人事院は本日、「一般職国家公務員の給与改定に関する勧告」を行った。
「勧告」は民間労働者の賃金が下がっていることを口実に2.03%にも及ぶ大幅な「マイナス勧告」であり、このような賃金カットに愛労連は強く抗議するものである。
国家公務員の賃金カットは地方公務員はもとより、いわゆる「公務員準拠」の民間職場から福祉・保育の臨時職員への補助金の基準など、より困難な職場で働く労働者への多大な影響を与えるものであり民間労働者にとっても重大な意味を持つ。年金の物価スライド凍結解除の報道もあり、公務・民間・年金者にいたるまですべての労働者の賃金カットが行われている。この結果が年末一時金や来春闘に悪影響をおよぼし賃金破壊の「悪魔のサイクル」となれば政府の失政にほかならない。
また労働条件の一方的な引き下げは労働基準法の精神にも反するが、この勧告は労働組合のねばり強い話し合いを無視して一方的に行われた。また法律で定めた「不利益不遡及」の原則にも反し事実上4月にまで遡って賃金カットを行う(12月に調整)するものであり二重に法を犯している。
愛労連には連日深刻な労働相談が続いているが、銀行や企業による賃金の踏み倒しが増加している。大企業の工場閉鎖や中小企業の中国移転など県内産業の空洞化はあらゆる年齢層の失業を引き起こしている。政府はまともな景気対策を行わず、国民に「痛み」を押しつけるだけである。このような労働者の生活困難を背景に小学校では就学援助をうける家庭が急増している。先日行われた知多雇用シンポでは自治体の生活保護費が倍増していることが報告された。
愛労連はこのような政府・財界の賃金破壊攻撃に対し公務・民間労働者がいっそうの団結を強め、賃金カット・リストラ首切り反対、働くルールの確立に全力をあげるものである。
以上