愛労連第27回定期大会 来賓あいさつ

 鈴木 彰さん(全労連副議長)

 ご紹介いただきました、全労連の鈴木でございます。

 一方ではトヨタなどの大企業の動向をにらみ据えて、そして他方ではすべての労働者を視野に入れて、全国に先駆けて多様な共同を推進され、全国のたたかいの先頭で豊かな実践と成果を積み上げておられる愛労連の第27回定期大会と県下で職場と地域で奮闘しておられるすべての仲間のみなさんに敬意と感謝、ねぎらいの気持ちを込めて連帯のごあいさつを申し上げます。

 小泉内閣が生まれて15ヶ月になります。いまや多くの国民・労働者が自民党をぶっつぶす内閣ではなくて、それどころか利権と金権、腐敗の上にあぐらをかく自民党政治をあくまでも死守し、そのために労働者と国民のいのち、くらし、そして平和を犠牲にしてはばからない内閣であることを見抜いてきていると思います。現にいま国会では、医療大改悪や有事法制などをいっきに成立させようとした政府・与党の意に反して会期の大幅延長まで強行したのに、残りがあと11日に迫った今日現在、これらの悪法はひとつも成立しないという事態を迎えています。政府・与党に蔓延する金権腐敗が、彼らの政権執行能力、法案提出資格、こういうものを破綻・崩壊させているということが国会審議のなかで次々と明らかになっています。長年の自民党政治が舵取り不能に陥っていることが国民の目の前に明らかになってきているからであります。

 また、これらを機敏に捕らえた労働者と国民がくらし、平和のそれぞれの分野から同時多発的に運動と世論を発展させ、急速に対話と共同をひろげそして国民的な共同や、あるいは4野党の共闘を前進させてきたからだと思います。こうして、小泉人気が絶頂だった時期に配分された国会議席は、国民世論との発展との間に大きなタイムラグを持つにいたっています。院内外の強固な団結はこのタイムラグを利用して何とかいまの内に悪法を強行しようとする小泉内閣を牽制して、みごとに今日まで悪法の成立を阻止してきたといえるだろうと思います。このような力関係が今日の情勢の流れを規定しているということ、今日まで182日間の国会闘争の教訓としてしっかり掴むことが重要だと思います。政府与党は残る10日間、悪法を成立、または継続審議とするために院内外の団結の分断を策することははっきりしています。これまでの国民的共同や野党共闘にくさびを打ち込もうとすることは目に見えています。しかし、私たちはこれまでの団結に確信を持って悪法を火種ごと廃案にする。解散総選挙で国民に信を問えの課題を果たしていく必要があると思います。

 ところで、こうした当面の対決点を私たちは21世紀日本の進路を問う対決のなかに骨太くとらえることが重要だと思います。全労連も24日から東京で第20回定期大会を開きますけれども、結成13年を経て具体的な課題にとりくんでいくと同時に、いま本格化すべきいくつかの挑戦課題を提起する予定になっています。その第1は、21世紀初頭の目標と展望、あるいは働くルールの確立、これらを旗印にして要求の多数派としての全労連の役割をさらに本格的に広げることであります。財界大企業の無法、これと癒着した金権政治をもはやこれ以上許さないために、すべての労働者・国民との対話と共同をいっそう飛躍させる必要がらです。

 第2にこの春完成した全労連教科書をひとつの軸にして、学習教育活動の強化を徹底することであります。対話と共同をひろげれば広げるほど、日本の労働組合運動の戦闘的な歴史と伝統、それを踏まえて発展させてきた労働戦線統一の母体としての全労連の役割、今日的課題が重要になってきます。それを総合的に継承・発展させることが重要になっているからであります。

 第3の挑戦課題は、組織強化拡大基金の設立という問題であります。未組織・不安定雇用が2000万人を超え、失業者が実質500万人を超え、しかも労働組合の組織率は20%を割ろうとしている時代に、要求の多数派である全労連が労働者の要求を本当に実現する立場で組織と運動の多数派に向かって飛躍することができるかどうかが待ったなしで問われているからであります。愛労連第27回定期大会は、地域と職場に渦巻く切実な要求を握って話さない愛知の伝統的なたたかいの蓄積を踏まえて、全労連運動の先頭に立って組織と運動を飛躍させていただく跳躍台となるべき大会だと思います。みなさんがこの大会を大成功させ、飛躍に向かって進まれることを心から期待をし確信をして、全労連もともにたたかう決意を申し上げまして全労連を代表としてのご挨拶とします。21世紀を大きな花が開く時代とするためにともに奮闘しましょう。


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