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NO.313 |
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2003年6月30日 |
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〒456−0006 名古屋市熱田区沢下町8−18 労働会館第2ビル |
発行責任者 榑松 佐一 |
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国際世論を受けとめ、政府は民主的公務員制度を実現せよ | |||
「公務員制度改革」でILOが日本政府に |
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ILO(国際労働機構)理事会は6月20日、全労連と連合が提訴していた日本の「公務員制度改革」に関わる案件(2183号、2177号)に対して「公務員の基本的権利に対する現行の制約を維持するという、その言明した意図を再考するようあらためて強く要請する」としたILO結社の自由委員会の「報告・勧告」を採択しました。 全労連は「昨年11月のILO勧告に引き続き、道理ある主張が国際舞台において全面的に認められたことは高く評価する」としています。 「勧告」の内容は、日本政府に対し現在すすめられている「公務員制度改革」を見直し、結社の自由原則に則って公務員にストライキ権を付与することなどについて、労働組合との全面的な協議にもとづく「合意」を求めています。 これらは、全労連が「歴史的・画期的」と評価してきた昨年11月のILO勧告の立場をつらぬき、あらためて日本政府がすすめる「改革」の内容とすすめ方を全面的に批判したものです。政府は、ふたたび示されたILOの判断を真摯に受けとめ、労働基本権の確立をはじめ国際労働基準にもとづく公務員制度の実現に努力すべきです。 一方、昨年のILO勧告を「承服しがたい」としてきた日本政府は、国会が延長されるもとで、いまだに「公務員制度改革」関連法案の国会提出をねらっています。 この間、政府は、「追加情報」を提出してまで、ILOに「理解」を求めてきましたが、結局は、日本政府の主張が、国際的な常識に照らし合わせて、到底受け容れられるものではないことを繰り返して明らかにするところとなりました。国際世論に挑戦する日本政府の恥ずべき態度こそあらためられるべきであり、その出発点として、「公務員制度改革大綱」を撤回し、改革にむけた作業を白紙からやり直すべきです。 今回の報告の中でも指摘されていますが、民主的な公務員制度を確立していくうえで、「全面的で率直かつ意味のある協議」の実現は不可欠となっています。そのことから、全労連は、ILO勧告にそった公務員制度改革にむけて、担当大臣をふくめた協議の場が実現するよう政府に繰り返し要求することとしています。 また全労連は、2度のILO勧告の意義を深く受けとめ、国民犠牲の「公務員制度改革」を許さない世論と運動をひろげつつ、労働基本権回復など「働くルール」確立をはじめ、「天下り」禁止や政官財癒着の根絶など、国民の願う公務員制度の実現に全力をあげるとしています。 |
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「一歩でも二歩でも」と平和への思いを込め | |||
共同を定着させたあいち平和行進 |
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5月31日に静岡県より引き継ぎ、6月11日に岐阜県へ引き継ぐまでの12日間にわたってとりくまれたあいち平和行進は、32コースでとりくまれ、延べ350qの行進に昨年を上回る6070人が参加しました。 県内では愛労連などの参加する国民平和大行進実行委員会と生協などが中心の市民平和行進実行委員会が共同の連絡会をつくり、あいち平和行進として名称やスローガンを統一した行進は、県下各地での努力のもと愛知県的な共同がはかられてきました。 有事3法制が6月6日に参議院で可決・成立するという事態の中での行進は、「一歩でも二歩でも」と平和への思いを込めるものとなりました。6月1日以降は「守ろう憲法、有事法制NO」の決議をコースごとに行進団として確認し、小泉首相に送り続けてきました。また、若者を先頭にした沿道募金隊は炎天下の中でも大奮闘し、数千人規模の県民と対話し2760筆の署名と398,434円の募金が寄せられ、核兵器なくせの世論を草の根から起こすという点で大きな役割を果たしました。
自治体への要請では、平和を望む声が圧倒的であり、中には「有事法制には反対」(大口町長、同議長)や「平和があちこちで崩されている。自治体としても問題提起をしていきたい」(木曽川町長)などの発言も寄せられた。また、津島市長・議長、佐織町長・議長、稲沢市長・議長など4自治体7名の自治体関係者が昨年に引き続いて行進に参加しました。 日々の行進を盛り上げ支えてきた県内通し行進者は年金者組合、民商、うたごえ、平和委員会、高校生平和ゼミOB、原水協事務局、めいきん生協から19名となりました。 若者らが企画準備を進めたピースアクション2003は、直前までイラク取材をしていたフォトジャーナリストの久保田弘信氏を招き、イラクの深刻な実態が語られました。 |
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愛知争議団ニュースNO.31 |
全港湾ダイコー千葉裁判/全面勝利の地裁判決を勝ちとる |
会社は話し合いに応じず控訴 |
「同僚の胸ぐらをつかんだ」些細なトラブルを全港湾つぶしに利用され不当解雇。裁判で争っていた全港湾ダイコー千葉裁判の判決が5月30日、名古屋地方裁判所で行われました。 全港湾中央本部の代表、愛労連の見崎議長をはじめとして38団体、150名を超える傍聴参加者が固唾を飲んで見つめる大法廷で橋本裁判長が主文を読み上げました。「原告が被告ダイコーに対し雇用契約上の権利を有することを確認する」。2ヶ月前、住軽金鈴木強制出向裁判で、わずか数秒で「原告の請求を棄却する」と読み上げ、逃げるように法廷を出て行った同じ裁判長が、この日はゆったりと判決文を読み上げていたような気がしました。 今回の判決は、千葉さんの雇用の権利と賃金の支払いを認めるとともに胸ぐらをつかんだトラブルに対しても、相手の主張を「あいまいで信用できない」「ケガも客観的事実は認められない」として全面的に退けています。千葉さんの職場復帰をめざし会社に対応を求めていますが、争議を解決していく姿勢はなく、6月16日に控訴をしてきました。 全港湾は、このような会社の姿勢について抗議するとともに、今回の勝利判決を土台に早期の職場復帰を勝ちとるため全力をあげたたたかいます。 今後とも愛労連をはじめ、県下、地域のみなさんのご支援、ご協力をよろしくお願いします。 (全港湾名古屋支部 書記長 田中洋行) |
第13回裁判勝利をめざす全国交流集会に参加して |
全国交流集会は全労連・自由法曹団・日本国民救援会の主催で、6月8日(日)〜9日(月)まで、熱海市大月ホテルで行われました。 全体集会では、和解勝利をした芝信従組のたたかいや、逆転無罪を勝ちとった西武新宿線事件の報告がされました。続いて秋山賢三氏の記念講演が行われました。同氏は元裁判官として「裁判官はどこで有罪・無罪の心証を得るのか」というテーマで、実例を引き、講演されました。その中で特に印象に残ったのは「誰にも納得できる事実の提出が裁判官を動かす」ということです。そのためには事実の丹念な調査が大切であるとし、第一審の事実認定に全エネルギーを注ぐ重要性を強調されました。また一方で、裁判官は訴える側と訴えられる側の人間性のレベルを見つめているとも述べられました。 分科会には、第三分科会の「リストラ合理化、企業閉鎖、倒産・解雇」に出席しました。今村弁護士からNTT事件を中心にリストラの特徴と核心について、たたかいの方向についての講演に続いて各争議団から、争議の現状が各々報告されました。分科会での印象は、資本が大変凶暴になっていること。またリストラの特徴的手法は企業形態を変えたり、企業閉鎖等の形を取りながら解雇や賃金カット等の不利益変更を行うという脱法的行為が横行していることでした。 (NTTリストラ裁判原告 紙尾清春) |
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