【談話】

愛知地方最低賃金審議会「答申」に反対する


2007年8月28日
愛知県労働組合総連合
事務局長 榑松佐一

   


 本日、愛知地方最低賃金審議会は愛知県内の最低賃金を20円引き上げて714円とする答申を決定した。

 小泉構造改革が進められるなか「格差拡大」「ワーキングプア」が社会問題化してきた。安倍首相は昨年の就任時から「再チャレンジ」を掲げ、先の通常国会では「生活保護水準を下回る最低賃金の見直し」が議論された。先進国の中で日本とビリ争いをしてきた米国では今年、3年かけて250円の大幅引き上げを行うことを決定した。参院選挙では全労連が要求してきた「最低賃金1000円」を民主党もマニフェストにかかげて大勝し、今年の最低賃金審議にあたってはこれらの事情を背景に大幅な改定が期待されてきた。

 愛労連は組合員によびかけて1ヶ月間の「最低賃金生活体験」をおこない、現行の最低賃金がいかに人間らしい生活からかけ離れたものであるかを実証してきた。これらの体験や時給で働く労働者の声を審議会に伝えてきた。残念ながら、本日の答申は昨年までの一桁の改定とは違うが、社会が求める「格差と貧困の解消」とはほど遠いものである。

 外国人研修生をはじめ、最低賃金で生活する労働者は増える傾向にある。史上空前の利益を上げる大企業のもとで下請け単価の切り下げ競争を強いられる中小企業労働者の賃金を上げるためには最低賃金の引き上げが不可欠である。また最低賃金の大幅引き上げは低迷する個人消費の引き上げに効果が高いとされている。

 愛労連は本日の愛知地方最低賃金審議会の答申に反対し、大幅な見直しを求めてただちに異議申立を行う。

以上

 
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