本日、衆議院本会議で「イラク特措法」が採決された。日本の将来を決める重要な法案をろくに審議時間をかけずに採決したことは、7月3日の「特別委員会での強行採決」とあわせて二重三重の暴挙である。愛労連は、小泉内閣と与党3党=自民・公明・新保守の、このような暴挙に対して強く抗議をする。
イラク国民は、戦争で破壊された医療施設や器具、電気・水道などのライフライン、さらには橋や道路、街づくりの復興を望んでいるのであって、自衛隊の派遣ではない。こうしたイラクの復興・人道支援こそ憲法9条を持つ日本国民のイラク支援策でなくてはならない。
ところが小泉内閣と与党3党は、ブッシュ大統領とアメリカ軍の要請に応えた自衛隊派遣をすすめようとしている。国連参加のほとんどの国が、イラク攻撃は国連決議もなく国際ルールにも違反したものとしているのであって、そもそもこのイラク特措法がいう「国連決議にもとづいて」は、これが成り立たないのは周知の事実である。この間の審議でも、政府の言う自衛隊派遣の根拠はまったく説明がつかず「何がなんでも自衛隊派遣ありき」である。
このように、米英によるイラク戦争が、国際法上、政党・合法なものではない上に、自衛隊派遣が「米英軍のイラク占領を支援するため」であること。非戦闘地域と戦闘地域との区別もなく、現地米軍司令官でさえ「全土が戦闘地域」というように、自衛隊がイラクに武器を持って派遣されれば、当然イラク国民との衝突は避けられないこと。このことからも憲法違反のこの法案を断じて認めることはできない。
日本の将来を決める重要な問題を、十分な審議もせず国民が知らないうちに成立させるというやりかたは「最早、民主主義ではなくファッショと同じ」である。我々は、参議院では十分に審議し、廃案を勝ち取るとともに小泉内閣の退陣を要求してたたかう。
以上