愛知県労働組合総連合
議 長  見崎 徳弘

 新しい年、2002年が明けました。

 昨年は21世紀最初の一年でしたが、出口の見えない不況と大企業によるリストラ「合理化」の嵐、労働者・国民に「痛み」を強いる小泉内閣のもとで、困難と不安が深まった年でした。テロ・報復戦争を機に戦後初めての自衛隊参戦も強行され、有事立法や憲法「改正」の懸念も高まりました。

 このなかで愛労連は、リストラ反対・「はたらくルール」確立をメインに、年間500件に迫る労働相談、解雇や賃金不払いなどの争議支援、新たな労働組合づくりの援助など、働くものの雇用と権利を守って頑張りました。また、「万博・空港より県民の暮らしと福祉を」の要求や医療改悪反対、テロ・報復戦争やめよなど国民的な要求も掲げ、広範な方々と共同の運動もすすめました。支えていただいた皆さんに心から感謝申し上げます。有り難うございました。

 

 さて、新しい年は明けましたが、年頭にマスコミが一様に書いたように、景気・雇用・国民生活などの面を見ても暗雲は晴れず、先行き不安が言われています。こういうときこそ政治のあり方が重要ですが、国も県も名古屋市も、自ら招いた深刻な財政危機を口実にくらし・福祉・教育の切り下げを狙うなど、政治の風も冷たいのが現実です。額に汗して働いてきた中高年労働者がある日突然会社を追われたり、学校を出た若者が勤め先も見つからず親を頼らなければならない社会、世界第2位の「経済大国」が病人の布団を剥ぐような医療改悪に手をつける政治など、いかにも非情・異常です。

 みなさん。この現状は何としても変えなければなりません。みんなで変えようではありませんか。

 「自民党を変える」「日本を変える」といって国民に幻想を振りまきながら財界とアメリカに奉仕・追随し、労働者・国民犠牲を平然と進めている小泉「改革」の化けの皮は、いま剥げかかっています。私たち愛労連は、「人間らしく生き、働きたい」という当たり前の願いを大切にし、要求を軸に広大な共同戦線を築いて、「世直し」につながるたたかいを、職場・地域の隅々からおこしていくとき、まさに「愛労連出番」のときと痛感しています。

 

 3人の女性の頑張りで2万人の残業代38億円を払わせた白木屋労組のたたかいが共感を呼んでいます。愛知でもヒット通商や加藤楽器、タケヤマ印刷はじめ「労働相談110番」を契機に労組を結成して頑張る青年が増えています。「展望は闘って開く」ものです。

 マスコミや野党第一党の民主党にもエールを送られて発足した小泉内閣は高支持率を保っていますが、「痛み」は示せても「展望」は示せず、「『構造改革なくして景気回復なし』という小泉内閣の論理は破綻した」(読売)「『日本をこう変える』という未来像を示せていない」(朝日)などの指摘も出始めました。

 まず、2002春闘です。全労連は、@身勝手なリストラ・首切り許すな!「働くルール」守れ、Aパートを含む全ての労働者の賃金底上げ・最低賃金制改善、B医療大改悪阻止の3課題で「国民一揆」型の春闘を呼びかけています。

 愛労連はこれに「万博・空港より暮らし・福祉を」の県内課題を加え、職場・地域の隅々からたたかいを起こしひろげていく必要があります。

 この一年の、みなさんの積極的なご支援・ご協力をお願いして、新年のご挨拶といたします。

 


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