今日の雇用破壊、「格差と貧困」をつくりだしたのはトヨタ。11月25日、第24回トヨタシンポジウムがはこのことを明らかにしました。労働者にはわずか1000円の賃上げ、過酷な労働を押しつけるだけでなく、この間の労働法制の規制緩和を押しすすめてきたのです。愛労連では08年2月11日に「トヨタ総行動」にとりくみ、トヨタの社会的責任を追及していくことにしています。
トヨタは95年以来、日本財界のトップの地位に立ってきました。旧経団連会長・旧日経連会長にトヨタの会長がつき、その後02年に両組織が合併して「日本経団連」となりましたが、その初代会長にもトヨタの奥田碩氏が就任しました。
奥田氏は、小泉内閣のもとで、経済財政諮問会議の「民間議員」として、労働法制の規制緩和、消費税増税、憲法改悪を主張し、その実行を迫ったのです。
トヨタは、80年代の日米自動車摩擦後、アメリカの圧力に屈し、海外進出と円高対策として、労働者の賃金抑制とリストラの推進、正規から非正規への置き換え、下請への徹底したコスト削減、農業や地場産業を犠牲にする「市場開放」をすすめてきました。
2000年以降、CCC21、BT2、VIなどと銘打ったコスト削減を強行。このため下請企業では人件費すら払えず、偽装請負や外国人に対する違法雇用を拡大させる原因となりました。
「売り上げが減っても利益を上げる」ために、労働法制の分野で規制緩和が一気にすすめられ、今日大きな問題になっている「雇用破壊」「ワーキングプア」を生み出しました。
トヨタの利益のために、労働者・下請事業者のくらしと営業が、さらには農業や地場産業までもが犠牲にされたのです。
トヨタ関連をはじめ、日本の大企業の大部分が非正規労働者を増やし、偽装請負や違法雇用を拡大させました。TIMS(ティムス)のようにブラジル人労働者を社会保険すら加入させずに使う事業所もあれば、コスト削減をすべて労働者に押しつけ、8年間ボーナスゼロ。正社員はたった一人で10人以上のパート労働者は産業別最賃の適用除外となる65歳以上の人を使うなど、こんな下請け企業もあります。
労働者・下請を犠牲にする一方で、トヨタ経営陣は減税や株主配当で、ばく大な利益を手に入れています。豊田章一郎(名誉会長)や豊田章男(副社長)親子の場合、株の配当だけで18.9億円、10%の株主減税なら1.9億円もの減税になります。
東京大気汚染裁判、内野過労死裁判と、トヨタはあいついで断罪されました。トヨタ総行動は、こうした勝利和解・判決に大きな力を発揮しました。
来年2月11日のトヨタ総行動は、「働くルール」を確立するたたかいであり、くらしと営業を守るたたかいです。職場・地域、そして犠牲者である下請事業者との共同も追及し、トヨタ総行動を軸に08春闘での要求前進をめざして奮闘しましょう。
(NO.156-2007/11/25)
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