9月11日に発生した同時多発テロに対する報復として、アメリカはアフガニスタン空爆に踏み切りました。この空爆で、アメリカは親爆弾から2百個の子爆弾がばらまかれるというクラスター爆弾やあらゆる生物が窒息死する燃料気化爆弾など非人道的な兵器を使い、何の罪もないアフガニスタンの一般市民に大きな被害を与えています。こうしたアメリカの報復戦争に対し、欧米では反対の声が急速に広まっています。フランスでは、軍事攻撃に対する支持が半月余りに66%から51%に大幅に減少し、イタリアではアフガニスタン派兵に対して国民の7割が反対するなど、急速に世論の変化が見られます。
しかし、小泉内閣は報復戦争に反対する声に背を向け、アメリカの戦争に自衛隊が協力するという憲法違反そのものであるテロ対策特別措置法(報復戦争参戦法)を十分な審議を行うことなく成立させ、自衛隊をインド洋へ派兵しました。こうした「戦争できる国づくり」は、中東諸国の日本に対する信頼と親近感を失うことにつながります。
一方、9月政府発表の完全失業率は史上最悪の5.3%に達し、勤労者の所得がマイナスとなるなど、私たちの雇用やくらしをめぐる状況は悪化するばかりです。こうした労働状況の悪化は青年労働者を直撃し、15〜24歳における失業率は12.4%にも達し、高校生の就職内定率は過去最低の37%を記録しました。
しかし、小泉内閣はこうした状況に対し、「改革なくして景気回復したらば改革の必要はなくなっちゃう」「政府が企業にリストラをやめなさいなんていうことはとても言える状況じゃない」と述べるなど、数10万社といわれる倒産・廃業と100万人規模の失業を生むといわれる「不良債権処理」をねらい、自動車・電機の20社とNTTで約28万5000人にも及ぶリストラを後押ししています。
「戦争できる国づくり」を阻止し、くらしや雇用を守るとりくみは「対話と共同」による幅広い連帯が必要不可欠です。こうしたとりくみに活力を与えるのは青年層の役目です。白木屋で働く青年労働者が立ち上がり、38億円の未払い残業代を勝ち取ったというニュースは全国の労働者にとって大きな励ましとなりました。また、小泉内閣が政策面で何ら実績を上げられないなか、支持率が63.6%に落ち込むなど「風」が吹き始めています。こうした新しい「風」を青年のアンテナで敏感に察知して、軍事優先・社会的弱者を切り捨てる「構造改革」、その延長にある日本国憲法の改悪を阻止するため、私たちは愛労連青年協に結集してたたかいます。そして、楽しく、明るく、互いに協力しあって活動していきます。