<談話>
第19回参議院選挙の結果について

2001年8月8日

愛知県労働組合総連合

議 長  見崎 徳弘

   

 

1.21世紀初の国政選挙・第19回参院選は7月29日投票でおこなわれたが、小泉旋風のもとで自民党が得票を大きくのばし、改選議席を3上回る64議席を獲得、公明13(±0)・保守1(−2)議席を加えると、与党3党で78/121議席を獲得した。3年前の参院選では自民46、公明11、保守4、民主33、共産15、社民5、自由2、その他10で、与党3党は61/126議席にとどまったが、今回、小泉の風は強かった。この結果、参院247議席中、与党3党は139(自民110、公明24、保守5)議席を確保し、過半数はもとより、安定多数の129議席を10議席も上回る勢力となった(他は、民主59、共産20、社 民8、自由8、その他13)。

 しかし今回の選挙結果は小泉・連立内閣への国民の全権委任ではない。「小泉旋風」は、経済、くらし・雇用、福祉・教育、外交など、あらゆる分野で閉塞状況が目立つこの国の現状への不満、「長びく不況を打開しくらしを守りたい」「国民犠牲の自民党政治をかえたい」とする国民の願いの現れであって、切実で深刻な国民要求と小泉流「改革」との根本的矛盾はいささかも変わっていない。選挙終盤になって内閣支持率が下がりはじめ、投票率も史上3位の低率=56.44%にとどまったのは、国民に「痛み」を強いる小泉「改革」の中身が見えてくるにつれて有権者が疑問も持ちはじめた結果でもある。

 

2.こんどの参院選で愛労連は、(1)リストラ・解雇を規制し「働くルール」確立を。(2)消費税を3%に戻し、個人消費を活発にして景気回復を。(3)連続改悪をやめ、安心できる社会保障を。税金の使い道を変えよう。(4)憲法9条改悪阻止、平和と安全・民主主義擁護を。の4大要求をかかげ、自民党政治に厳しい国民的審判をくだすため、「職場・地域から要求にもとづく政治論議を活発に起こし、投票日はこぞって投票に行こう」と呼びかけてたたかった。

 結果は厳しいものとなったが、強い旋風のもとで、小泉「改革」の危険性を暴露しつつ、労働者・国民の切実な要求をめざして奮闘したすべての仲間に心からの敬意を表したい。

 

3.選挙を終えた今、小泉首相は「不良債権処理」を柱とする“骨太の方針”で、長びく不況にあえぐ労働者・中小企業にいちだんと過酷なリストラ・雇用破壊と中小企業つぶし=大倒産・大失業を押しつけ、社会保障をさらに改悪し、果ては消費税大増税まで強行しようともくろんでいる。また、アメリカ一辺倒の外交姿勢をあからさまにし、“集団的自衛権”行使と憲法9条改悪をねらい、靖国神社参拝や歴史教科書歪曲問題なども含めて、この国の平和と安全・憲法をないがしろにする危険な国づくりをめざしている。こうした小泉「改革」が強行されれば、期待を裏切られた国民の大反撃は必至だが、その前に、暮らしと経済、福祉、平和・安全を大きく脅かすこの「改革」は断じて許すわけにはいかない。その意味で、この夏から秋にむけたたたかいと運動の前進はますます重大になっている。

 われわれ愛労連はこの秋、危険な小泉流「改革」に断固として反対し、他労組・団体ともひろく共同して、参院選でかかげた要求の実現をめざす。そしてそのために、くらしと雇用、社会保障、平和憲法を守る諸行動をいちだんと発展させる決意である。「小泉では自民党政治は変わらない。むしろより危険な道に入り込み、暮らしも雇用もこの国の未来もダメにする」ことを一日も早く労働者・国民の共通認識とし、日本を変えるほんものの「改革」にとりくもうではないか。

以上

 
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