共同参画をすすめるためにも女性委員を」の申し入れをしており、「情報公開」「男女共同参画」推進をうたう知事の真価がこうした面からも問われています。


リストラ・解雇ゆるすな!共同ひろげ国鉄闘争勝利へ

愛労連国鉄闘争委員会が学習決起集会

 10月31日、労働会館において愛労連国鉄闘争対策委員会主催による「リストラ解雇を許すな!今日のリストラ攻撃と国鉄闘争」と題する学習・決起集会が開かれ、103名が参加しました。

 この集会は、国鉄闘争14年の経過と到達、この闘いの今日的意義などについて学習し、愛知でいまたたかわわれている争議などとの共同の追求を広げるためにおこなわれたものです。

 愛高教の近藤・国鉄対策委員の司会進行で愛労連議長・見崎氏のあいさつから始まり、基調報告として、全労連副議長の熊谷金道氏が「国鉄闘争の現状とリストラ攻撃」をテーマに報告をおこないました。

 このあと休憩をはさんで、愛知国公議長・伊藤裕通氏より「公務員制度改革とのたたかい」の報告があり、労働基本権を抜きにしての制度改革は認められず、能力・実績主義賃金は公務員には馴染まないなどの報告と、国民のための行政実現へ、今後も闘っていくとの表明がありました。

 通信労組の大塚進氏は、「NTTの10万人首切はとんでもない」との内容で現状の報告とNTTが進めている中身についての説明があり、職場の受け止めと今後の闘い方についての可能性など報告されました。

 建交労南地域支部の山口委員長からは、「労働組合敵視とのたたかい」について報告があり、建交労愛知での7つの闘いの紹介と、その中での板山争議について、労働組合に対する攻撃のすさまじさとトラック労働者に対する法律の整備の必要性。ひとつひとつの争議を受け止め闘いと同時に国の政策を変える闘いの大切さなどが報告されました。

 その後、全体の質疑・討論では、愛知争議団の渡辺氏と建交労の谷藤氏から、四党合意後の全動労と国労の関係や四党合意の取り扱いでの国労に対する全労連対応などの質問が出されました。また、このことに対する熊谷全労連副議長の答弁と建交労の鉄道東海本部の植村氏より署名や物品販売、勝たせる会会員の拡大に協力をとの訴えがありました。

 その他の愛知での争議の紹介で、全国一般のサンファインで闘っている仲間より裁判の状況など紹介がありました。スミケイ運輪の林氏からは、地方労働委員会の闘いと連合労働者委員の不甲斐なさ・署名の協力要請などが話されました。丸八商運の恩田氏からは、11月3日の丸八京都本社行動の参加要請の訴えなどがありました。

 最後に、建交労愛知県本部委員長の日下氏より閉会のあいさつと団結ガンバロウで決起集会を終了しました。

 現状を反映して争議の拡大はあるものの、労働者にとって早期勝利解決はだれでも望むことであり、103名参加での集会成功が、今後の争議闘争に反映され共同の輪が大きく拡がることを願ってやみません。

愛労連国鉄闘争対策委員

木柑子春信

 

熊谷金道・全労連副議長の基調報告(抜粋)

 失業率5.3%がさらに悪化する現状において、人権侵害など何でもありの政府・財界だが、国内では大量のリストラ合理化を叫び、国外での工場建設などについて、これでいいのかと、相手側に矛盾も出ている。小泉政権としても消費の落ち込みなどに対する内需への政策・対策がみられない。

 国鉄闘争に対して、14年に渡る闘いの中で、99年には、参議院全会派一致で早期解決をとの合意がなされた。また今は、四党合意と言っているがこれまでこの闘いが長くなっている最大の原因は、第一に、政府の対応であり、二番目に国鉄の財産をすべて引き継いだJRの態度。三番目には、組合差別を認めながらも国会の大臣答弁があったから許されるという司法の態度である。

 この闘いを最初から考えたとき、国鉄の分割・民営化は、闘う労働組合をつぶすため国の政策で行なわれたものであり(中曽根元首相言明)、政府とJRに問題解決の責任がある。全労連に結集する総ての団体が共同し、国が自ら行なった不当労働行為などについて追求し、人権や団結権を擁護し闘う労働組合つぶしに対する攻撃に負けてはならない。

 国民世論を盛り上げるためにJRの安全無視、人命を無視したJR商法に対し、地域で闘いへの支持を広げるとともに、裁判闘争を重視し東京高裁判決の学習を行なうこと。また、高裁判決に対して中労委の意見は28条に反していると言っている。今回初めての証人採用の意義と今後に対して、署名を強めることである。国労の仲間たちとの共同で、悪政を変える闘い。勝たせる会の拡大で闘いの輪を拡げていくことは、相手に対して重要な意味をもっている。


【愛知争議団ニュースNO.17】

 

「住軽金9争議」合宿で人生豊かになったよ!

 10月27から28日、愛知県労働者研修センターで「住友軽の9争議勝利と人生を豊かにする」合宿が開催され、21名が参加しました。

 はじめに1年間のスウェーデン研究から帰った猿田正機教授から、「教育、医療、住宅もタダで、失業しても国が面倒を見るから何の心配もない。5時には一斉に電気が消え帰宅。バカンス休暇は最低3週間、170万円もあれば、夫婦で1年楽に暮らせる。争議なんて考えられない。労働者、国民が政治の実権を握り、民主化すれば生産力の高い日本は天国になることまちがいなしだ」とスウェーデンの現状が報告されました。

 愛高教・高橋信氏の、高校生の特徴とその現状を見すえたうえで「人間として自分の生きざまを示す」と、きっぱりとした決意に感動。

 住軽金から出向させられた女性労働者は、「いまは作業服を500着もクリーニングしており、不満が一杯だが、少しでも役立つ人生を自信をもって進みたい」と。

 争議勝利の意義、裁判などの争点は竹内平弁護士が解明。勝利への展望ではさすが渡辺三千夫氏、なるほどなるほどとうなづけた。

 十分消化できない点もあったが、全員の討論参加で内容を深める事ができ、争議勝利の確信と人生が豊かになった思いがした。

住軽金9争議支援愛知連絡会 土井照雄


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