労働者・国民の生活が戦後最悪の状態に追い込まれ、これに対する怒りと要求が渦巻いているもとで2000年国民春闘がはじまった。
いま、中小企業と労働者を犠牲にする、大企業のリストラ・人減らしの嵐が吹き荒れている。賃金・労働条件の引き下げも急速に広まろうとしている。一方では、長時間・過密労働、サービス残業が横行している。政府は、こうしたリストラを支援する、「産業再生法」などの悪法を次々と成立させてきた。
その結果失業者は300万人台、愛知県では16万人台の戦後最悪の水準で、しかも世帯主に失業の波が大きく押し寄せ、失業期間も長引いている。
長引く賃金抑制によって、多重債務や個人破産、さらには経済苦を理由にした自殺者が激増し、労働者・国民の生活はもう限界に近くなっている。
さらに、中小企業と農業の切り捨て、年金や医療・福祉、雇用保険制度の改悪攻撃など、自自公政権の「暴走」によって、国民の将来不安はつのるばかりである。
愛知県では、補助金カットや職員の定員・賃金削減をすすめながら、万博や空港などは「何が何でも間違いなく前進」させようとしている。とりわけ、万博はBIE(博覧会国際事務局)から新住宅事業などの環境破壊問題を指摘され、大問題となっている。
一方で主要大企業430社だけで、この1年間で内部留保を3兆7000億円も積み増し、その総額98兆円と過去最高に達している。県内の主要企業157社でも、内部留保の総額は13兆5192億円となっている。
こうした大企業の横暴と自自公政権の悪政にたいする、労働者・国民の側からの反撃がはじまっている。日産リストラに対して、職場からの反撃と「操業継続を」の声が市議会をふくめて広がり、セガや日本NCRなどでは人権侵害に対するたたかいが前進している。「大企業の横暴を許すな」「まともな仕事と生活を」「補助金カット反対、万博・空港こそ見直せ」との声と運動が高まり、まじめに働いている人が報われるまともな政治を求める国民の声が広がっている。
今年は、21世紀を前に、この国のあり方を問う総選挙がおこなわれ、日経連もこの春闘を「日本経済社会の行方を左右する重要な交渉」と位置付けている。2000年国民春闘は、雇用確保、大幅賃上げ、賃金の底上げなど労働者の実態と切実な要求にもとづく課題とともに、日本の政治・経済のひずみを正すたたかいであり、チャンスでもある。
愛知県でも、万博の是非を問う「県民投票条例制定」めざすとりくみを成功させ、県政の流れを変えるチャンスである。
賃下げ・リストラをはねかえし、大幅賃上げ、解雇規制・労働者保護法の制定、介護・年金など社会保障の拡充、行革・規制緩和反対、有事立法・憲法改悪阻止など共通課題の実現、国会解散・総選挙を求めて、すべての労働者・国民との共同をすすめよう。当面する「日本列島・2.25怒りの総行動」を成功させ、2000年国民春闘勝利にむけて全力でたたかい抜こう。
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