政府・与党は大幅な会期延長を強行し、小泉首相が重要法案としてきた「国民のいのちとくらし、平和を脅かす」悪法すべての成立を図ろうとゴリ押ししてきた。残す9日間、医療大改悪法案の成立と有事立法などの審議継続が焦点となっている。
高支持率に支えられて悪政を続けてきた小泉内閣だが、加藤紘一、鈴木宗男、井上参院議長、宮路厚生・労働副大臣ら小泉政権中心幹部の「税金の私物化、公共事業にむらがる利権あさり、口利きによる利益誘導」など数々の不祥事が発覚し、支持を急落させている。にもかかわらず小泉首相は「辞任するかどうかは本人次第」などと、自らの責任さえ放棄している。すでに国民の支持を失い、もはや残された道は退陣しかない。
医療保険の大改悪は、1兆5千億円以上もの国民負担を強要し、不況とリストラに苦しむ労働者、営業不振で廃業を余儀なくされている中小業者、さらには高負担にあえぐ年金生活者や高齢者にとっては耐え難い「痛み」となる。
また、ブッシュ米大統領への追従は、何処の国の首相か?と疑問を持たざるを得ない。憲法9条をないがしろにしてまで、アメリカの「先制核攻撃」発言を「理解」しアメリカの引き起こす戦争に加担する態度は、唯一被爆国の「首相失格」と言っても過言ではない。福田官房長官の「非核3原則の見直し発言」への抗議の声と相まって、国民の圧倒的多数の声は、有事法制廃案であり、「テロ・報復戦争ノー、憲法守れ」である。
有事立法やメディア規制法案は国会内外のたたかいによって、今国会での成立は困難にしてきたが、ここで追求の手を緩めれば、臨時国会冒頭で「一気に強行採決」という逆襲もあり得る。個人情報保護の法律もなく8月5日に始まる「住民基本台帳」(住基ネット)についても凍結をもとめる声が急速に広がっているが小泉首相は強行する姿勢をくずしていない。
私たちは、火種を残さずに有事法制3法案の息の根を止め、医療大改悪をはじめメデイア規制を含む「個人情報保護法案」「郵政公社化法案」など、国民のいのちとくらし・平和にとっての悪法全てを廃案にして小泉内閣退陣、総選挙勝利めざし、会期末を迎える国会最終盤を愛労連組織の全力をあげて闘うことを決議する。