【声明】

自衛隊のイラク派兵「基本計画」閣議決定に対する抗議声明


2003年12月10日

愛知県労働組合総連合第10回幹事会

   

 

 政府は9日、自衛隊のイラク派兵に関する「基本計画」を閣議決定した。イラク戦争は泥沼化の様相を深め、米英軍自身が「イラク全土が戦争状態」と認める状況となっている。11月29日には、日本人外交官が2人殺害されるという痛ましい事件も発生した。米英軍兵士の死者は500人近くにのぼり、11月だけでも死者が80人とイラク戦争開戦後最悪の事態となっている。米英を支援する国々の軍隊や関係する者、国連や赤十字までも攻撃の対象とされている。その一方で米英軍によって殺されたイラク国民は1万人を超えている。

 

異常な小泉首相の姿勢

 小泉首相は米英のイラク攻撃をいち早く支持し、アメリカの要請を無条件に受け入れて1,650億円の資金支援を決定した。フランス・ドイツやロシア、中国などと比べ、その異常なまでの追従姿勢は類を見ない。「日本はどうしてそこまでアメリカ言いなりなのか」「日本を守るという自衛隊をなぜイラクに派兵するのか」と反対する世論が高まっている。

 

国連憲章・国際法を無視した戦争に根本原因

 小泉首相は「テロに屈するわけにはいかない」と自衛隊派兵を正当化しようとしているが、これまでもイラク戦争を支持する理由を大量破壊兵器排除→フセイン政権打倒→イラク民主化と、くるくる変えてきた。しかし今日のイラクの混乱は、米英軍が国連憲章・国際法を無視して始めた無法な戦争と不法な占領が根本原因である。アナン国連事務総長が、「米英軍がいる限り抵抗(レジスタンス)はある」と指摘するようにイラク国民の3人に2人が、米英軍を「解放軍」ではなく「占領軍」とみなし反発を強めている。

 

自衛隊は派兵すべきでない

 政府はイラクに自衛隊を派兵して何を行うのか。イラク特措法では「戦闘地域には送らない」としているが、このまま強行すれば大戦後58年間、他国へ侵入すらしなかったこの日本が、他国の領土で他国民を殺害することになりかねない。これは「武力で紛争を解決しない」としている平和憲法を踏みにじるものである。自衛隊の派兵はいっそう、悲しみと怒り・暴力を広げる結果になる。

 

国連中心の復興を

 日本は、米英占領軍の支援でなく、イラク国民に主権を返し、国連中心の復興に切り替えさせ、憲法9条を生かして医療・水道・教育など、人道的な援助を行うべきである。それには自衛隊はいらない。私たちは政府の閣議決定に断固抗議するとともに、自衛隊派兵と戦争反対、憲法9条を生かした平和的解決を求める世論を広げるため強力にたたかいを決意するものである。

以上

 
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