NO.308

2003年1月27日


〒456−0006 名古屋市熱田区沢下町8−18 労働会館第2ビル

発行責任者 榑松 佐一


トヨタは社会的責任はたせとトヨタ総行動

「ベアゼロなんておかしい」

 トヨタ自動車に世界的大企業としての社会的責任を果たさせ春闘要求の実現をめざし、働く仲間を激励する「トヨタ総行動」が1月13日、豊田市のトヨタ本社前や本社工場、高岡工場、堤工場の各門前などで繰り広げられました。 

 愛労連や同西三河ブロック、国民大運動西三河実行委員会による実行委員会の主催で、トヨタ労働者などを含め、のべ200余人が参加しました。

 本社前では、午前7時30分から、「2年連続で1兆円のボロもうけ。それでも賃上げゼロ?」「これっておかしくないですか」と書いたビラを出勤してきたトヨタ労働者に手渡しました。

 トヨタでは、奥田碩会長が昨年末、「来春もベアなし」を打ち出し、トヨタ労組執行部も1月7日、「ベア要求見送り」の方針を固めていますが、これには連合の笹森清会長も1月8日に「きわめて残念。(成果配分を)別枠で要求できるのならば、ベースアップとしての要求に踏み込むべきでなかったか」と会見で発言しています。

 トヨタは昨年、日本企業としては始めて1兆円を超す利益を上げ、今期は5割り増しの1兆5000億円程度に達する見通しとされています。

 「クラウン」の生産台数が大幅に減った元町工場で働く若月忠夫さん(55)は「ラインでは、昨年5月から「一直」になって平均6〜7万円もの減収。6〜7万といえば、マイホームのローンの返済月額だ。1月9日に労組の職場会が開かれたが、なぜベア無しか、その根拠についてまったく説明は無かった。手当が無くても十分暮らせる賃金が必要だ」といいます。


あまりにお粗末な災害訓練

陸海自衛隊と愛知県が赤羽根で揚陸訓練

消防車や県警の車両を積んで上陸するLCAC(エルキャック)

 すさまじい爆音と水煙を上げて海上自衛隊のホバークラフト型揚陸艇(LCAC:エルキャック)が1月20日午後、赤羽根町の海岸で自衛隊や消防、救急、警察などの車両を陸揚げする揚陸訓練を行いました。

 1月17日、名古屋港のガーデン埠頭に接岸した海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」(8,900d)はヘリ空母とも言われるもの。土日にかけて同港で一般公開をし、20日午前9時に名古屋市守山区に司令部を置く陸上自衛隊第10師団の車両3台や愛知県警のオフロード車両2台、名古屋市消防局の消防車2台と救急車1台の計8台を積み込んで出向しました。正午すぎ、赤羽根海岸沖約3qに到着した「おおすみ」の艦体後部より揚陸艇のLCAC2艇が名古屋港から運んできた車両を積載し15分ほどで浜辺へ直接上陸し車両を降ろしました。しかし自衛隊を除く5台の車両の内、県警のオフロード車両1台と消防車2台の3台が砂に足を取られ動けなくなり、陸自の隊員や車両に救出される始末。見学に来ていた地元住民も「救助に来たのに、救助されている」と口にしていました。

 今回の訓練は陸海の自衛隊と愛知県、名古屋市が1月17日から震災訓練の一環として行なったものですが、砂浜で車両が動けなくなるような事態は自衛隊にはあり得ず、「自衛隊主導のもとで県や名古屋市が独自の調査や準備もせずに、「おまかせ」参加した訓練ではないか」「災害訓練なのに内容や計画が公表されなかった」との声も出されています。

 1月28日から30日にかけては第10師団が300人を動員して「震災対策」の図上演習を行うとしていますが、災害時に指揮をとるべき愛知県はオブザーバー参加。ここにも自衛隊の不穏な動きが伺えます。

名古屋港で一般公開された「おおすみ」

陸上自衛隊の隊員に押される県警のオフロード車両


【愛知争議団ニュースNO.27】

ご支援ありがとうございました

建交労萱津運輸争議が勝利和解

 昨年の12月18日、名古屋地方裁判所において和解が結ばれました。この闘争の発端は、強制的なサービス残業、1時間あたりの残業代が県の定める最低賃金に満たないという不法な状態を改めたいとの思いから始まりました。

 糾梺テ運輸は、海部郡甚目寺町に工場を持つ、生コン製造業の樺J建材(本社中村区)の専属輸送会社。社長も同じで同社の輸送部門でした。

 社長に面会し、就業規則の閲覧を申し込んでも、賃金は正しく支払っていると譲りません。そこで、労働基準監督署へ申告し、有志で労働組合を結成したのです。それを察知した社長は急遽、会社を廃業すると発表、2001年4月に全員解雇しながら、別会社を装い新会社を設立、非組合員全員を雇用し、営業を続行したのです。

 私たちは名古屋地裁に提訴し、広範な支援を求め職場復帰運動を開始しました。2001年9月に、一宮地区労連を中心とした支援共闘会議が結成され、支援の輪はいっそう広がり今回の解決の基礎となりました。

 労働運動の「いろは」も知らない私たちが、和解を勝ち取れたのは、多くの仲間のご支援のたまものです。職場復帰にはなりませんでしたが、一定の成果を得、人生の次の一歩を踏み出せることに満足しています。私たちのたたかいが、今の曲がった社会風潮を押しとどめる一石となることを祈念し、以後は現在の争議団のみなさまとの連帯に微力を尽くしたいと思っています。1年8ヶ月のたたかいを、ここに終結いたします。本当にありがとうございました。

(建交労萱津運輸分会 長谷川親司)


労働争議・裁判早期解決えん罪なくし人権を守ろう

2003年新春の集い

 1月11日、2003年新春の集いが争議団、国民救援会、自由法曹団合同で開催されました。

 国民救援会の安藤巌会長は、新春の集いの会場と参加者の顔ぶれを見て「こんなに明るい会場で、大勢が集まって、嬉しいなあ!」「争議を勝利して、楽しい気持ちで迎えた人。闘いを継続している人達も一緒に、飲んで景気をつけよう」と安藤節で開会の挨拶。

 つづいて、愛知争議団の黒島英和議長から一年の闘いを振り返って、「11月の総会以降、名古屋地裁で昭窯、萱津争議の勝利和解、地労委で二葉、日の出衛生支部は団交ルールを確立して和解成立、いい年を迎えています」「地域労連を軸に、職場・地域から争議団を激励して、共同の闘いで勝利を勝ち取ってきていることが特徴です」と報告。そして、すべての争議の一日も早い解決を求めて、奮闘する決意を表明しました。

 救援美術展のとりくみから、100万円を超える激励資金が、各争議団・えん罪支援組織に渡されました。最高の激励を受け、争議団・職場のうたごえの仲間と肩を組んで歌い、美味いものを食べ酒を酌み交わしました。

(愛知争議団事務局長 勅使河原勇)

  PDFバージョン(1190KB)

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