NO.314

2003年7月31日


〒456−0006 名古屋市熱田区沢下町8−18 労働会館第2ビル

発行責任者 榑松 佐一


小泉悪政を許さない共同の広がり確信に

秋闘で国政転換と力強いたたかい構築しよう

最後まで奮闘したイラク派兵反対のとりくみ

世界をつつんだイラク攻撃NOのうねり

 第156通常国会が190日の会期を終え、7月28日に閉会しました。

 今国会では、深刻化する経済のたてなおし、そして平和的国際秩序づくりが喫緊な課題となっていました。しかし、小泉内閣は「構造改革」の名による医療費3割負担をはじめとする4兆円もの新たな国民負担増をはじめリストラ支援の「産業再生二法」、労働法制の改悪、有事関連3法やイラク派兵法、個人情報保護法など国民のくらしやいのち、国の未来に関わる悪法を次々と成立させました。

 こうした政府の悪法推進の暴挙に対して、愛労連は、広範な国民諸階層と共同・連帯し、国会請願行動や座り込み行動、集会、署名・宣伝行動など多様な運動を各地でまきおこしてきました。これら国会内外における国民的運動と社会世論の高まりによって、労働基準法に「解雇は・・・・無効である」ことを明記させるという成果を共同の力で勝ちとることもできました。

 さらに国内外での、史上空前の「戦争反対」のうねりは、戦争推進勢力の矛盾を露呈し、世論の力でイラク派兵法成立を会期末ぎりぎりまでに追い込みました。
 また、ILOの再勧告や「全労連全国キャラバン」など国内外の世論と運動の積み重ねによって、「公務員制度改革」関連法案や教育基本法改悪案の今国会提出を断念させるなど、今後のたたかいにつながる貴重な成果を勝ちとってきました。

 愛労連では、今国会でのたたかいの教訓をふまえ、この間築いてきたあらゆる共同のうねりを秋闘で「国政転換・要求実現!全国47都道府県100万人集会」などに結実させ、その成功にむけて全力をあげると同時に、改悪された労働法制を職場に持ち込ませないとりくみや、有事法制とイラク派兵法の発動、国民保護法制をはじめとする戦時国家体制づくり、改憲への動きを許さないたたかいをさらに強化していくこととしています。また解散・総選挙必至の情勢のもとで、2年余におよぶ「小泉構造改革」に国民の審判を下し、国民諸要求の実現と国政転換にむけて奮闘することを呼びかけています。


賃下げ「悪魔のサイクル」断ち切ろう

マイナス人勧阻止へ官民総ぐるみで座り込み

 毎年8月に出される人事院勧告を前に、愛労連や愛知公務共闘、東海ブロック国公、三の丸地区国公の4団体は7月15日から16日にかけて「2年連続のマイナス人勧は許さない」と人事院中部事務局のある第2合同庁舎東玄関前で「人事院中部事務局包囲行動」を展開。2日間の座り込みに公務員組合だけでなく民間組合からも多数参加し、220名以上が座り込みました。

 両日ともに座り込み行動の前には三の丸一帯での早朝宣伝行動を行い、16日の昼には名城東小公園でマイナス人勧阻止7.16決起集会を開き500名を超える仲間が参加しました。集会後のデモ行進では人事院中部事務局を囲みシュプレヒコールで包囲しました。また、座り込み行動を背景に15日には国公北陸地協や東海ブロック国公が人事院中部事務局と交渉を実施。16日には、公務だけでなく民間労組の参加者らも同事務局への要請行動を展開しました。

 毎年8月に出される人事院勧告は国家公務員だけでなく、地方公務員や農協、福祉関係の労働者など750万人に直接影響が出ます。さらに昨年人事院がはじめて行ったマイナス勧告は民間労働者の賃金にも悪影響を与え、今年の春闘ではベアゼロや賃下げに拍車をかけました。こうしたもとで、今年のマイナス勧告阻止へのとりくみにはこれまでを上回る民間労組からの連帯参加がひろがりました。座り込み行動に参加した民間労組からは「今春闘で賃下げは労働条件の切り下げであり労働基準法では認められていないと抗議したら、経営側から『国や自治体がやっている以上我々だってやれるはずだ』といわれた。私たち民間労働者もマイナス勧告という違法行為を許さないために参加しました。ともに頑張りましょう」とエールが寄せられました。

 今回の行動に先立って7月1日からとりくまれた商工会議所や商店街振興会との懇談では、「公務員だけでなく働く人の給与が下がるのは大きな痛手。企業は不況の中でコストダウンを避けられず人件費を削っているが、それがさらにデフレ不況を加速させている。小泉内閣は構造改革よりもデフレ不況対策をとるべき」「物を買ってもらえなければ話しにならない」などの声が寄せられています。


愛知争議団ニュースNO.32
愛労連定期大会で争議団に力強い激励

すべての争議解決に向け奮闘しよう

 7月13日、名古屋市国際会議場で開催された、愛労連第29回定期大会において、愛知争議団に結集する各争議団は労働者・労働組合の生活と権利を守るため、その最前線でたたかっている争議団として紹介され、激励を受けると共に愛労連から争議支援カンパが渡されました。争議団にとっては、何にも勝る、激励になりました。

 「国鉄・NTT闘争はじめ、すべての争議の早期解決をめざす決議」では、この1年間で解決した争議は、建交労・昭窯分会、同萱津運輸分会。JMIU・ミサワセラミックス分会、同シバニ自動車分会。全国一般・日の出衛生支部、同二葉分会。金丸争議の7争議が解決と紹介されました。しかし、その一方でNTT11万人リストラでの異職種・広域配転に対して名古屋地裁に5人を含め全国49人が提訴したNTT闘争、地裁の勝利判決もかたくなに拒否、あくまで職場に戻さないと居直るダイコー、住軽金の強制出向を容認する不当判決、突然の自己破産・全員解雇を押しつける鍛冶新鉄工など、新たに発生した争議を含め、組織内外で36件の争議がたたかわれています。また国鉄の分割・民営化から17年、「国家的不当行為は許さない」「JR・政府の責任で1047名の一括解決を」と要求を掲げる国鉄闘争も粘り強くたたかわれています。

 愛知の争議団は、決議の採択を受け、一日も早い争議解決に向け、奮闘する決意をかためあいました。

(愛知争議団 事務局長 勅使河原勇)

建交労板山運送や全国一般日の出衛生保繕で勝利判決

事件の中身を知らせ運動をひろげよう

 愛労連や愛知争議団は名古屋地裁監視や裁判交流で申立労働者や労働組合のたたかいを支援し、勝利させる活動にとりくんできました。この一連の運動は成果があらわれつつあり、全国一般日本オリーブの服部さん(2/5)の勝利判決に続き、建交労名古屋市場運輸の鶴田さん(4/11)、全港湾ダイコー運輸の千葉さん(5/30)、建交労板山運送(7/11)、全国一般日の出衛生保繕の長戸さん(7/18)などの勝利判決を勝ちとっています。しかし一方では、全印総連タケヤマの伊藤さん、全国一般サンファイン、住友軽金属強制出向の鈴木さんなどの敗訴もあり、手放しで喜べない状況もあります。今後さらに争議団、弁護団の連携と労働組合との運動を強化していく必要があります。

 愛知争議団はこの間、「最近の名古屋地裁裁判官の言動や判決は変だぞ」と問題意識を持って労働組合や弁護団に意見を求め働きかけてきました。3月から4月にかけ争議団の仲間とともに宣伝行動を3週連続でとりくみ、約100名の仲間が1万枚のビラを配布し、宣伝カーを2台配置して監視を強め傍聴も相互支援しあってきました。

 今後はこうしたとりくみと同時に、事件の具体的な事例もあげて運動を拡げていくことが重要となっています。

(愛知争議団 議長 黒島 英和)


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