与党は昨日午前、厚生労働委員会で、国民の多くが反対している健康保険法の大改悪法案を強行採決した。名古屋で開催された地方公聴会から丸一日もたたぬうちに委員会採決を強行したことは国民の声の軽視も甚だしく民主主義破壊の暴挙である。
小泉「構造改革」による倒産・失業の増大で失業率は史上最悪となり、国民生活は危機に瀕している。長期にわたる不景気は個人消費を冷え込ませており、この上さらに国民に「激痛」を与える医療の大改悪は景気にも重大な悪影響を与えることは前回の医療改革の結果から火を見るより明らかである。
1月21日に始まった今国会は6月19日で会期が終わる。この国会で政府が成立をねらってきた医療大改悪法案、有事関連3法案、メディア規制法案、郵政公社化法案など、国民の暮らしと権利をおびやかし憲法を踏みにじる悪法は150日の会期を通じて、国民の疑問と批判を高めてきた。さらに「非核三原則」の見直し発言、防衛庁の「リスト」作成と真相隠蔽事件など福田官房長官と中谷防衛庁長官の罷免に値する問題が浮上し、小泉内閣には、わが国の政治を担う能力も資格もないことが明らかになってきた。
国民の怒りと願いは、国会会期末にいたつても悪法を成立させないところまで、政府・与党を確実に追い込んでいる。小泉内閣は、会期延長や継続審議に持ち込んでも悪法を成立させようと策動しているが、「相撲に負けそうだから土俵を広げる」などもっての他である。ましてや、社会保障と平和、自由と権利の各分野から、憲法を踏みにじるこれらの悪法を、私たちは断じて認めることはできない。
愛労連はこのような悪法の採決強行に対し政府と与党3党に断固抗議し、国会の会期延長に反対、小泉内閣の即時退陣を要求するものである。
以上