愛労連はこの一年間、広範な労働者・労働組合との「総対話」をすすめ、労働者・県民の切実な要求での共同行動の拡大を追求してきた。そして大会での討議を通じて、労働者・労働組合の大同団結の発展が可能な情勢を迎えていること、その中で愛労連が果たす役割がますます重要になっていることを確認した。
政府の悪政と大企業の横暴のもと、労働者の実質賃金は96年8月から減少しつづけ、衣食住さえ切り詰めざるお得ない生活を強いられている。とりわけ失業者の増大は深刻で、319万を超え、若年層と中高年の失業が増大している。また、自殺者が3万2800人となり、中小企業の倒産も最悪となるなど労働者・国民を苦しみにおとしいれている。
国会では、憲法九条を投げ捨てる戦争法や、侵略戦争のシンボルだった「日の丸・君が代」の法制化、憲法で保障された「通信の秘密」を犯す盗聴法、憲法改悪に道を開く憲法調査会設置法など、多くの国民が反対、慎重審議の声を上げた悪法が、自自公による数の暴力でつぎつぎに強行成立させられた。
愛知でも、県は大企業奉仕の大型開発事業が招いた深刻な財政破綻を、職員の賃金・定員切り下げ、私学助成の切り下げ、暮らし・福祉の補助金カットなど県民への犠牲で乗りきる一方で、万博・新空港については、あくまで強行姿勢を崩していない。
しかし、これらの攻撃は、労働者・国民との矛盾を深めずにおかない。この1年、陸・海・空・港湾労働者と宗教者との呼びかけで戦争法反対の5・21集会、すべての労働組合が事実上共同した労働者派遣法の反対闘争、盗聴法反対での全野党・労働団体の共同集会など、自自公の悪政に反対し一致する要求での国民的な大きな共同がかってなく広がった。名古屋でも藤前干潟の運動がかってなく広がり、埋め立てを断念させた。県知事選挙では、「革新県政の会」と市民グループとが歴史的な共同を成立させ、影山候補が大健闘した。
4月の一斉地方選挙での自民党の退潮、共産党の躍進は、こうした労働者・国民の要求を反映した結果である。
情勢はたたかってこそ切り開かれる。そして「共同」の条件はますます大きくなっている。
大会では、すべての労働者を視野にいれて賃金闘争と国民春闘の前進をかち取るために、大幅賃上げと賃金の底上げ闘争を一層強化することをはじめ、秋年末闘争では、雇用・失業闘争、公的介護保障の充実・年金改悪反対、戦争法発動阻止、県政の民主的転換の4つの緊急課題の取り組みを確認した。
愛労連結成10年の運動の成果と前進を確信に、すべての労働者・国民との対話と共同をいっそう広げ、職場や地域から暮しと雇用を守り、憲法擁護、政治の転換を実現する運動に全力を尽くそう。
これらの推進力として、1日も早く10万人愛労連を建設し、21世紀にむけて希望に輝く未来への前進を切り開こう。