NO.298

2002年2月27日


〒456−0006 名古屋市熱田区沢下町8−18 労働会館第2ビル

発行責任者 榑松 佐一


1兆円利益企業 トヨタは社会的責任をはたせ
トヨタ総行動に210人、トヨタシンポに125人

 トヨタ自動車ではたらく人たちに、サービス残業を根絶し春闘勝利に力を合わせようと呼びかける「トヨタ総行動」が2月11日、愛労連や同西三河ブロック、国民大運動西三河実行委員会によるトヨタ総行動実行委員会によってとりくまれ、「社員でも、社外交でも、法律違反のサービス残業は一掃しよう」と、210名を超える仲間が参加し、トヨタに働く労働者にエールを送りました。

 本社前でマイクを握った、愛労連の見崎徳弘議長は、「サービス残業をなくし、過労死の心配をしないで安心して働ける環境をつくることは大企業の社会的責任。トヨタ自動車はフランス工場では週35時間制と5週間のバカンス休暇を実施している。日本でも働くルールを確立し、雇用を増やし景気回復を実現しよう」と訴えました。 

 2月17日には、豊田市内の豊田勤労福祉会館で第19回トヨタシンポジウムが同実行委員会によって開かれ、労働者や市民など125名が参加しました。

 シンポジウムでは、東邦学園大学の森靖雄教授が「愛知県産業の現状と問題点」、日本共産党の八田ひろ子参議院議員が「トヨタグループの長時間・サービス残業問題での活動」、愛労連の見崎徳弘議長が「1兆円利益企業・トヨタの社会的責任」のテーマで報告・問題提起を行いました。

 会場発言では、「30%のコスト削減が出された200人規模の下請け企業で、手っ取り早い効果を出すために、正社員数十人を減らし、代わりに低賃金の外国人労働者を入れている」(トヨタ自動車労働者)、「トヨタは空前の利益なのに、市の法人市民税は1990年当時に比べると半減」(大村義則共産党市議)など、グローバル化、生産の海外移転で史上空前の1兆円利益を上げるトヨタの影で、サービス残業・長時間労働や下請け企業とその労働者を苦しめる過酷なコスト削減要求について深刻な発言が相次ぎました。


負けるもんか!リストラ、組合差別

蟹江町で30年ぶりのデモ、200が決起集会

 不況がいっそう深刻化するもとで、中小企業での不当解雇や労働争議が続発しているなか、海部・津島地方で争議をたたかう組合が総結集し、蟹江町の産業文化会館で2月10日、「リストラ・『合理化』反対、争議解決、2002春闘勝利2.10海部・津島総決起集会」を開催し200名を超える人たちが参加しました。この集会は、争議をたたかう全国一般、全港湾、全印総連、JMIU、建交労と愛労連、海部・津島労連が呼びかけて行われたものです。

 集会では、愛労連の小松民子副議長が「命さえも危ない事態に、もう黙っていられない。労働者が先頭に立って流れを変えよう」と挨拶しました。また、全港湾のダイコー(組合敵視の不当労働行為、解雇)、JMIUのユータック(団交拒否、組合員処分など)、全国一般の加藤楽器(リストラによる一方的な解雇)、全印総連のタケヤマ(有休取得を理由に懲戒解雇)、建交労の丸八商運(組合敵視の差別や配転)、同萱津運輸(組合結成に対し企業閉鎖、不当解雇)の6組合からは、「経営者の中に小泉内閣の『構造改革』に悪のりして、何をしてもいいんだというような風潮がある。こうした流れとも腰を据えてたたかおう」と、たたかいの報告と決意表明がされました。

 集会後、参加者は蟹江町では30年ぶりというデモ行進をおこない、町民に争議解決や地域経済の再建、春闘勝利を元気よくアピールしました。

 その後、2月22日には丸八商運が、2月27日には加藤楽器が解決をしています。


社会保障は第2の賃金!

医療・社会保障改悪ストップへ

本格的なとりくみをと学習会に60人

 愛労連は、2月23日の土曜日に名古屋市熱田区の労働会館において、中央大学の工藤恒夫教授を迎えての社会保障学習会を開催しました。学習会には、各組合から60人が参加しました。

 講演で工藤教授は、社会保障の成り立ちの話から、21世紀にむけた社会保障のあり方、また諸外国の社会保障との比較をしながら、リスク、階層ごとの分離・分断など現在の日本の社会保障制度の問題点を浮き彫りにし、労働者が賃金と同等のもの(権利)として社会保障の充実をたたかうことの必然性を訴えました。


【愛知争議団ニュースNO.19】

住軽金9争議…東京へ53名

勝利を切り開く、山場行動大成功

 全労連第12回争議全国総行動が2月15日に行われ、愛知から53名が参加しました。住軽金9争議支援愛知連絡会議は東京争議団の一員として朝8時からの品川駅での宣伝を皮切りに、全日空、住友生命、国土交通省、明治乳業、日本出版の要請行動に参加しました。

 前日から夜行バスで参加した仲間たちは品川駅に降り立ち、不況の中、巨大ビルが10本以上も同時建設される現場に圧倒されながら黄色いゼッケンをつけ宣伝を行いました。築地市場の蒲焼きの臭いに吹かれながら住友生命本社へ。新幹線で上京した仲間たちとも合流し、50人の黄色いゼッケンをつけた一行は電車に乗り霞ヶ関へ、官庁街、新橋を練り歩き住軽金本社前では50本のノボリも加わりカラフルに舞いました。

 本社前の集会には、地元支援者も含め200名を超し、連帯あいさつには全労連、東京労連、東京港区労連、東京争議団、そして忙しい中、共産党の八田参議院議員が駆けつけてくれました。

 要請団30名を受け入れた住軽金は、「今は法廷での和解の話し合いを誠意を持って進める」と回答。私たちの主張である自主交渉で9争議を解決するテーブルを設けることについては、現時点では拒否しましたが、今回の要請を受け検討することを約束しました。
 新幹線組はさらに、明治乳業、日本出版への要請行動に参加。大変だと思っていた夜行バスでの上京も、任務分担、自覚的規制、そして全員の元気で疲れを吹き飛ばし、帰りのバスの中の、それぞれの職場からのとても良い話しに、「いい仕事ができた」と満足感を持って名古屋に無事帰ることができました。

(住軽金9争議支援連絡会議 土井照雄)


明乳事件で中労委が不当命令

引き続き、みなさんのご支援を!

 明治乳業の「労働組合活動を理由とする賃金・昇格差別の是正」を求めて、再審査の申し立てをおこなってきましたが、中央労働委員会は2月4日、救済申立てを全て却下ないし棄却するという不当命令を出しました。この命令は6年前の都労委不当命令を追認どころか、試験や職分制度について会社の意見のみを受け入れて一層補強したものです。

 この事件の最大の争点は都労委が見ようとしなかった「不当労働行為の認定」にあリました。過去30数年にわたる差別・排除の労務政策と労働組合への支配介入はまぎれもない不当労働行為であり、その『認定』を求めて明白な証拠を積み上げてきたにもかかわらず、またもや葬り去ったのです。中労委が不当な判断をしようとも、明治乳業の職場のなかに労働者差別があったことは隠しようのない事実です。この不当命令に厳しく抗議すること、現在でもこの行為が継続されている明治乳業に対し、不当労働行為を直ちにやめること、全面解決交渉のためのテーブルにつくことなど、さらに強く求めていく決意です。

(明治乳業争議団愛知・野村 茂)


←INDEXに戻る
←TOPに戻る