長引く不況の中、出口はなかなか見えてきません。民間調査会社の調査によると、2000年度上半期(4−9月)の全国企業倒産は、負債総額が10兆9137億5900万円と、半期としては初めて10兆円を超し、戦後最悪の記録となりました。
そんな中、学生・青年労働者は就職難やリストラ・賃金抑制に苦しんでいます。愛高教の高校生就職実態調査によると、高校生の就職状況は、昨年度に比べて求人数で15%減、求人事業数で25%減と昨年以上に厳しいものとなっています。
青年労働者の雇用状況も深刻で、15〜24歳の完全失業率は9.4%に達しており、他の年齢層と比べて突出した高さです。また、初任給の凍結・抑制も顕著で、今年の初任給の凍結は、昨年度を上回って、史上最高の65%に達し、初任給をさらに引き下げる企業も増えています。
しかし、森自公保政権はこうした青年労働者の状況をかえりみることなく、大企業重視の政治をとり続けています。10月19日、政府は「経済対策」を決定しましたが、その実態は、道路や空港など従来型の公共事業の大盤振る舞いです。加えて、支給額を大幅にカットした年金法の改悪に加え、お年寄りに定率負担を強いる医療法改悪や消費税増税などをもくろんでいます。
私たちに犠牲を強いる政治は愛知県も同様です。県財政の危機が大型公共事業を乱発した県政によってもたらされたにもかかわらず、こうした県政のあり方を反省しようとはせず、県職員の賃金カット、人員削減、福祉関係の補助金カットなどで乗り切ろうとしています。
こうした状況のもと、青年労働者の意識が変化してきています。京都府が実施した「青少年の意識と行動等に関する調査」では「自分自身のことだけではなく、社会のためにも役立つことをしたい」と答えた人が60.4%に達し、「最も大切なことは、自分自身のことを最優先に考える」を20ポイント以上上回りました。青年労働者の中に、「社会を変えていかなくては」という思いが強まっている証拠です。
しかし、1人で「社会を変えていく」ということは容易ではありません。「社会を変えていく」ためにはお互いを支え合い、技量を高め合うための仲間が必要です。愛労連青年協では、交流と同時に学習を重視した仲間づくりのとりくみを大切にしていますが、今後、こうした仲間づくりのとりくみとともに、積極的な対話による青年労働者の要求の掘り起こしと要求にもとづいた運動を活発にしていく必要があります。
まもなく21世紀を迎えますが、新しい時代の社会を青年労働者が安心してが働くことができるものにするためには、「交流と学習」「対話と共同」の視点に立って、各単産・単組の青年部が元気に活動することが必要不可欠です。強大な愛労連をつくるべく、ともにがんばりましょう。