愛労連第27回定期大会 討論

 討論

全労連・全国一般 黒島英和

 2002春闘は、合理化や労働条件切り下げの提案が次々と出され現在でもねばり強くたたかってっている。13組合で14件の争議・合理化があった。ヒット通商や加藤楽器、クスダでは勝利解決することが出来た。ご協力に感謝する。この間の経験は、労働者の要求から出発することと企業分析を正確におこなうことだ。ヒット通商のたたかいでは背景資本である光通信に責任を認めさせたことが大きな成果であり、一職場の問題に終わらせずに連帯を広げ社会的な問題にすることも重要だ。

 裁判所や地労委が良くない問題で、愛労連規模でとりくみマスコミも含めて社会的問題にすることが大切。合理化対策と組織化に全力をあげていきたい。


通信労組 大村美恵

 NTTリストラ反対闘争に対する支援に感謝する。NTT三の丸ビルでは1500名が働いているが、1年余で4人もの労働者が自殺した。先日亡くなった男性は、全く業務知識もない116番の職場に1ヶ月の研修で回され、家では「新しい仕事が覚えれない。俺はダメだ」と言っていた矢先に自ら命を絶った。この背景には、会社の強引な政策があることは明白だ。

 自分は現在、マーケティングの子会社に在籍出向しているが、研修の強制問題など交渉を通じて一定の前進も勝ち取っている。通信労組愛知支部は3年前に10名で結成し34名まで前進した。引き続き、愛労連の組織拡大に貢献するためにもがんばりたい。


医労連 稲葉哲久

 2002春闘はやっと決着する段階だ。内容は定昇無し、賃金ダウン、中高年は必要ないという圧力など深刻だ。こうしたもとで現場ではメンタルの疾患も増えている。今春闘で苦労したのは、役員との意思統一の際に「世間も厳しい」「どこも同じだ」というイデオロギー攻撃を吹っ切るのに大変な時間がかかったことだ。リストラ合理化問題では、単産・単組の努力だけではなく愛労連が本当に力を集中することが必要ではないか。

 愛知県医労連は今年、1400名を拡大し純増が40名強だ。単組任せにせず単産の幹部が決意と手だてを具体的にすることが大切だというのが教訓だ。愛労連全体も総掛かりで具体的な進めることが必要ではないか。方針の強調だけでは進まない。引き続き医労連もがんばっていくので具体化を求める。


名中地域センター 服部房親

 全国一般のリストラ合理化に関連して発言する。6月3日に解雇予告を受け7月4日に解雇されたが、各組合から抗議のFAXなどを集中していただき会社も動揺している。岡山での本社に対する行動でも現地の支援を受けることが出来た。愛労連からも岡山県労会議に支援要請をしてもらいたい。法廷闘争では、解雇に対する地位保全の仮処分と1年前の一方的な賃金カットに対する賃金不払い請求でたたかっている。成果主義・業績給の導入について、我々の受け止めは表面的ではないだろうか。成果主義賃金が若い層を中心に受け入れられ、従来の賃金体系を守ろうという想いと食い違い、働く仲間としてのベースがミスマッチを起こしている。なぜこうしたもとで、新しい春闘要求が提案できるのか、問い直して考えていかなければならない。


西三河南労連 桜井善行

 この13年間、愛労連があったからこそ運動を前進させてくることが出来たと思う。しかし、役員の中心が50代という現状から見ると10年後に運動の遺産をどう引き継いでいくのか考えて行かなければならない。地域での役員体制は、同じ人が何年もやらなければならないという現状がある。あるまじめな組合だが、企業内の役員は順当に決まるが、地域労連の幹事だけはなかなか決まらない。「こむずかしい」「大変だ」という思いがあるからだ。また、民間単産などでは職場の役員と県段階の単産役員、そして地域労連の役員兼務という厳しい現状もある。地域だけではないが、全体として本腰を入れて「労働組合をやっていくんだ」という層の絶対数が減ってきているんではないかと感じている。愛労連の運動・組織は単産・地域が対等に運営されているが、実際には単産・単組の金と人を中心にして運動されている現実もある。こうしたもとで原点に立ち返りながら企業別組合の弱点を克服し旧総評型の運動を乗り越えていくことを大切にし、単産も地域もそれぞれの課題を交流しながら助け合いながら前進させていく視点が必要ではないか。


千種名東労連 竹内邦彦

 21世紀の労働運動は青年や女性、パートなどがもっと参加する運動にしていかなければ未来はないのではないか。また、指令・動員型、スケジュール的、イベント的運動ではなく、もっとネットワーク型の運動スタイルにして行かなければならないのではないか。地域の春闘とは何か試行錯誤しながらとりくんでいるが、時給マップづくりをとおして地域の実態をつかみ、それを地域に返していくことでやってきた。昨年と比較すると50円単位で下がっている業種もある。また、地域での労働相談にもとりくみ、今年は夜の相談日ももうけた。千種・名東地域ではこれまで大きな争議はないが、引き続きこの地域から争議になるようなことは会社にさせないためにがんばっていきたい。働くルール署名では、昨年10月から毎月街頭での署名宣伝行動を続けてきた。ある女性が、「ダンナの命を守りたいから」と署名してくれることもあった。連合労組や県職などからの協力も得られている。引き続き奮闘していきたい。


東三河労連 原田 寛

 今日の攻撃は、個別的で多様化し同時に全面的な攻撃となって一つの流れに統合しているのではないかと感じている。この攻撃の結果として作り出されているものが空洞化という言葉に集約されるのではないだろうか。経済の空洞化、都市の空洞化、社会保障の空洞化、労働の空洞化、これらが一つの流れとなって憲法の空洞化に向かって進められ、規制緩和や構造改革が押しつけられ、そこに血税が注ぎ込まれている。東三河では昨年のミノルタ工場の閉鎖、日航ホテルに続いて白鳳ホテルの倒産。豊橋駅前は人がまばらでシャッターを下ろされたところも少なくない。豊橋労働基準監督署が13年度に936件の企業に入って監督・指導した結果、労働基準法、労働安全衛生法違反が648件、前年より10%増加したことが2・21総行動で明らかになった。21世紀初頭の私たちの運動は、この空洞化に対し外科的・内科的手術を施し本来の健康的な姿に戻すことにあり、そのためには対話と共同を通じてたたかう戦線の拡大を図ることだと思う。

 東三河労連はこの1年、愛労連の提起する運動に組織をあげて、広い地域の中でがんばってきたつもりだ。春には32団体という新しい大きな共同で「春フェスタ」を開催し5000人が参加した。攻撃が深まる中で、共同と団結の絆を強め、たたかいをとおして信頼も高まる。労働相談は100件を超え、新たな組合結成、東三河労連への加入も進んでいる。地域に根を張った地域労連をめざしてがんばっていきたい。


愛知国公 伊藤裕通

 賃金問題で、民間の低い賃金相場を反映して人事院勧告も危険な状況だ。これまでにも賞与への攻撃はあったが、本報への攻撃は初めてだ。労働基本権の代償措置である人事院に、我々は賃下げまではゆだねていないと大きな運動を展開することを決め、地方段階でも人事院事務局を包囲する座り込み行動を計画している。民間のみなさんにも支援を要請する。民間が下がれば公務も下がる、万が一、我々の賃金が下がってもそれを理由に民間がまた下がるということのないように来年の春闘めざして官民一体でがんばっていきたい。

 公務員制度改革は、来年の通常国会で法案が出される。一番の問題は労働基本権を棚上げにして政府が労働条件を一方的に決めてしまうことだ。ILOもいかがなものかと言っているにもかかわらず棚上げ状態のまま既成事実化しようといる。労働条件は労使対等で決定するというのが労基法の基本だし、国際的なルールでもある。この改革は、マスコミでも「キャリアぬくぬく」と書かれるほどの中身で、天下りの規制、汚職の解決にはならない。署名を各組合の分会レベルまで要請に行くので協力していただきたい。ヤマ場は来年の通常国会、春闘とも重なるが官民一体の力で国と行政を変えていきたい。


自治労連 長坂圭造

 徳島や横浜などで悪政を許さない住民の声が首長選挙を変えている。地方から県政・市政を住民の声で切り替えるとりくみが重要になっている。豊橋では、市民病院が郊外に移り患者さんから不便との声が出されているもとで市民病院直通バスの署名にとりくみ10万筆が寄せられたが、「金がないと」市長は検討もしなかった。ところが、一方ではこれまでのムダ使い大型公共事業を推進している。豊橋市職労では5月に「ムダ使いをやめ、市民の声を大切にする市政に切り替えよう」と、組合としてバスを借り上げ市民病院への直通バスを走らせた。大変な反響を呼び大きな問題提起を投げかけることができた。愛知県政を変えるとりくみが大切だが、住民生活と県政との関わりが分かりにくいのではないだろうか。県政を分かりやすく住民に伝えていくことがカギではないだろうか。たとえば万博・空港を中止すれば2003年度から1000億円以上の節約ができ、住民のくらしを豊かにすることができる。万博・空港については県民の圧倒的多くが反対や疑問を投げかけている。立ち上がりつくれるかどうか、住民が運動に共感したときには素晴らしいエネルギーが発揮されると思う。知恵を出し合いながらがんばっていこう。


愛高教 稲垣美樹夫

 高校の統廃合をめぐって2月9日に、130名で新城統一行動を行った。1軒1軒署名をもってまわり、本当に多くの共感が寄せられた。新城市長もあいさつに来た。翌週には知多でもシンポジウムを行い市長や議長も来た。こうした運動がマスコミのも取り上げられ、26の自治体で地元の高校を残してほしいという意見書が採択された。こうしたもとで県はとりあえず統廃合を1年延期せざるを得なくなった。県は知事選やいっせい地方選挙をにらみ争点になるのを避けたい狙いがある。大いに地元と結びつきながら運動を大きくしていきたい。この間の運動で半田には新しく養護学校をつくることも実現することができた。中教審に教育基本法の見直しが諮問されている。現在の教育の困難な状況を家庭と教員の責任にしようとしている。教育基本法と憲法の関係を見たとき、この改悪は憲法改悪への最終カーブになると思っている。9月21日には教育基本法を考える集いも開催する。教育を守る運動であると同時に憲法を守る運動でもあると位置づけてがんばっていきたい。


全印総連 田中知通

 タケヤマを懲戒解雇された伊藤さんの仮処分申請のたたかいで多くのみなさんに署名にご協力いただき感謝する。しかし、本当にひどい決定が出された。監督署もハローワークも解雇には当たらないとしていたが、会社の申請した証拠だけを根拠にした不当な決定だ。一方的な配転命令に、従わないだけで懲戒解雇が認められるようなことがあってはならない。不当決定を改めさせ、タケヤマ社内で力関係を変えて行くには、これまでとレベルの違うたたかいをしなければならないと思う。「伊藤さんを支援する会」にぜひ加入していただきたい。


海部・津島労連 河瀬孝志

 加藤楽器のたたかいを支援し、2月には200人を超える人たちに集まっていただいて集会を成功させることができた。数日後には勝利解決に導くことができ、みなさんに感謝する。海部・津島労連は7月から新たにJMIUの2分会を迎え、地域に根ざしてがんばっていきたいと思っている。


婦人協 渡辺直子

 有事法制を許さないとりくみでは、予想を上回る多くのみなさんにご協力いただき新聞への意見広告を掲載することができた。街頭宣伝では、花と一緒にビラを配る行動を3回おこなってきた。また、有事法制の危険な中身をいち早く知ろうとシンポジウムも開き学習してきた。全労連東海北陸ブロック女性交流会in名古屋を開いた。富山からの報告では、4人のパートさんで始めた組合が40人になり、日給が月給になり職場の要求をどんどん実現しつつあるという報告がされた。いま、パートさんにも本当に労働組合が必要だという共感がひろがった。来年は静岡で開くこととなっている。

 私は学童保育の指導員だが、今年の春闘は要求を出すこと自体が大きな課題だった。私の分会では1万6000円の統一要求を出したが、親たちからは「このご時世に何を考えておるんだ」と言われる中で、働くもの同士が「給料を上げてほしいという」願いさえ受け止められないという悲しい現実があると思った。親たち働くものの給料も増えない、市の補助金も増えない中で、どうするのか共同のテーブルに立って一緒にたたかいが進めていけたらと思った。そのためには、愛労連、労働組合を大きくして働くものの要求を実現できるにがっばっていきたいと思う。


青年協 市川建史

 月2回の幹事会を軸にみんなが結集してがんばってきている。単産の垣根を越えて仲間をつくり交流しようとソフトボール大会などとりくんできた。若い人たちの中に「組合ってよく分からないね」という状況がある中で、いろいろな活動を通してだんだん実感していく、そういう青年協の活動がやれているのではないかと思っている。秋にはサマーセミナーを準備している。昨年は、東海北陸ブロックの仲間も参加してくれ好評だった。ことしはブロックの仲間とも共同の実行委員会をつくりすすめている。9月14日から16日に滋賀県の琵琶湖のほとりで開催する。講演には中田進先生を迎え、全体で100名、愛知で50名を目標にとりくんでいる。ぜひ、各組合から送り出してほしい。今後もパソコン教室、ソフトボール大会、映画鑑賞会、納涼ビアホール大会なども企画している。ぜひ応援をよろしく。


中川地域センター 楠脇聡

 ゆたか福祉会労働組合は250名程度の組合だが、パートの方たちにも門戸を開いている。パートの時給は当初690円だったが1000円まで引き上げることができた。さらに1200円を目指してがんばっている。今春闘では、時間給で働くパートさんたちの年末年始休暇の賃金保証も実現する方向の回答を得ている。組合幹部構成では、37名の執行委員のうち20代、30代のメンバーが3分の1占めてきて、若い職員が積極的に組合に参加してきている。男女構成でも、福祉職場ということもあり女性が多いが、役員構成もこれに比例したかたちになってきている。経営にキッチリ要求してきたこと、時間内保証もさせながら討議を深めてきたことが積極的な中身をつくってきていると思う。よりいっそうの団結を固め、障害者を大切にしながら、未来を切り開くためにみなさんと協力してがんばっていきたい。


一宮地区労連 鈴木芳男

 12年間たたかった住友電設の鈴木過労死裁判では、勝利させていただき本当に感謝する。一宮地区労連では引き続き8つの争議を抱えているががんばって勝利させたい。

 今春闘では共同をひろげることを重視してがんばってきた。これまでは、労働組合だけで春闘懇談会をつくってとりくんできたが、医療改悪や有事法制など重大な課題を抱えるもとで、一宮地方総行動実行委員会をつくってがんばってきた。これによって春闘時の多くの集会や行動で大きな力を発揮することができた。これがメーデーにつながり、「えっちゃんの戦争」上映会にもつながってきた。この共同をさらに一歩進めるためには、一宮地区労連の力量が試されると思う。一宮は民間単産が中心で、公務職場のみなさんとの共同をどう強めるのかが大きな課題として残っている。地域労連運動が成功するかどうかは、各組合のみなさんが職場と地域にどうかかわって奮闘するかにかかっていると思う。いまの情勢のもとで、職場の要求や課題は地域の共同運動が発展したときに前進するのは間違えないと思う。各組合が地域の運動にさらに関わっていただくようお願いする。

 一宮民主センター、新しい共同の事務所建設の着工が無事に始まった。ぜひ、建設募金にもご協力いただきたい。


年金者組合 西岡久男

 年金者組合は、2002年平和行進を成功させようと奮闘してきた。これまで平和行進の交通整理やカンパ隊、盛り上げなどにがんばってきた生協の全国通し行進者が、生協の様々な事情の中で参加されないことがわかってきたとき、何とかしなければならいないと思い年金者組合の中で県内通し行進者を募り6人が応募してくれた。高齢者なので何でもできるわけではないが、12日間歩く中で、地元のみなさんや参加者のみなさんに励まされて何とか歩き通し、行進を盛り上げることができた。今年の平和行進は参加者が1000人増えて6000人となっているが、6人の通し行進者もその一端を担えたのではないかと思っている。また、12日間の行進を通して各支部のみなさんとも交流ができ、組織拡大へ向けた話し合いもできた。参加者が書いた寄せ書きから、230名が参加したことがわかる。全組合員の1割弱だ。来年は県下全支部から通し行進者を出すことができれば、30名を超える通し行進者となる。夢のような平和行進になるのではないかと胸を高鳴らせている。ぜひ、現役のみなさんの中からも通し行進者を送り出していただくようお願いする。


建交労 植村寛郎

 国鉄分割・民営化以降16年になる。JRの経営は、利益第1となり名古屋駅のツインビルや高山のリゾートホテル、知多半島の分譲住宅など儲かるところには何にでも進出していくというのがJRの商法だ。しかし、職場の状況は鉄道事業として一番大切な安全サービスが大変な状況となっている。JR東海には約480の駅があるが、駅員がいるのは32%、そしてほとんどの駅が運転取り扱いをしない、いわば切符売りだけで事故や故障が起きても保守をする人がおらず、事故が起きればダイヤに大きな影響を与える状況となっている。先日も関西線でポイントに亀が引っかかるということがあったが、それだけで30分、40分遅れるということになっている。お客さんの安全やサービスは二の次という有様だ。こうしたもとで会社は、安全については労働者の注意力で守らせるとしている。具体的には管理者が客室に乗って運転手や車掌を監視し、運転手の指さし確認の指が曲がっていたなどと乗務停止にするという考えられないことが行われている。私たちは、安全やサービスを守るためには人を増やせと要求と運動を進めてきた。今春闘では対話と共同を重視してアンケートにとりくんできた。組合の所属に関わらず職場の雰囲気が暗いという回答は8割にもなる。管理者の監視や、会社のアメとムチ政策による密告などが原因だ。これと正面から対決していくことが職場の中から信頼を得ることだと思う。こうしたことが共感を呼び2名の組合員拡大にもつながっている。

 国鉄闘争で、全動労採用差別事件は東京高裁で今年1月に結審した。すでに6ヶ月を経過したが判決がいつ出るのかはっきりしない。これはILO勧告や4党合意などいろんな状況を見つめているからだと思う。4党合意はJRに法的責任はないとなっており、解決を困難にしていると思っている。ILO勧告の立場に立って解決めざしてがんばるので、引き続き支援を要請する。


尾中地区労連 大島治

 建交労丸八商運分会が、2000年1月より名古屋地裁で争ってきた未払い賃金請求裁判は2002年2月14日、労働調停成立において勝利的に解決することができた。みなさんの支援に感謝する。丸八商運では不当解雇、一時金大幅カット、有休の欠勤扱い、健康診断もないという法律を無視した無責な会社経営に対し、改善を求めて5名の労働者が分会を結成した。会社は解雇、団交拒否、差別的配車、賃金切り下げなど異常な組合攻撃を加えてきたので提訴し、支援する会も結成した。組合員は賃金切り下げの中でもたたかい続けてきたが、経済的に追いつめられたたたかいに支援する会は月3万円、夏冬には10万円の財政支援を続けてきた。組合員には大きな励みとなった。争議の最終決着は労働調停の成立となったが、これには支援する会の計9回、290名、ビラ2万3000枚配布などによる京都本社行動によるものだった。このたたかいで尾中地区労連が中心となり民間・公務単産が一体となり支え続けたことは争議支援のあり方をしめすものとなった。しかし、裁判は解決したが会社の労働組合に対する姿勢は変わっておらず、予断を許さぬ状況が続いている。今後、職場での多数派結集をすることが課題となっている。2年あまりの支援に改めて感謝する。


名中地域センター 鵜飼邦彦

 名古屋市中区のあんきの会では、様々な要求を集めて年1回、区長との懇談会をとおして市政に要請をしている。昨年は介護保険に関する調査で施設訪問をおこない、そこに働く労働者の劣悪な労働条件が浮き彫りとなった。中区特有の課題としてアレフ問題(オウム真理教)、ホームレスなどの問題がある。アレフは目的のためには手段を選ばないという教義を引き続き持っており、住民の不安をよんでおり、どうすればよいかあんきの会でもとりくんでいる。ホームレス問題では、東京や大作に比べると名古屋は大きく遅れている。中区内では1000人以上と言われている。住民との間では、様々な軋轢があるが彼らにも人権があるし、小泉政権による経済政策の犠牲者でもある。生活支援や就業支援など行政にはいっそうの努力が求められるもとで、あんきの会としても引き続きとりくんでいきたい。

 春と秋の栄総行動で、日程や内容について愛労連との調整が必要となっている。学習の友の宣伝誌が配布されているが、職場での活用をよびかける。東ティーモール独立に関わって音楽で支援しようというNPOが設立された。財政活動としてTシャツを売っているので協力を呼びかける。


福祉保育労 二村朱美

 6月30日に名古屋市職労保育園部会と共同して給食まつりにとりくんだ。名古屋市は公立保育園の給食調理員の嘱託化を打ち出している。全国的にも国の規制緩和によって給食の外部委託が進んでいる。保育園の給食は安全はもちろんのこと、体を育てる大きな役割を担っており、給食も保育の一環であることを知ってもらうためにとりくんだ。みんなが元気になれる給食まつりをめざして、利用者だけでなく地域やマスコミにも働きかけてひろげてきた。当日は、給食やおやつの試食コーナー、食事の相談コーナー、人形劇などを企画し550名が参加してくれた。テレビをはじめマスコミにも取り上げられ世論に訴えることもでき、私たち自身も元気になることができた。名古屋市職労との共同であったが、手をつなぐことによって大きな力になることを実感させられた。引き続き、嘱託化反対のチラシを共同で配布していくことも確認されている。公的福祉・保育を守るたたかいは厳しくなることが予想されるが、共同をひろげてがんばっていきたい。


銀産労 牧野美枝子

 UFJ銀行では、合併前から時間管理の問題やシステム統合に伴う労働強化などについて団体交渉を行ってきたが、銀行は「法違反はない」「十分なただ手をとっている」と改善をしようとしなかった。昨年12月の銀行総行動や繰り返し行った労働基準監督署への要請を通じて、調査が行われることになり、ある女性は17〜18万の不払いが是正され、銀行に法違反を認めさせることもできた。しかし銀行はその後の手だてを行おうとしていない。力関係もあってなかなか思うような成果も上げられていないが、みなさんの力もお借りしながら銀行も労働基準監督署も攻め込んでいきたい。経営の「健全化計画」のもとますますの店舗統廃合、人員削減でサービス残業はなくならず、メンタルを含め体調を崩す労働者が増えている。

 松井労災事件で、組合員自身が思うように休暇も取れない状況で統一行動もなかなか思うようにいかないが、地域のみなさんの支援に本当に助けられている。感謝する。業者のみなさんや地域の利用者のみなさんとの共同をひろげて銀行を包囲し、地域に役立つ銀行をめざしていきたい。


建交労 政次博彦

 今春闘では愛労連の提起を受け、18名が最賃体験生活にチャレンジした。「缶コーヒー1本買うのも躊躇する」という感想も寄せられている。学童保育指導員は大学を出ても初任給が13万円程度、全体の平均給与でも名古屋市内が19万5000円、市外では14万円台で最賃すれすれの実態だ。根本には貧困な施策があり、長年に渡って国に対して法制化を要求してきた。こうした結果、児童福祉法が改正され国政レベルでは追い風も吹いているが、名古屋市は予算をいっさい増やしていない。議会では時間延長や障害児への補助金加算、家賃補助などが採択されているが、市長段階で切られている。こうしたもとで団体署名にとりくみ議員の約半数が紹介議員になる変化も生まれているが名古屋市の姿勢は変わっていない。各組合でも家庭と子どもを守るとりくみとして要求に掲げてほしい。万博・空港で赤字が生まれればますます深刻な事態となる。ご支援をよろしく。


愛高教 三栄国康

 10月に労基法徹底月間のとりくみが提起されているが、残業45時間問題で言えば、厚生労働省が出した今回の総合対策は36協定で45時間以上が認められていても、労働安全衛生の立場から指導をするというのがポイントになっている訳だから、労基法徹底月間だけでは迫力不足になるのではないか。9月28、29日に愛労連が開催する労働安全衛生学校のなかでも月間の中身を迫力あるものにする学習が必要ではないか。

 労働相談実践マニュアルが発行されたが、労働安全衛生の面で不十分な点がある。

 有事法制の問題で、自民党国会議員の秘書との会話があった。自民党も一枚岩ではないし、ひび割れを生じさせることも可能だと思う。そういう点ではもっとわかりやすく大規模な宣伝を展開していく必要があるのではないか。ぜひ、具体化してほしい。


岡崎・地域センター 北村清幸

 有事法制反対で6月に岡崎で集会を開催し近年最高の300人が参加、大きな成功を得ることができた。1週間前からは宣伝カーを回し周知にも力を入れてきた。駅頭などでの訴えでは、足を止めて聞いていく人も多かった。さらにとりくみを強めていきたい。

 労働事件で不当な裁判官が許せない判決を下したことが報告されていたが、やはり抗議のとりくみをする必要があるのではないだろうか。会社や社長には抗議の様々な行動をするわけだから、裁判官が不当ならやっぱり「おかしいことはおかしい」という意志、声を現さなければいけないのではないか。お互いに知恵を出し合って不当な裁判官には考えを改めていただくとりくみを構築していきたい。


名南労連 田島保利

 働くルール署名で、昨年の大会で確認し評議員会で署名を地域で集約することが提起されたが、総括では「提起に無理があった」となっていて、方針では「第2段階に入った」となっているだけだ。どこがダメだったのかも含めて検討し、新たに提起してほしい。ゆたか福祉会での労働事件問題で、非常に困惑している。ゆたか福祉会労働組合は加盟組合でもあるので戸惑っている。名南労連としても、労働組合としての真義を尊重しながら労働組合だから労働者を守って早期に事件を解決することが望ましいと要請している。しかし、今日この場で新たな事件についての資料が配付されているが、事前に該当する地域労連には何の連絡もなく戸惑っている。これまで地域労連としては愛労連と歩調を合わせて行動すると確認してきている。ぜひ執行部より事件の経過や地域労連としての対応について答弁いただきたい。


医労連 鈴木弘之

 医療改悪は5人に1人が署名で反対しているのに、小泉内閣の対応は独善的だ。「医療改革」の中身は患者負担だけの問題ではない。大きな問題として医療の供給体制を変えようと狙っている。それは、公的病院を民間に売り渡してしまうこと、保険制度をアメリカ並みのものにしてしまう危険な中身だ。この半年間、地方自治体に対しても公的病院を守るために意見書採択を求める運動を行ってきた。愛知県議会では3月議会で否決されてしまったが、名古屋市では自民党の有力議員にも働きかけて採択を勝ちとることができた。全国では20自治体ぐらいとなる。地域に病院はなくてなはならないものだ。ぜひご協力をお願いしたい。


年金者組合 茶谷寛信

 医療改悪をめぐって、国会での委員会審議はあと2日となった。野党ペースで国会が進めば阻めるところまで追い込んでくることができた。1400万人の国民年金受給者がいるが、年金は4万7000円だ。この人たちに10%の医療費導入が図られることはとてつもない打撃だ。介護保険の認定状況では、低所得者層ほど認定度が高くなっている。障害を持った老人が所得格差によって低所得者層に集中しているということだ。医療改悪が持ち込まれればさらに深刻な事態となる。坂口厚生労働大臣は、公務員賃金や物価が下がればわずか4万7000円の年金さえも切り下げると言っている。最後までの奮闘を訴える。


愛知国公 石原正仁

 働くルール確立で全労働として全国100万枚、愛知で4万8000枚というかつてない規模のビラ配布に春闘期からとりくんできた。このビラに書かれている中身は労働基準法のイロハとも言うべき内容だが、監督署やハローワークに相談に見える方の多くの内容はこうしたものだ。署名のとりくみと同時に、権利について知らせていくとりくみが大切だ。今年も5月に栄で「働くルールアクション」と銘打った宣伝行動を組合員80名余の参加でとりくみ、宣伝と同時に450筆の署名を集めることができた。引き続きがんばっていきたい。監督署もハローワークも高い失業状況を反映し人であふれている。しかし、こうしたもとでも職員は減らされ続けてる。労働行政職員増員のための署名にもご協力をお願いしたい。


建交労 谷藤賢治

 じん肺映画である「人として生きる」上映会は、200人の人たちに観てもらうことができた。

 賃金闘争で、今春闘は約80職場のうち、35職場で有額回答、28職場でゼロ回答、賃金削減は9職場、未解決の職場は11職場となっている。一時金は55職場で回答が出され、平均は昨年よりマイナス3万円で内ゼロ回答が2職場、10万円未満が4職場となっている。春闘も一時金も秋にかけても引き継がれる状況。企業内で解決できる能力を持っているのは4職場ぐらいだ。財界による低コスト化のもとで、労働者が生み出した労働価値をどう分配するかのたたかいが大きな柱になるのではないかと思っている。賃金闘争を行うにあたって、生計費原則に基づいた賃金のあり方を強く求めていく必要があるのではないか。

 今年10月からNOx・PM法が施行される。トラック業者では「NOx・PM法が施行が成功されれば生きていけない」という状況となっており、企業と業界をどう生かしていくのか経営者とも業界とも共同していくことにしている。


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